勝手に最遊記

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HAPPY BIRTHDAY!悟浄 2-3



・・・微妙に強張った笑顔の桃花。

ジロリと新聞から眼を上げたものの、その顔は仏頂面だ。
「気に喰わんがな」

「まぁそう仰らず!夕ご飯でね~」
そそくさと部屋から出て行く桃花。
これ以上傍にいると、いつキレて相部屋も取り消されかねない。

出て行った桃花の足音を確認し、
「良いんですか?見も知らぬ方と相部屋なんて・・・」
八戒が形の良い眉を寄せる。
いくら相手が女性でも、自分達の立場を考えれば警戒するのが当然だ。

「何とかすんだろ、ガキじゃあるまいし。それに・・・」
「それに?」

「どうせエロ河童が出しゃばんだろ」
「・・・そうですねぇ」

あの髪、あの眼、あの容姿・・・・自分と同じ、禁忌の存在で在る事は明白だ。

「非常に美しい方ですしね」

禁忌の存在でなくても――――――――――――――悟浄が目を離すはずもないだろうと。
八戒は温いお茶を啜った。


「お邪魔しま~す」
荷物を持って部屋へと入った桃花。

「・・・・・・」



じろり、と。
三蔵バリに一瞥をくれ、知らん顔で煙草を取り出した。


「・・・ぇえっと、あたしは桃花!」
「・・・・・・・」
「で、貴女は?」



シーン・・・静寂が耳にイタイ。



「あ、の?」
「・・・・なんで名前を言わなきゃイケナイ訳?」
ぷかーっと紫煙を吐き出し、目もくれずに


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