勝手に最遊記

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Jealousy ―12―



「そっ♪どんな女か興味津々なんだよねぇ。色々ヤリたいしっ。」你博士の嫌らしい顔を睨みつつ、

「そんな必要があるのか。」憮然と紅孩児が言い放った。

「あらぁ、そんな事言えるワケ?アナタちっとも三蔵から経文を奪えないじゃない。
イイ機会じゃないの?・・女と引き替えに経文と三蔵の命が奪えるかも知れないし♪」

「・・!!この俺に、人間の女を人質にしろと・・!?」
誇り高い紅孩児は、あまりにも低俗な要求に血が逆流するのを覚えた。

「イヤーーっ!ナイスなお考えですねぇ玉面公主様っ♪」
「でしょ~っ!?オーホッホッホッホッ・・・。」

紅孩児の憤怒の表情など気にもかけず、玉面公主と你博士が盛り上がる。

「・・・断るっ。」言い捨てて、立ち去ろうとした紅孩児の背中に、

「イイのかしらぁ?アナタの大事な、おかーさまが解放されなくってもv」
「・・・!」

「まっ!必ずしも拉致して来なくてもイイんですよ?三蔵一行の“性欲処理”係だったら要りませんし♪」
你博士が笑いながら、
「それならそれで、面白いんですけどねぇ~。」とウサギを撫でながら言った。

「・・・行ってくる。」紅孩児は一言だけ残して立ち去った。


「あちゃー。女の名前も聞かずに行きましたよ。」ヤレヤレ・・カルシウム不足かな?と惚(とぼ)ける。

「三蔵一行が連れている女だったらスグに分かるわよ。それより・・・。」
ねぇ・・と你博士に玉面公主が再びしなだれかかる。

「・・・コレも男の甲斐性ってヤツですかね。」你博士が玉面公主を抱き寄せた。


次の日――――――――――――――「じゃ、出発しましょうか。」

ジープが五人を乗せて走り出す。

三蔵達は一泊したのち、早々に町を出ることにした。
昨日、サクラに殺されたチンピラや、公園での爆発が町中で騒ぎとなり
落ち着いて泊まっていられる状況では無くなった為である。

「なーなー。八戒!食料なんか充分に補給できなかったんだろ?」
一番重要視する問題を、八戒にぶつける悟空。

「ええ。でも、幸いココからそう遠い距離ではないところに大きい町があるようですから。
心配しなくてもイイですよ。」

八戒の言葉に悟空が胸を撫で下ろしていると
「か~っ!お前は万年欠食児童か!」悟浄が茶々を入れる。

「んなっ!?誰が万年・・「あ、児童じゃなかったよな!万年欠食猿だ!」
「ざけんなよっ!?てめーなんか、万年色ボケ赤ゴキブリのくせに!!」
「泣かされてーのかっ!あぁっ!?」「ヤッてみろよ!お前なんか・・」

いつものように・いつものごとく、喧嘩を始めた悟空と悟浄。

いつも通りでないのは・・・・『桃花?』


八戒はバックミラー越しに桃花の様子を窺う。
いつもなら三蔵が銃を取り出す前に、悟空と悟浄の喧嘩を仲裁するのだが―――――
心此処にあらず、という感じで外の景色を見ている。


桃花には悟空と悟浄の声が、全く耳に入っていなかった。

『・・・・良かった、みんなと旅を続けられて。』昨日のサクラの出現で、自分が思っているより
三蔵達に依存していることを思い知らされた。


不安が心によぎる。―――――このままで、いいんだろうか?

あたしは独りで生きていくと決めていたのに。

旅を続ければ・・・?

あたしの“過去”がみんなに知られたら?


                      『こわい』


そうなれば、一緒には居られない。

                      『こわい』

居る資格もない。

                      『こわい』

蔑まれるだけ。


だけど・・・・・・・・・・・?


            「桃花っ!!?」


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