北海道のアウトドア!

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大酒呑みの伝承1

私たちの祖先は「火」を発見して人類となった。

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そして、「酒」を発明することによって「人」となったのではないだろうか。

太古の昔より人は事につけ酒を呑む。そうやって人として生きてきた。

大酒をくらう輩(やから)がある。

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私は今までの人生で感じることがある。大酒呑みは最も人に近い。それは人間臭く、優しさに溢れているからなのだ。

それならば、大酒呑みの理論で言わせてもらいたい。

「酒は人を創っている」のだと。

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数年前に 沖縄へ 旅したことがある。

酒飲みの目的など決まっている。旨い泡盛でそうきソバをいただくこと。


私は全国を旅するときに決めていることがある。それは、その土地の風土と人柄を最速で見つける為に「地元の市場」へ一番に出かけることだ。

旨いものを知り尽くした、地元の商売人が飯を喰らう場所がまずい訳がないし、気負い無くその土地のありのままを観察できるからである。

ドサンコの私は、沖縄の街中など、何も知らない。だから那覇の「公設市場」へ真っ先に出かけたのである。

「旨いそ-きソバ食べたいです。教えてください。」

沖縄の人は、本当に優しかった。わざわざその場所まで案内していただいた。

連れていただいた場所は、公設市場のはずれ。アーケードの中小路にある小さなソバ屋だった。

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嗚呼!私は心の中で叫んでいた。時間が止まっているのだ。確かに時間など無いようなお店。

50がらみで酒焼けしたトナカイ鼻のオヤジが腕組をして私を睨みつける傍ら、きっと二十歳くらいであろう娘さんと十代に見える妹さんが、一生懸命に湯気で霞むカウンター越しに働いている。

古めかしい店である。懐かしい風景が私を止まらせた。

入店の瞬間に、私は帰趨を見つけた感覚に陥り、心を放ち無防備になってしまった。なんともいえない安堵があるのだ。

ヨロヨロとカウンターに座った私に、オヤジが言った。

「本土はもう、冷たい?」(寒いだろ?)

(はっはぁ、はなから私を探っている。と、いうことはこのオヤジ。私にもノンベの匂いを感じたか?)

そこからは国会喚問のような緊迫が二人を取り巻いた。

「なんも、内地のことは知らないんだ。俺、北海道だから。」

「北海道から?そりゃ遠いなぁ。」

(オヤジ!貴方は、私のこと同じ匂いを感じてるな!)

娘さんたちは、せっせと働いているのに、そのオヤジ私から離れない。

(注文もとらないのかオヤジ!)

そしてしばらく、カウンターの下に姿を隠したかと思うと、今度は焼酎グラスを二つカウンターに置いた。


「泡盛。呑んでみて。どっちがおいしい?」

(見抜かれた。)

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私は無料の歓待を歓迎しつつ右から呑んだ。普通の泡盛である。そして、左を呑んで驚いた。まろやかで嫌味がなく、古酒(クースー)のような旨みが広がった。

「オヤジさん。左側。これ旨い。美味しいよ。」

オヤジは刹那に「我得たり」のニンマリを決めたと思うと、今度は一升瓶の泡盛を「ドンッ!」と目の前にかざして語り始めた。

「琉球の人は、皆知っていること、教えるよ。」

「お兄さんが飲んだ泡盛。これ。同じものだ。」


(ウソだ!オヤジ!絶対に違っている!絶対に味が違うし、左が遥かに高級のはずだ!)


「この一升瓶の泡盛。瓶に3時間も入れるとね、この味になるの。」

かっかっっかっ!!

ビックリした私は話を聞いてみる。すると、泡盛は瓶に入れなければならないこと。瓶も窯元が変われば味も変わること。瓶は大きく厚いほうが泡盛が美味しくなること。

神秘に満ちた話を聞きだすことに成功した。

「おとうさん!注文を聞いてあげなさいよ!」

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「そうだ、何たべにきたの?」

(捕まった。おこのオヤジ大好きだ!入店して1時間だ)

「ソーキそばなど。。。」

「はぁーい!北海道からきたお客さんだ!そば作って!」

狭い店である。しかし、オヤジの安住の場所があるらしい。出来あがったそばをオヤジが一番奥の「ボックス」に運ぶ。( ボックスは一つしかない)

「ここでたべて。」

すでに、瓶が用意されているその「ボックス」へ、私は嬉々として向かった。

それから三時間。日が暮れるまで私は、そのオヤジの話に夢中になっていた。琉球の歴史。戦争の悲惨。沖縄の素晴らしさ。

初めて会った大酒呑み二人は「オイオイ」と泣きながら語り、「オイオイ」と泣きながら聞いていた。娘さんは二人とも、見てか知らずか、ほって置いてくれた。

そして、どうしてもお金は取ってくれなかった。


私は沖縄でも「人」に出会い。そしてまた、私自身が「人」に近づいた。

いま、私の家には沖縄の瓶がある。

オヤジが贈ってくれたものだ。そこに焼酎を蓄えてはチビチビやる。本当にオヤジが言っていたように旨くなるのだ。

そして今夜もこうして「人」になるための修行を続けている。



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涙が止まらなかった沖縄の旅。オヤジさんの

優しさに触れて、また泣いてしまった沖縄。

オヤジさん。また、たくさん呑もうな。ありがと。

今日はここまで。

人の出会いは不思議なもの私の詩作でお別れします。

今日も読んでくださりありがとうございます。

転校。別れ。約束。そして慕情。 「天までとどけ」です。

BGMつき「天までとどけ」。お琴の音色でお楽しみください。

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天までとどけ



怖い人が来たら守ってあげる

ブランコの取り合いで泣いた

あなたに慰めをいっていたね


揺れた体は天まで届け

青い空まで登っていけ


胸を張ったら遠くが見えた

もっと大きく揺らせるんだ



さくらが咲いたらその下で

一緒にお弁当を食べようね

僕が転校するまでに咲くよ


揺れた約束天まで届け

空まで登って花よ咲け


小指を出したら涙が見えた

針を千本持ってないといった





松尾多聞




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