勝手に最遊記

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SCHOOL!―6




カタッと言う微かな物音で、アタシは目覚めた・・・・「お早うございます、天空さん。」―――――はい?

夢かしらん??「ココに、ジュースを置いておきますね。」朝日に眩しい、八戒先生の笑顔が・・・「はぁ・・・。」
「桃花・・桃花、起きて下さい。朝食、出来てますからね?」「・・・ぅ、ん。」アタシの横に・・桃花先生?
「じゃ、早くして下さいね?」パタンと扉が閉まって・・・・「ぇあああええっ!?」思わず変な大声を上げたアタシ・・。

「・・・そっか。」昨夜――――学園から、八戒先生達が住んでいるって言う、お宅(洋館)に連れて来られて、
どうして学園に居たか、説明するハメになったんだった・・・。

「チッ。課題ごときで、夜の学園に入んじゃねぇよ。」そう言った三蔵先生に、「三蔵が恐すぎて、無理だっつーの!」
ツッコミを入れた悟浄先生。(ハリセンでしばかれてた・・・)

どうして三蔵先生達が学園に居たのか――――――当然の疑問をぶつけたアタシに、
「この所、外部から不審なアクセスが多発してたんです。」八戒先生の説明によれば、

桃源郷学園の個人ファイルに、誰かがアクセスしていたらしい。もちろん、セキュリティーも強固だし、ファイヤーウォールを何重にも
仕掛けて有るから、易々と突破される事は無いのだが・・・・。

「気味悪いでしょう?素人ハッカーなら、とっくに諦めてますよ。」―――――プロの仕業か・・?
それなら、お目当ての情報が手に入るまで諦めないだろう。そこで、「僕らが学園に居残って、待ち伏せしてたんです。」


―――ソコに来ちゃったのが・・・アタシ・・・はは。


「桃花には、留守番を頼んだハズですよねぇ?」「・・っ・・だって、ジープと一緒でも恐かったし・・。」
と、子犬を抱える桃花先生・・・可愛いvジープって言うのはジャック・ラッセル・テリアの子犬。垂れ耳で可愛い!!

「余計、恐い目に遭ってりゃ世話ねぇな。」・・・そう言って、三蔵先生と桃花先生が(また)喧嘩を始めて・・・。
「寮母さんには連絡しておきましたから、安心して泊まって下さいね?」ニコッと笑ってくれて、桃花先生のベッドで・・・


「おはよ~・・・天空ちゃん・・・。」もさもさの頭で、起き上がった桃花先生・・・くくっ。何だか可愛いなぁ。
サイドボードに置いてあったジュースを飲んで、「天空ちゃんも飲んで?八戒ちゃん特製の、朝一ジュースだよv」飲むっ!飲みますとも!

ゴクッゴクッゴクッ・・美味しいぃ!!フレッシュだっvなんかシャクシャクしてて・・冷たさが染み渡る~v
「美味しいでしょ?フローズンにしてあるんだよねぇv」「はいっ!スッゴク美味しいですっ!!」

「八戒先生ってお料理上手なんですか?」そう聞いたアタシに、「八戒ちゃんの料理の腕はサイコーなんだよっ!」誇らしげに(?)、
「朝だってさぁ。炊き立てのご飯に、厚焼き卵・・・v」そう言ってウットリして・・【グウウゥゥ】お腹の鳴った、アタシ達二人。

思わず、顔を見合わせて笑った。

「行こっか。」「はいっ。」

美味しい、朝食を準備してくれてる八戒先生の元に。 ソコには、

新聞を睨んで(?)居る、三蔵先生と、

湯気の立ち上る料理を眺めている、悟空先輩と、

上半身裸の(コレで叱られる)悟浄先生と、

可愛い子犬のジープが、
                          待っていてくれてる、ハズだからvv

『ああ、なんて幸せなんだろうっ!!』――――――――・・・幸福感を、噛みしめているアタシ・・には。

お喋りな寮母さんが、「鳳さんが、八戒先生達のウチに泊まった!!」・・なんて、言ってくれやがったお陰でv


コレから暫くの間・・・・・キツーイ視線と仕打ちが 待ち受けている コトなんて・・・

                   思いも・・・よらなかったのですぅ。



―――後日談v


「玄奘先生って・・拳銃、持ってるんですか?」遠慮がちに聞いたアタシに、「・・アメリカじゃ当たり前だろう。」って!ココは日本ですってば!!


で、誰の個人情報が欲しかったのか・・・・「学園長、だろ?」「・・吠登高校の、狸ババァの仕業だろ?」悟浄先生がいやーな顔をして、
「ったく、しつけーったらありゃしねぇ。」「まだココの学園長の座を狙ってるんですねぇ。」八戒先生も溜め息を付く。

「別に公表しちゃえばイイんじゃねぇ?」「悟空ちゃん・・・・世間的には無理だよ。いくらココが私立でも。」


                    「「「「「学園長がオカマってコトは秘密で・・」」」」」










                                  SCHOOL!―完


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