勝手に最遊記

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Curse ―11―




桃花の髪も、すっかり元通りに・・・・当然の事ながら、悟空も元のサイズに戻った。

「あ~っ!悟空ちゃん・・・惜しかったよねぇ?カッコ良かったのに!!」ジープの上で、一人盛り上がる。
「エッ・・そっか~?」照れながらも嬉しそうな悟空に、
「まっ。オレ様には負けるけど、なv」悟浄がニヤニヤ笑いながら喧嘩を吹っかける。
「なんだと~?だーれがエロ河童に負けてるんだよっ?」早速、噛みつく悟空を止めて、
「気にしない気にしないv悟浄君は、悟空ちゃんに嫉妬してるだけなんだからv」
「桃花・・俺が悟空に嫉妬するワケないっショ?」

悟浄の顔をチラリと眺め、
「だってさ!悟空ちゃんって背も高かったし、もの凄く男前だったよ!!5年経ったら、この中でも
一番の男前になるんじゃないかな~っ!」
・・・・・この桃花の言葉に。 


悟空は更に頬を赤らめ――――――ジープの上の男性陣は、不機嫌さを増した。


「悟空ちゃんって優しいしv男前だしv背も高いしvv5年後の悟空ちゃんに予約を入れたいねっ!」
ねっ!!・・と、皆を見回すが・・・ナゼカ、ジープの上は氷点下状態に陥っている。

「・・・・・へ?」 ようやく、事態に気付いたが・・・時、既に遅く。

「成る程・・・桃花は悟空以外、“男”に見えてないと。どうでも良いんですね?僕ら。」
「やっぱりな。俺の魅力にハマラナイなんて、ロリコンだったワケだ。へ~。」

へ?へ?・・・と、焦る桃花に、
「悟空。良く、考えろ。」三蔵が前を向いたまま、「5年後にはソイツ、三十路だぞ。み・そ・じ。」
「みそっ・・!?なっ・・・何てコト言うのよっ!三蔵!!そりゃ・・そうだけど・・。」
桃花が悟空を見れば、
「・・・・・三十路は、イヤかも・・。」真剣に呟く悟空の横顔が。


「お・・・お・・・女の年を、数えるんじゃなぁーいっ!!」桃花のわめき声が、荒野に響いた。






―――――――天界。

「楽しくやってんじゃねぇか。」

愛用の双眼鏡を外し、観世音菩薩が呟いた。

「・・・・菩薩様・・・。」二郎神が、膝をつき伺う。

「・・・お前の言いたいコトは判ってる。」一瞥し、再び背中を向けた。「では・・。」
言いかけた二郎神に、
「だがな。放ってはおけない。あの女の過去を知った以上。」

あの桃花という・・・女の過去を。
「・・・・見ているだけってのは、結構・・・・辛いもんだな。」苦い笑みを漏らした菩薩に、二郎神はただ、黙って眼を伏せた・・・・




第15話 完
























―――――――――――――――コレより、本編の連載は「勝手に最遊記Ⅱ」にて更新いたします。
コチラの本館では、キリ作・誕生日シリーズ・突発短編(主に祭事的なモノ)を更新していきます。(要はページ数が足りないのだね・・・!)

宜しくおねがいしますv

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