勝手に最遊記

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Boys Meets Girl ―7―



―――――――三蔵から放たれた、魔天経文が蟷螂を包み込む・・・・。

「ギェェエッッッ!!!」体を縮こまらせて蟷螂の動きが止まった。

「よっしゃぁ!片を付けるぜ、悟空!!」「わかってらぁ!」蟷螂に向かって猛然と突進する悟空と悟浄。

・・・!?三蔵の目に再び動き出す蟷螂の鎌が目に入った。
「待てっ!・・危ねぇーっ・・」制止が間に合わず、両の鎌から繰り出される真空波に、
悟空と悟浄が巻き込まれる「うああぁっ!?」「・・・っつぅ!!」
体のあちこちから血を流して、悟空と悟浄が倒れ込んだ。

「・・・痛っってぇ~。」フラフラと悟空が立ち上がる。
「いい男が台無しだぜ。」悟浄がペッと口から血を吐き出した。

クックックックッ・・・陽欄の笑い声がこだまする。

「闇を砕く力を秘めた魔天経文・・さすがに効いたわ。
でもそれだけじゃ・・・私を完全に倒す事なんて出来ないわよ?」

蟷螂の体から機械の部分が突出している・・が、完全に動きを止めることは出来なかったようだ。

「どーすんだよ!三蔵!?」「煩い猿!考えてるところだっ。」

「考えているヒマなんてないわ。諦めて私の糧になりなさい!」蟷螂が鎌を持ち上げたその時、

「最悪~。この欲求不満のオバハン!!」いつの間にか蟷螂の左後方に回っていた桃花が叫んだ。
「小娘!?」蟷螂が桃花に向き直る。

「他人を犠牲にしてまで得る物に何の価値があるって言うの?自分の醜い姿が見えない訳っ!?」
「ハンッ!所詮、弱い者は強い者の糧になるしかないのよ。お前も私の糧になるがいいわ!!」

桃花がニッと笑った。「それはどーかな?ねっ、八戒さん!」

「陽欄さん、プレゼントですよ。」蟷螂の後ろに回り込んでいた八戒が呑気そうに言った。
「!?」「そらっ・・・!」八戒が何かを陽欄の背に向かって投げつけた。

「こんなモノ・・!」蟷螂が振り向きざま、鎌でそのモノを切り裂く・・・・・
そのモノから液体が溢れ出して、蟷螂の体をずぶ濡れにした。

「これは・・!灯油!?」陽欄の声が震えた。

「悟浄さーーん!」桃花が悟浄に向けて手を振った。

「わーってるよ。オレの愛用のライター、くれてやるぜ」ポケットからジッポを出し、火を付ける。

「止め・・止めてぇぇ!」絶叫する陽欄に構わず、悟浄がジッポを投げた。

「ギイエェェッッッ」たちまち蟷螂は炎に包まれる。そして、体に埋め込まれている機械が爆発を始める。

「八戒、桃花、逃げろ!・・・行くぞぉぉ!!」悟空が宙に飛び上がった。

「でやあぁぁぁ!!」蟷螂の頭上から如意棒を突き刺す・・刹那、

・・・ドッッッカアァァン・・・・大地を揺るがして蟷螂は爆発した。


飛んでくる残骸に当たらないように桃花を庇っていた八戒が、
「とりあえず、此処から逃げましょう。町の人達が集まってきました。」

見ると、町の人間が陽欄の名前を呼びながら集まり始めている。

「このまま此処に居たら、陽欄を殺した残虐非道な妖怪だと言われて、殺されかねませんからね。」

「そんなぁ~。」へたり込む桃花の頭をポンポン叩きながら
「まーしょうがねぇよ。証拠も燃えちまったし。悟空、走れるか?」
「誰に言ってんだよ!河童にゃ負けねーよ。」

「・・・行くぞ!」三蔵が先頭を切って走り出した。


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