【任侠世界】
【任侠世界】
おまけでも書いたようにサファリランドをクビになったあたしは
父から『事故を起すなんて』と勘当され行く当てを失いました
そのとき助けてくれたのがスナックのお客さん
彼は岡山から仕事できていたヤクザやさん
事情を話すと、すぐにホテルをとってくれた
そして岡山のオヤジのやってる店を手伝って欲しいとのこと
要は『ヤクザやさん経営の店のホステスになる』ということ
怖いもの知らずのあたしはあっさり引き受け
その１週間後には岡山にいた
お花見の席で顔合わせをし
スナックのママや親分さん、姐さんからＯＫが出たので
すぐに引っ越したのだ
引越し費用もなにもかも出してくれマンションまで用意してくれていた
岡山に着いたあたしはお迎えのヤクザやさんに組事務所に連れていかれ
そこで初めて親分さんと再会
挨拶を済ませると今度は姐さんのところへ
姐さんにも挨拶を済ませるとマンションへ送ってくれた
送り迎えをしてくれたヤクザやさんはあたしの面倒を一手に引き受けていた
なにかあれば彼に相談していたし
彼も本当に面倒見のいい人だった
姐さんも地元を離れたあたしを心配して
打ちっぱなしに誘ってくれたり食事に誘ってくれたりしていた
でもあたしは誰かに囲われていたわけではない
（光熱費なんかも払ってくれてたみたいだけど）
身体を求められることもなかったし
でも事件は起こった
岡山で仕事をし始めて１ヶ月が経とうとした頃ある男が出所してきた
彼のために飲みに行った
なぜかあたしもその席に呼ばれた
さすがに彼は眼光が鋭く、あたしは少し怖かった
その席であたしを岡山に呼んだ男性がお店の女の子にちょっかいを出し始めた
その男性は山口に付合ってる女性がいた
その女性はあたしの友達
許せなかった
怒ったあたしは場を思いっきりしらけさせた
マンションに帰ってくつろいでいると
その男達が女の子を連れてやってきた
一晩泊めてくれというのだ
あたしは突然のこととさっきのことで頭に来ていて
どうやらそれが顔に出ていたらしい
察した女の子達が出て行ったのだ
それで怒ったのが出所したばかりの彼
女の子達を連れ戻して来いと怒りまくっていた
怖くなったあたしはスナックのママに匿ってもらった
翌朝、こっそりとマンションに戻ると男達が寝ていた
あたしは静かに荷物を持ち出しマンションを後にした
後日、よくしてくれていたヤクザやさんから電話があり
出所してきたばかりの彼はあたしの事情を知らなくて・・・
怖い思いをさせて悪かったと言っていました
岡山を出て１年くらいは彼からの連絡がマメにあった
『困ったことがあったら俺に言え』と・・・
・・・後が怖くてどんなに困っても言いませんでしたけどね・・・
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