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嫁 vs 嫁 vol.1



【 欲しくて 産むんですかっ!! 】


投げやりな きついトゲのある 冷たい口調で 「3回」も そう問われたのは 
2003年の年末。 後 5~6時間で 新しい年。 2004年を迎えようと
言う時 実家のキッチンでの事であった。 

そう問いかけたのは 旦那様の弟の嫁・・・ 私からすれば【義理の妹】であった。

義理の妹・・・ 義弟の3度目の奥さんである・・・。 私とはほんの2歳ばかり
年齢の違う人で 結婚前まで親と同居 長女と言う事で・・・ いやいや・・・
女の子 と 言う事で 穏やかに優しく ご両親が育てたみたいだ。。。

と 言えば 差し障りないが 私からすれば【気が付かぬ 世間知らず】としか
うつらない・・・ 30も中にかかろうかと言う女性が 言葉の使い方も 
世間一般の 気の配り方もしらないのかっ!! と 断言して言える数々。。。
また 折々・・・ その話は出るとは思うが 言い出せばキリがない・・・

義妹のその言葉は その場に居て 私の手足となって 支持通りに夕食の準備を 
淡々とこなしてくれている 中学二年生の娘をも憤慨させた。 一瞬 包丁の
動きを止めて 後ろを振り返ろうとした娘。。。 少し離れた所でイスに座り
大事をとりながら娘を見守っていた私・・・ 目線があった。

私は娘を見つめ 少し顔を横に振った

       『 何も言うな・・・ 』

娘は 納得いかない顔と目で 私を見つめ返した。 貴女の言いたい事は解る。
でも 言葉にしてしまえば 新しい年を迎えるにあたり 支障が出てくる・・・
自宅でならまだしも 実家で揉め事を起すわけにはいかない。。。 その事は
貴女にも理解できるでしょ??

娘は何も言わず 私の気持ちを汲んで 何事もなかったかのように また 包丁を
持つ手を 動かしだした。

軽い溜息を1つついて 義妹が気分を害せず 納得してくれるように話をしだした。
だが 義妹は その言葉をさえぎるかのように もう一度 同じ言葉を問いかけて
きた。 もちろん 口調も感情も 何一つかわらずに・・・。

「欲しくて 産むんですかっ!!」

『ああぁ・・・ この人には 何を言っても 駄目なのね・・・』

そう思い こちらも 気を使わずに言葉を返す事にした。。。

【もう 諦めていたのよ。 
 この年だしね 体調も気力も 私の命自身が 持つかどうか
 解らなかったからね。】

でも 話そうとする私の言葉をさえぎり 義妹の口からは 
同じ問いかけしかでてこない・・・。

「欲しくて 産むんですかっ!!」

完全に娘の動きが止まった。 じーっ と まな板を見つめている。。。
そして 横目で私をうかがった・・・ その目は

      『 何故 黙ってるの!? 何故 言い返さないの!! 』

そう 訴えていた。 でも 私は さっきと同じアイコンタクトしか出さなかった。

この人は 自分の感情を押さえ 人の話を冷静に聞き把握する と
言う事が出来ない人らしい・・・。 余程【出来ちゃったから生むのよ~】
と 言わせたいみたいね・・・。 我家にとって予定外の邪魔な子供だとも・・・。

【だから 諦めていたのよ。 うちの人が もう一人欲しいのは 痛いほど
 解っていた 欲しい時期に 体を壊したり お母さん(義母)の事故や 介護や 
 色々あって 時期を逃してしまっていたの。 確かに 今回は 命がけかも
 しれないね。。。 年齢的にも 体力的にも 持病の方の事もあるし それに
 前置胎盤だから 出血性ショック死って事も ありえるんだからね・・・ 
 でも 時期は はずれたけど 危ないかもしれないけど 主人が望む以上 
 産んであげたいのよ。】

義妹は 『むっ』とした顔と声で【そうですかっ!】と だけ言って 2階に
さっさと 姿を消した・・・。

娘は振り返り 義妹が姿を消した2階に続く扉を じっ と 睨みつけていた。


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