勝手に最遊記

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A Rose Prison ―16―



『・・・コレ・・か?』かがみ込んで、ジッと見つめた。


「それじゃ、肥料になってもらいましょう・・。」
沁紗が無数の蔓を、倒れて動けない悟空達に向けた。

「・・止めてぇ!!」
木の陰から、桃花が飛び出した。

そのまま二人を庇うように、間に立つ。

「も・・逃げ・・ろっ・・!」
悟浄が必死に促す。
「ももっ・・かっ!!」
悟空が体を起こそうと歯を食いしばる。

「まぁ・・わざわざ肥料になりに来て頂けるなんて・・嬉しいですわ。」
その言葉に反発するように、
「なんで・・なんで永遠に、咲き続けなきゃならないのよっ!?」
桃花は怒鳴った。

「ご主人様がそう、望まれたからです。“ずっと、ずっと咲いていて欲しい”と」

「ずっと咲いている花が美しいと思うの?咲いて、散って、また咲いて・・。
その繰り返しが、自然の理(ことわり)でしょう?
その姿こそが美しいと思わないのっ!?」

フンッ・・と沁紗が鼻白んだ。
「それは、その辺に咲いている雑草でしょう?
私のように、高貴で美しい特別な薔薇・・選ばれた薔薇には散る事など
許されないわ。この美しい姿を、永遠にとどめて置かなくてはいけないの。」

「・・・最悪な、花。」
桃花は深いため息を付いた。

「お喋りは此処までよ!・・薔薇にはほど遠い貴方達が、
美しい薔薇の肥料になれる事を、光栄に思いなさいっ!」

ズルアアッ――沁紗が蔓を桃花達に向けて放った――「・・・っ!!」

ドオオンンッ・・・気功弾が、蔓を吹き飛ばす。「八戒ちゃんっ・・!」

「遅くなりましたっ♪」ニッコリ笑って八戒が立っていた。

「八戒・・てめ・・美味しすぎ・・。」
悟浄が苦笑した。
「ははっ・・さんきゅ・・。」
悟空もホッとした顔をした。

「また肥料が増えたわね。・・・私は永遠に咲き続けるのよ。」
ズルズルと蔓を巻き始めた。

「・・しつこい花は、嫌われますよ?」
八戒が気を溜める。

「うるさいのよっ!!」
沁紗がまた、蔓を大量に放った。


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