勝手に最遊記

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SCHOOL!―5



「あ、はいっ・・スミマセ・・」慌てて起き上がろうとしたアタシの目に、桃花先生の背後に忍び寄る影が・・「後ろっ・・【ガンッ】
固い金属の音と共に―――――・・・・桃花先生が倒れ込む・・・・「桃花先生っ!!」

「・・・っ・・天っ・・。」倒れた桃花先生が、苦痛に顔を歪めている。「に・・逃げ・・「逃げる気か?悪あがきは止めろ。」
ハッと顔を上げれば。桃花先生が踏んづけた男の他に、別の男二人が立って居た。

「だらしねーな。女一人にヤラレやがって!」「くっ・・いきなり降って来たんだ!予測出来る訳あるか!」
言い合いをしている二人に、「止めろ、お前ら。それより目当てのモンは見つかったのか?」「イヤ・・。」「まだだ。」

「・・今夜はココまでだな。これ以上、邪魔が入らないとも限らない。」「じゃあ、コイツらどうすんだよ?」「目撃者だぞ?」
他の二人が桃花先生とアタシを指さす。『まっ・・まさか、殺される・・?』さっき見た、ナイフが頭をよぎる。

「・・・ふぅん。」リーダー格らしい男が、舐めるような視線でアタシと桃花先生を・・「ヤッとけ。」 一言。吐き出すように言った。
「イイのかよ?」嬉しそうな男の下卑た声・・・「レイプしときゃ騒ぎ立てる事も出来ないだろう。それに・・・。」桃花先生を見て、
「その女、ここの教師だろう。教師をコッチが自由に扱えりゃあ、何かと都合がイイってモンだ。」


「・・・なっ!?」男二人の手が、次々と桃花先生に伸びる――――「・・やっ・・!?」着ていたシャツのボタンが引きちぎられ・・・
「や、止めてっ!桃花先生に何すんのよぉ!!」男の足に組み付いたアタシに「このガキっ!邪魔すんなっ!」
「お前も後で、可愛がってやるからよ!」男が蹴りを入れようとした時、


――――――【カッ】―――――――校舎が。廊下が。いきなり全部の電灯が点いた。  一瞬、動きが止まった男達。そして、

ガウンガウンガウンガウンガウンッ ――――――――・・・校舎中にもの凄い音が反響した・・・『・・ぇえっ!?』

「うあああっ!」「何だっ・・サツかっ!?」仲間二人が手や足から血を流して転げ回るのを見て、リーダー格の男が慌てふためいた。
そしてアタシは呆然と座り込んだまま・・・・・「さ・・さんぞぉ先生・・・?」この世のモノとは思えない程の恐ろしい顔をしている、
拳銃を構えた三蔵先生が・・「貴様ら・・・・ぶっ殺す。」・・ハッキリ言いましょう。凄む美人さんは、 鬼より恐い ですv


「うわっ・・コッチに来るなっ!人質が居るんだぞ!?」そう言って、桃花先生にナイフを突きつける男。

「・・イケませんねぇ。そんな物騒なモノ振り回しちゃ。」「なあっ!?いつの間にっ!?」ホント、いつの間に?
八戒先生が背後から現れて、さっさと男からナイフを取り上げた。
普段通りの微笑みを浮かべた八戒先生が、倒れている桃花先生とアタシを見て、

「良い度胸ですね、貴方達。学園に忍び込み、あまつさえ桃花と大事な生徒に手を出すなんて・・・。」スゥッと翡翠の眼が細くなる。

ボキッガキッグキッ 「ぎゃああああっ!」「ぐあああっ!!」三蔵先生に撃たれた腕や足を(遠慮無く)へし折って、
「・・・自殺願望が有るとしか、思えませんよ?」くすっと笑って見せた・・・・・・・・。


「おおーいっ!大丈夫かぁ~っ!」この声はっ・・「悟空先輩っ!?」息を切らしながら走って来た悟空先輩・・。
「鳳っ?!・・ケガ無いか?大丈夫か?」「はっはい!アタシは別に・・それより桃花先生が・・・。」

見れば、八戒先生が桃花先生を助け起こしていた。「大丈夫ですか?桃花・・。」「へ、平気・・タンコブ出来たみたいだけど。」
「桃花!家に居ろって言ったのに・・大丈夫か?」「平気だってば。ゴメンね、悟空ちゃん。」
へへへと笑ってる桃花先生だけど。・・引き裂かれたシャツを、抱きしめるようにしてる・・恐かったんだろうなぁ。アタシも恐かった・・。

「・・・・・。」無言で、桃花先生にジャケットを掛けてあげた三蔵先生・・・『やっ、優しいっ!?』
「三蔵?アリガト・・・。」桃花先生が笑って三蔵先生を見れば、「見たくも無ぇ裸、見せてんじゃねぇよ。」・・・あのですねぇ・・。

「誰が見せたくて見せてんのよっ!?」「フン。見せる相手が居ねぇからって、見せられても目の毒だ。」マルボロを銜えながら、
「ああ、もちろん本当の毒って意味だからな。」「きぃ~っ!!嫁入り前の女の子よ!?良くもまぁ・・「てめぇは一生、嫁入り前だろうが。」

――――・・・す、すごい・・・次から次へと・・・。
アタシ、三蔵先生って無口とか、寡黙とかってイメージが強かったんだけど・・・「大体、女の子って柄か?すぐ三十路のクセに。」
「女の年を四捨五入するなって・・いつも言ってるでしょーがああっ!!」ガラガラと。崩れ落ちました、です。はいv


「俺の出番は無しかよ~。」悟浄先生が煙草を吸いながら現れた。三蔵先生と言い、悟浄先生と言い、校内は禁煙ですってば。
「連絡はしてくれたんでしょう?悟浄。」「へーへー。執行部の奴らが、後片付けしてくれるってよ。」どうせ俺は裏方だよなぁ?って拗ねてるv

「・・・余計な仕事させやがって。」紫煙を吐きつつ、男達を蹴り飛ばした三蔵先生・・(恐っ)
「久保田君達だって学生なんだから。あ、もう遅いし天空ちゃん?ウチに来ない?泊まりにv」・・へ?

「いっいえっ!そんな・・・(泊まりたいけど)」頭がパニクってるアタシに、「だなぁ。色々と聞きたい事もあるしv」
悟浄先生がニヤニヤ笑ってる!「・・・良いですよね?天空さん??」のわっ!?何気に名前呼びですかっ!?

名前呼びに、ニッコリ笑った八戒先生!・・・断りの返事を言える女が居る!?いや、居ねぇっ!!

「・・・・・・・はいっ。」 後先考えず、返事をしてしまいました・・・・・。



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