勝手に最遊記

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Jealousy ―4―



『ホント・・・綺麗な子。』世話役サンも熱心に置いて行くように言ってたっけ。
もしや下心でもあるのではないか?そんな風に勘ぐってしまう。

こうして町を歩いていても、すれ違った人が振り向くほどである。
『庇護欲をそそられるって言うのはこんな子なんだろうなぁ~。』
同じ女でもエライ違いだ。
『あぁ、あたしもこんなに華奢で、綺麗な女の子に生まれたかった・・。』

考えてもしょうがない事を考えてしまう。胸の中に重い空気が入っているようだ。

「桃花っ?元気ないぞ!肉まん食うか?」悟空が紙袋から肉まんを取り出す。

元気がないのはお腹が空いているから・・・悟空的解釈である。

思わずクスッと笑ってしまう。イイな~悟空ちゃんって。
「いいよ、悟空ちゃん食べて?」
そっかぁ?んじゃ・・3個目の肉まんに悟空がかぶりつく。

「アナタも食べる?」少女に問いかけたが、首を横に振るだけ。

「そう・・。」少女の視線は、常に桃花に注がれている。

「あんまり見られても困るんだけど?穴が開いちゃうから。」
冗談で気を紛らわせようとしても、少女は無表情のまま。

「・・・面白く・・・ナイ・・よね。やっぱ。」はああぁぁ~・・・またため息をつく。

宿に帰ったら、三蔵達なんて言うんだろう?・・・あたしハゲるかも・・。
少女に寄り添われながら、桃花はまたため息をついた・・。

宿に帰ってきた桃花達を迎えたのは、

「何でソイツが居るんだ?」激・不機嫌な三蔵の声。

「あは・・はは。まず、話を聞いてね?」
ハリセンを喰らわないように、三蔵と距離をとって桃花は話し始めた。

「じゃ、彼女は記憶がなく、身元も分からないんですか?」一通り、話を聞き終えた八戒が言った。

「みたいなんだ。あたしからも離れないし・・どうしよう?」一応(?)リーダーの三蔵を見る。

「・・・暫く、この町に滞在すればいいだろう。」思いもかけない三蔵の言葉に、悟空と桃花は驚いた。

「そうですね。放っては置けませんし。」「いいんじゃねーの。可愛い女の子が増えるのは大歓迎♪」

「・・・お、俺も賛成だけど・・。」悟空が口ごもる。
「三蔵、具合悪いのか?」
スパーーンッ!ハリセンが悟空の頭を直撃する。

「いっっっってぇ~!!なんだよ、心配しただけだろう!?」

「煩いっ!ワケの分からん心配するんじゃねぇ!
・・・で、ソコのバカ女!いつまでシェーのポーズをやってんだ!?」

「へっ?・・ああ!・・・ちょっと三蔵らしくなかったもんで、ツイ・・。」
三蔵らしからぬ言葉に、変なポーズをしていた桃花が赤くなる。

「・・・ケッ。」三蔵が新聞を読み始めた。

「じゃ、僕はお茶でも煎れましょうか。」八戒が立ち上がる。
「あっ。じゃーあたしもお手伝いする!」
二人の後を追うように、少女も立ち上がったのだが、

「お前はいい・・。」三蔵が制止する。

「言ってることは分かってるんだろう。お前は座ってろ。」
有無を言わせぬ三蔵に、少女は座り直した。


「・・・んで態度が違うのよっ・・。」桃花は思わずつぶやく。

「なにか言いましたか、桃花?」湯飲みの準備をしながら八戒が聞いてきた。

「な、なんでもないよ!」慌ててごまかした。『八戒ちゃん、地獄耳・・。』

正直、面白くない。戦闘になれば足手まといにしかならない桃花に、三蔵は
「雑用ぐらい、率先してやれ!」と、容赦ない。
それがあの少女に対しては態度が違うのだ。『所詮、三蔵も男って事?』

ぬおおおぉぉ~っ!!!良く判らない感情を持て余して、力任せにお茶受けの
羊羹を切り出す桃花・・・八戒がこっそり苦笑した。


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