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2003年04月10日
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 この本は先日《エマ》の2巻を買ったときに一緒に買いました。文庫です。
 ヴィクトリアンの参考図書のつもり。こういう本は大抵面白くないことが多いのですが、この本はなかなかインタレスティングな本でした。
 さて。
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 1898年8月15日。
ホームズ探偵が《踊る人形》事件を解決した翌月のことです。
 ロンドンで若者集団による暴動が 同時多発的に発生しました。この騒乱の主役たちがいわゆるフーリガンです。言葉としては昨年のワールドカップを機会に日本人の馴染みができました。
 犯罪としては極めて粗暴で乱雑つまりは非ホームズ的なためでしょうか、聖典から読みとることの困難な社会現象の一つです。
 で、このフーリガンの発生とその背景とその対策について平易に論じているのがこの本です。


 しかし、フーリガンを論ずるときのキーワードが
 「ミュージック・ホール」(<これは井野瀬先生お得意の分野でもあります)
 「国民の退化」
 「ボーイスカウト運動」
であるとは思いもしませんでした。すごいすごい。軽い知的興奮を覚えますね。
 で、特に「国民の退化」からは「ボーア戦争」、「ボーイスカウト運動」からは「ベーデン・パウエル」とキーワードが伸びてきます。
 ヴィクトリアンの末期のことがらは何もかもが「ボーア戦争」に繋がっているようです。キーワードとしてホームズ物語のなかで直接に関係があるのは《白面の兵士》くらいですが、実はシャーロッキアンとしても外せないキーワードの一つです。

 読んでいて、思われるのはいまどきの日本のバカガキ共とそれを取り巻く状況。19世紀末の英国とちょっと似ているのが、面白くもあり、イヤでもあります。そういえばボーア戦争と英国の関係は、ベトナム戦争と米国の関係に似ています。

 いやー、歴史っていうのは面白いものですね。
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 評価★★★ 知的好奇心のあるシャーロッキアンは買ってソンは無し。でもホームズ物語の出番があまりにも少ない(一箇所だけ。〈美しき自転車乗り〉を引用しています)ので★減らしました。


出版社:中央公論新社。ISBN:4-12-203373-X 発行日:1999年3月。この文庫版が出た時期といい、タイトルといい(副題に、「子どもたちの大英帝国」と入っています。これはハードカバーの時のタイトルですね)、なんか狙っていますね。
 ちなみに価格:838円+税 なのですが、私は自由価格本で買いました。
 こんないい本を廉価で買えたことは嬉しいのですが、この本を大勢の人が新刊書店で手軽に買うことができないのは残念なことです。






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最終更新日  2003年04月11日 12時14分49秒
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