ねぇ、もう一度。。。

ねぇ、もう一度。。。

入学式


入学式にのパンフレットを見て彼の名前とクラスを確認すると私と同じクラスだった。


明日から彼と同じクラスなんだと思うだけで心拍数が上がった。
彼が入学式にどんな挨拶をしていたかは覚えていない、唯一覚えているのは私の顔がゆでだこの様に真っ赤になっていたことだけだった。


入学式が終わり皆が退席していると着慣れないスーツと苦手な人ごみに少し立ちくらみが起き前に居た人にドンッと体当たりしてしまった。
「ごめんなさい・・・・。」
視点が定まっていないフラフラする、その時に後ろから誰かが私を支えて人が少ないところまで連れて行ってくれた。
「大丈夫?今タオル濡らして来るから待ってて。」
そういってその人は足早に居なくなったと思ったらすぐに私のところに戻りタオルをオデコに当ててくれた。
「会場蒸してたし、こうしてたら大丈夫だよ。」
「ありがとうございます…。」
少し落ち着きが戻りその人を見ると彼だった。
「あ・・・あの時の!!」
彼は私の顔を見ると思い出したような声を上げた、彼も私のことを覚えてくれていたと思うとうれしかった。
「説明会の時に隣に座ってた子だよね?体弱い?」
「いや。人込みが苦手であと朝ごはん食べてなかったから。」
「それは駄目だよ~俺なんか今日緊張していつもの2倍は食べてきたからね。」
「普通食べられなくなるんじゃないの?」
気さくに笑いかけてくれる彼に心がドキドキしていた、まだ彼のことを知らないのにさっきまでフラフラだった体が今は元気になっている。


「あの、このタオル後で洗って返しますね。」
「いいよ、いいよ。そんなすごいタオルでも無いしわざわざ返すの大変でしょ?」
「いや・・・同じクラスだし大丈夫かなって・・・。」
「同じクラスなの??それはすごいね~じゃぁ頼んじゃおうかな?あと一つお願いしていいかな?」
「はい?」
「君は上京組み?」
「地元ですけど・・・。」
「じゃぁお願いなんだけど、ここら辺に何があるか教えてくれないかな?まだこっちに着たばっかで全然分からなくて。」
少し照れながら彼は私にお願いしますって頭を下げた。
「わ、私でよければ・・・。」
「ありがとう、あとよければ名前を教えてくれるかな?」
「ササキです。あ、みんなにはササって呼ばれてます。」
嬉しくて、緊張して彼の顔を見れなった。


「分かった。じゃあササちゃんまずはお昼食べよっか?ササちゃんの好きなお店でいいよ」


これが私と彼の最初のデートの始まり。






© Rakuten Group, Inc.
X
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: