勝手に最遊記

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Gag Story Change ―8―


李厘の頭を撫でた―――「ふんぎゃああああ!!」李厘が突然大声で叫び、
三蔵に強烈な回し蹴りを喰らわせようとしたが、瞬時に三蔵がかわす。

「うわっ・・驚いた。どうしたの?」
怒りもせず、自分の顔を覗き込む三蔵に李厘が・・・・壊れた。

「うううわあああ~んっ!!恐いよー恐いよーおにいちゃあああんっ!!」
突然の号泣に、紅孩児達が我に返る。

「さっ三蔵・・貴様、どういう了見だっ!?」
狼狽えながらも、三蔵に詰め寄る紅孩児。

一瞬、ポカンとしていたが、
「・・ああっ!あのね~、あたしね~・・。」三蔵は理由を話そうとしたのだが、

「ヒィッ!・・三蔵が・・三蔵が・・“あたし”って・・!?!」
世にも恐ろしいモノを見たかの様に、八百鼡が後ずさる。

「いっ?いや、ちょっと・・話をね、聞いて・・。」八百鼡に近寄ると、
「・・・・・ふぅ~・・・」八百鼡が気絶してしまった。

慌てて八百鼡を助けようとしたのを
「やっ・・八百鼡に触るなっ!」青い顔で、独角兕が制した。
「・・・独角兕さんまで・・。」悲しそうに上目遣いで自分を見る三蔵に、
八百鼡を抱えたまま、独角兕は心底震えた。

「こっ・・紅!今日は・・一旦、退かねぇかっ!?」
やや、声が裏返り気味に叫んだ。
「うにゃあああっ!!三蔵がー三蔵がーっ!!」
壊れたままの李厘。
「・・・・・・・。」現実逃避したままの八百鼡。

「・・・今日は、お前達も二人しか居ないし・・・どうやら日が悪いようだ。」
紅孩児はなるべく三蔵の顔を見ないように、あらぬ方向を見ながら
「また、来る。」
かろうじて理性を保ったまま、紅孩児が背を向けた。

「あっ!待ってよ~紅君ー・・・」三蔵の呼び声も虚しく、紅い風が巻き起こったと同時に、
紅孩児達の姿がかき消えた。

「・・・・なんでぇ~?」三蔵の背後(うしろ)で、悟空がほくそ笑んだ。



――――――――――「どうやら相手が悪かったようだな。」桃花が埃を払った。
足下にはチンピラ達が気絶している。

「・・しかし・・。」この体、動きやしねぇ。
攻撃を避けるにしろ、パンチや蹴りを喰らわせるにしろ、
思った通りに体がついてこない。プニプニと腹の贅肉を摘んでみる。
・・・・しょうがねぇか、こんな体じゃ。


「オイッ、行くぞジープ!」不機嫌に桃花が歩き出した。




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