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April 21, 2009
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カテゴリ: カテゴリ未分類



そこに座の空気に斟酌しない 
馬鹿の声が聞こえた

長親である

「北条家にも関白にもつかず
今と同じように皆暮らすということはできんかな」
世迷言を言い出した

あまりの暴論に 成田家臣団は一様に唖然とした
山角 成尾にいたっては すでに怒気を発している

丹波も目もくらむ思いがしたが
(・・・そういえば)
と 一方で思い直した

長親は 先だっての衆議のときにも同じことをいっていた
無論 その馬鹿馬鹿しさに誰も相手にしなかったが
なんのつもりかこの馬鹿は 今度も同じ事を繰り返している

・・・今と同じように皆暮らす

誰もが望んだことである
長親は ただそれを口にしたに過ぎない

(だが そんなことができるくらいなら こんな苦労はせん)
丹波が長親の妄言を叱りつけようとしたとき

「この大たわけが」
怒鳴り声を上げたのは長親の父 泰季である

長親の首根を押さえるや 板敷きに何度も息子の頭を叩きつけ
申し訳ござらん と北条の使者に繰り返し謝った

70過ぎの老人に 40男がねじ伏せられている
その画は 滑稽とも何とも言いようがなかった
北条の使者は怒りも忘れ しきりに瞬きを繰り返した

だが どういうわけか長親は頭を打ちつけられながら
怒るでもなく かといって謝るでもなく
ただ無言でいた

(またこの感じだ)
丹波は 妙な違和感を長親に時々抱いた

それは 少年のころから長親と付き合い
何度か得てきた感覚である
なんなのだ 
長親にはとうてい不似合いなこの感じは ・・・


のぼうの城   和田 竜


子供が喧嘩をしたときは
「仲直りしようね」と 親は間を取る
宥め 仲立ちをし また一緒に遊べるように
誰もが配慮する

子供はまた 何も無かったように 遊び始める

成長して行くに連れ
何故 元に戻れなくなってしまうことが増えるのだろう

仲違いしたら「ごめんね」と
誤解や悪かった所を反省し 改めて行けばいいのに

誤解したことを根に持ったり 
間違った所 改善する事の話が出ると
「ごめんね」ではなく 逆恨みをしたり 
だんだん 嫌がらせや当て付けをするようになったり

そんなことをするから
それはおかしいよ 間違ってるよ と指摘される
また 悔しくて さらに様々な事を企むようになる

「悪かった」「すまなかった」と 
それだけで和解すれば なんでもないことなのに


仲違いする人がいたら
どちらの味方をする というのではなく
一緒に 穏やかに 和やかに
和気藹々と過ごせるよう 
私は願う

汚い噂を流す人 人の悪口を言う人 その事を信じるのではなく
楽しい話が出来る方がいい
面白い人 尊敬出来る人 一緒にいて心温まる人がいい

誰かを攻撃したり 仲間はずれにしたり 中傷したり
そんなことを面白がってするような生き方

例え 「馬鹿」「空気が読めない」そう言われようと
私も「北条家にも関白にもつかず
今と同じように皆暮らすということはできんかな」
そう 呟くだろう





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最終更新日  April 21, 2009 04:13:01 PM


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