勝手に最遊記

勝手に最遊記

Gag Story Change ―7―



『案外、賑やかな町じゃねぇか・・。クソッ。』心の中で舌打ちする。
昨夜は遅くに到着したので、気付かなかったのである。

『こんな人の多い所で・・あのバカ女・・!』ますます不安が募る・・と、
「いやーんっ!」「可愛い~っv」女の嬌声が上がる。

ハッと気付くと、自分の肩に乗っていたジープが居ない。
『・・あのエロ河童っ!!』桃花が鬼のような形相で、声の方を振り向くと、
ジープが色っぽいお姉さん達に、まとわりついている。

「アナタ、可愛いわね~。」「今度は私が抱っこする~っ。」
色っぽいお姉さんの胸に埋もれ・・幸せ一杯のジープ(鼻の下伸びている)が、

「迷惑かけた。ソイツを引き取る。」重々しい桃花の声に、ジープが青ざめた。


名残惜しそうな女達からジープを引き取り、路地に連れ込む。
「・・いいかっ!?今度、単独行動しやがったら喰うぞっ!!」
思いっきりジープを脅しつけた。

『・・・桃花の顔でも恐えーよな・・つか、桃花の顔だから恐いのか?』
良く判らないまま、それでも恐怖の余り、コクコクとジープが首を振る。

「・・フンッ!」苛々した気持ちをなだめようと、マルボロを取り出す桃花。

『わっ・・バカ!止めろって・・!』ジープがバタバタと暴れる。
それに構わず、
シュボッと火を付け、思いっきり吸い込む・・。

「★○▼□・・ゴボッゴホッゲフォッゲホッ・・・!!」盛大に咳き込む。

『・・言わんこっちゃない・・。』呆れ顔(?)のジープ。

「なっ・・ゴホッ・・なんだ・・ゴファッ・・。」目から涙が滲む。
吸い慣れているはずのマルボロが吸えない。
『そうか・・コイツの体か・・。』やっと思い当たった。

酒も煙草もやらない桃花・・その体がイキナリ煙草を吸えるはずもない。
クソッ・・元に戻るまで、酒も煙草もお預けか。

やっと呼吸の整った桃花の背後から、下品な声がした。

「こんな路地裏で、何をヤッてんの~お姉ちゃんっ!」
チンピラが三人、ニヤニヤと笑いながら立っている。

「・・・・貴様等・・殺されたいか。」
殺気を振りまきながら、ゆっくりと桃花が振り返った。


一方、紅孩児達と対峙している三蔵(桃花)・悟空(八戒)――――――――――

「そんな美人を連れているなんて、紅君もスミに置けないねっv」
ヒートアップする三蔵の軽口に、石化が強まるばかりの紅孩児達。

『・・コレは使えますねぇ。』悟空の眼がキラリと光る。
久しぶりに紅孩児に会えて、桃花は自分が三蔵の姿をしている事を忘れている。

「桃花・・小さいお嬢さんが紅孩児の妹の李厘。
もう一人の方が、紅孩児のお付きの薬師、八百鼡さんですよ。」悟空がこっそりと囁く。

「紅君の妹っ?」三蔵がパアッと目を輝かせる。
わーそうなんだ~っとズンズン李厘に近づく三蔵。

李厘はいつもと(かなり)様子の違う三蔵に怯えて動けなくなっていた。


© Rakuten Group, Inc.
X
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: