勝手に最遊記

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Family ―4―


大きな買い物袋を抱えた三蔵は、不機嫌極まりない顔を悟空に向けた。

「お前な・・一体いくつ、アイスやらゼリーやら買えば気が済むんだ!?」

「だってさー。桃花がどれ気に入るか分かんないし・・。」
悟空が困った顔をする。
「あのな、自分が喰いたいからじゃねーのか?」
「そうじゃないって!・・だって桃花にしてやれる事ってないし・・。」
そう言われてしまうと三蔵も何も言えない。

「チッ・・。小銭やるから気の済むまで買ってこい。俺は先に宿に戻るぞ?」

「うん!!ありがとう、三蔵!」元気良く駆け出していく悟空を見て、
三蔵はため息をついた。

『桃花を同行させない・・って言ったら面倒になるな・・。』

足手まとい・・とは思っていない・・が、無理をさせたくはない。
三蔵も複雑な思いだった。



「うわ~!どれにしようかなー?」
色とりどりのアイスキャンディーが並んでいる。

三蔵に小銭をもらったし・・とポケットを探る。

全部買っちゃいたいけど・・『三仏神のカードをもらってくればな~。』
残念しきり。三仏神のゴールドカードなら、店中のアイスも買えるだろう。

『・・・でもハリセンじゃすまないし・・。』

限られた予算でいかに美味しいアイスを選ぶか、悟空が悩んでいると

      『        』   誰かに呼ばれた。

「え・・何?」悟空が声のした方を見る。

そして誘われるように、歩き始めた・・・。


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