〔２〕



まるで、発作のように突然、あたしの心を乱す。

たとえば、

テスト中に、ふと顔をあげた瞬間。

古典の授業中に、古今和歌集の説明してるとき。

体育で靴の紐を結んでるとき。

帰りの満員電車。

ソレは、あたしが何処で何をしてようが、突然やってくる。

尚輝の大きな手。

少し高い声。

焼けた肌に、細い身体。

広い背中。

香水の匂い。

耳をひっぱる癖。

笑顔。

尚輝との思い出は、二年経った今でも、

あたしの中で、静かに泣いている。

今も、ずっと。





教室



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