勝手に最遊記

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Gag Story Change ―4―


悟空が、席を立った。
「あっ!あたしも行くっ。」
三蔵も嬉しそうに立ち上がる。

「ちょっと待て・・貴様、俺の体で外を彷徨(うろつ)く気か?」
もの凄く不機嫌な顔で、桃花が睨み付けた。

「ココで雁首揃えてたって、解決しないし?買い物も多いから
悟空ちゃん一人じゃ無理でしょ?・・大丈夫、男になりきって来るからv」
男装の経験が役に立つわ~っと、呑気に三蔵が答えた。

「ジープは置いていきますよ。・・・その悟浄のデカイ図体で、キューッて
鳴かれたら困りますしね。桃花と、悟浄と、ジープと、八戒で、残って下さい。」
悟空が三仏神のカードを預かる。

「・・・俺がお守りか?」ますます不機嫌度がアップする桃花を尻目に、

「それじゃぁ・・・行ってくる。」とても男らしく―――――――三蔵が笑った。

パタンッ・・・・扉が閉まってから、桃花達は固まっていた。

『・・あの野郎っ・・むやみに笑いやがってっ・・』
桃花が怒りに燃え、
『さっさっさっ・・・三蔵があんなに無邪気な顔で笑ったのって・・!?!』
八戒が混乱を増し、
『おっ・・面白れぇ・・俺も悲惨だけど、ある意味、三蔵の方が悲惨かもっ!?』
ジープが思わずテーブルから転げ落ちる。

そんな状況をよそに、八戒と桃花・・悟空と三蔵が町中へと繰り出した。

「――で、何を買うんだ?」誰が聞いているか判らないので、
努めて男らしく振る舞う三蔵。
「ええと・・沢山ありますよ。食料は保存の利く物を沢山買いますし、
着替えも色々・・。」
悟空がメモを眺めながら、いかに効率よく買い物できるかと、思案している。

「・・!」三蔵が屋台に目を留めた。『うわっ・・美味しそうっ・・♪』
屋台では女の子が、手際よく焼き鳥を焼いている。

でも、屋台では三仏神のカードは使えない。現金もあまり持ち合わせていない。
『う・・食べたいなぁ。』そう思っていると、屋台の女の子と眼があった。

「いかがですか、おひとつ♪」愛想良く、三蔵に焼き鳥を差し出した。
「あっ・・ゴメンね。俺、現金持ってないから・・。」
悪いと思い、ニッコリ微笑みながら三蔵が断った途端、

―――ボッ―――という、音と共に、屋台の女の子の顔が赤面し、
バババババババッと、焼き鳥を山ほど包んで、

「どどどどどどどどううぞっ!!お持ち下さいっ!!」三蔵に差し出した。

「えっ!?いや、お金無いって・・。」三蔵が困惑すると、
「いいんですっ!私の気持ちですっ!!」焼き鳥を押しつけられた。

じゃぁ・・と、受け取り、屋台から去り際に
「ありがとうv」三蔵が女の子に微笑んだ瞬間――――女の子が倒れた―――――


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