勝手に最遊記

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海賊気分でア○ア○サー!―9





メリー号に居た海兵達は追い払われていて、海軍の船は所々煙りを上げ離れて行く所だった。



「・・・・た、助かったんだね・・・」
誰に言うとも無しに呟けば。
「おーよ。ま、お前も頑張ったじゃねぇか。」
刀を鞘に収めたゾロが、ニヤリと笑いながら傍らに立っていた。

「アッハッハッ!久々に暴れたな~!!」
「って、喜んでじゃねぇーよ!お前がとりもちに捕まんなきゃ・・・」
脳天気に笑うルフィの胸ぐらを、ウソップが掴んで振り子の如く揺さぶる。

「まった修理しなきゃなぁ~・・・・っトホホホホ。」
「でも全員無事で良かったぞ!!」
「船医にの出番は無しってか。レディ達が無事で何よりだぁ~vあっ、晩飯の支度・・・」
ひとしきりハートマークを振りまき、サンジがキッチンへと引っ込む。

「ちょっとちょっと!ねぇ、モモカ!アナタ能力者なの?!」
「へ?・・ああ、炎の事?違うって。このバングルが護ってくれてるの。」
そう言いながら簡単に説明すると、
「・・・殺気を持った者が近付くと、自動的に炎を発動する・・・・」ナミの目がキラリと光る。

「売って!売ってちょうだい!!100万ベリー出すわ!!」
「ぇえっ?!ダメダメ!コレは売れないってばぁ~。」
燦然と(¥マーク)輝く眼差しで、熱くモモカに迫るナミ。

「い~じゃないっ!120万!ぇえいっ!150万でどうっ?!」
「ダッ!ダメッたら、ダメッ!コレは絶対に売らないから!!」
今にも腕から引き抜かんばかりのナミから、逃げるようにしてゾロとウソップの背後に隠れる。

「やっぱりダメ~?」肩をガクンと落とすナミ。・・・・・が。

「じゃっ!この子!この子なら良いでしょうっ?!」そう言ってナミがガッチリと掴んだのは・・・「キューッ。」
この世界でも珍しい竜。しかも変身して乗り物になると言うプレミア付きだ。

「うわぁぁああんっ!ダメだったらナミちゃん!ジープにはちゃんと飼い主が居るんだから~!!」
桃花の脳裏を恐ろしい笑顔が過ぎる。

・・・・・幾ら八戒が自分に甘いとは言え(←悟浄比)ジープを手放す羽目になったらどんな報復行為が待ち受けているか分からない。

「って言うか、ジープだって仲間なんだから。売り買い出来るモンじゃないの~!」
流石のナミも、この言葉には納得せざるおえない。
「あ~ぁ~・・・上手くいかないわねぇ~・・・」
すっかり意気消沈のナミに、桃花が謝罪の言葉を口にしようとした時、ゾロが笑いながら
「100万で買って、200万で売り飛ばすつもりだったんだろ?」
「バカ言わないでよ!大金持ちに1000万ベリーで売るつもりだったのよ!!」
鼻息も荒く、堂々と言い放ったナミ。




・・・・・暫しの沈黙の後、・・・・・・・・・・・・・・・・甲板中に笑い声が溢れていた。











「乾杯~っ!!」


―――――甲板で皆が酒を酌み交わす。大皿に盛られたご馳走は、今まで桃花が目にした事のない物ばかりである。

「すっっごい、美味しいっ!エビっ?メチャクチャ美味しい!」
「海老のアメリケーヌソース添え・・お気に召したようで嬉しいですヨv」
短時間にも関わらず、手の込んだ料理に舌鼓を打つ。

「うんめぇ~!!肉!肉!!肉っ!!」「ってルフィ!人の分まで喰うなよっ!」
「オイ、クソコック!酒の追加だ。」「ぁあ゛?!マリモ頭がテメェで取ってきやがれ!」
「サンジく~んvカクテルが飲みたいなぁーv」「ハァーイ!ナミすわぁんvすぐに作ってきま~すvv」
「・・・んのっエロコックがっ!!」

大騒ぎの喧噪を凌ぎながら、
『くぅ~美味しいなぁ~v』・・・・桃花は目頭が熱くなるほどに感動していた(←既に泣いていたりする)
八戒の手料理も文句なしに美味しいのだが、流石、サンジの腕前は超一流で。しかも味わった事のない食材や味付けばかり。

『こりゃ悟空ちゃんが居たら・・・食い死にするわな。』

桃花のモクモクと料理を味わい続けいたが、「ロビン?どうかした?」
静かにグラスを傾けていたロビンが、物言いたげに自分を見ている。

「・・・貴女、順応が早いのね。」
「まぁ、こんな感じは慣れてるし。」

そう、見知らぬ世界に放り込まれたというのに。


『・・・・・・・・・似てるから・・・』





慣れ親しんだ、アイツらと。




喧噪とも言える賑やかさは、自分の居た世界と何ら変わりなくて。




「でも、帰らないとなぁ・・・・」呟いて満天の夜空を見渡した。


「その事なんだけれど、実は・・・」ロビンが言いかけたその時、




「なっっ・・・・・なんだぁあっ?!」



船を揺るがす轟音と、光。






「こりゃ・・・アレかっ?!」

反射的に柄を握ったゾロが、片目を顰めてロビンと桃花を見やった。











「ゲートが・・・・開いた・・・・」







しかも、今度は急激に――――――――――海水も、岩も、魚も・・・辺りを吸い尽くさんとばかりに、大渦が怒れる姿を現した・・・













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