「ライオンのしっぽ」

子供の頃の感覚を失わず

好奇心旺盛で前向きな工藤 直子さんの本

一気に読んでしまいました。

心に残った文章の抜粋を少し。



★「ひまわり」

はげしい台風の後、倒れたたくさんのひまわりの花。

まぶしい光の中で、ひまわりは、折れてもまだ咲こうとしていた。

(中略)天に向かって伸びようとしている。

-まだ生きようとしている。

(中略)私はだんだん寂しくなっていった。

(中略)夏の奥にはコンペイトウのしんのように、

ぽちりとさびしさのつぶがかくされているように思う。


★「出会う」ということ

(前略)仕事からの帰り道、

(なんでこんなに気持ちまでいそいでいるの?

足だけ急がして、気持ちはゆったりしても、いいじゃないの。)

 そう気がついたら・・・びっくりしました。

急に、まわりの風景が見えたんです。

 その日は、初夏のさわやかな夕方でした。

さらさらした風が、頬や首すじをなでていきます。

(中略)風景が柔らかい光をあびています。

そういう、五感で感じとれる気配が、

いちどに、どっと身の回りにあふれたんです。


★「風景」

「風景」といっても、心の中の風景である。

それが一瞬にしてパッとかわる。

-そんな思いをしたことがないだろうか。

 たとえば、いままで、なにげなく聞き過ごしていた音楽が(中略)

 そんなときは、心象風景のスライドが、

カチャリと取りかえられたようにかわり、

自分でもびっくりするほどである。


★「ジタバタのエネルギー」

 思い返してみると、私は、ほうき星のしっぽのように4,5歳のころの、

あの感覚をひきずってすごしてきたような(中略)

何十年たった今でも、それはしっかり私の中にあり、

もしかすると、詩のようなものを書き続けてきたエネルギーも、

それがモトになっているのではないかと思っています。



まだまだたくさん、抜粋したいところがありますが、このへんで。。。

毎日の何気ない生活のなかで、“キラキラしたもの”を探し出す心の眼をもちたい

なあ。。。と思わせてくれる、工藤さんの本でした。

 ☆  ★  ☆  ★  ☆  ★  ☆  ★  ☆  ★


ウサギ





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