後23キロ痩せるまで~反抗期息子とギャオス姫の奮闘記

後23キロ痩せるまで~反抗期息子とギャオス姫の奮闘記

ウエディングin アメリカ part1


アメリカでは結婚式は新婦側が担当するもので、新郎側は、ハネムーンを担当するのが普通なのです。
でも、その時 私はまだ学生でした。
その上、式は大晦日の前日で、一ヶ月前から招待状やウエディングケーキのデザイン等いろいろ私の頭を悩ませる事ばかりでした。
頭を悩ませてたのは、そればかりではありませんでした。
実は期末試験が控えていました。
科目は、ビジネス、旧約聖書、政治、歴史、 古典(英語版)世界宗教でした。
もう死ぬほど辛かったです。
おかげでその一週間で5キロもストレス太りをしました。
招待状の方は旦那が手伝ってくれました。
アメリカでは各デパートのショップに行って、自分達が貰いたいものをリストアップして、 PCにインプットします。
それを友達や親類達が見てその中から選んで買ってくれます。
そうすれば、余計な物は貰わなくて済むからです。
そして、友人達が私には内緒でウエディングシャワーを開いてくれました。
結婚式の二週間前に新婦を招いて開くパーティです。
その時に、色々な贈り物を貰います。
旦那の方は誰から何を貰ったのかを書き留めて置かないといけません、
その一週間後にプレゼントを贈ってくれた人達に感謝の手紙とカードを贈ります。
私は、自分の両親が日本からわざわざ来るので、式が終わった後は直ぐ両親が安心して旅行に行けるように手配をしてました。
英語が分からないから、日本人のガイドも付いているツアーを計画した。
そんな時、私は新居の家のガレージで左での中指先を骨折した。
ガレージのパネルとパネルの間二指を挟んだまま下に降ろしてしまったのである。
自分で止血をして、車に乗り込み もちろん自分でホストファミリーの家まで運転した。
止血のために、左手を心臓よりも高くあげていたら、反対斜線から来る車(人)が次々とにこにことしながら手を振ってくれてる。
多分、私がhelloと挨拶を手でやっているように他の車には見えたんだろう。
本当はケガをしていたからなのになぁ
ようやく、ホストマザーの家に着き彼らに指を見せて病院に行くかどうか話し合った。
結局は町に一つしかない救急病院に行った。
しかし、看護婦から「薬指とひとさし指が腫れるから指輪をはずして下さい。」
と言われ、仕方なくはずした。
手だけのレントゲンを撮られた。
そのレントゲン写真を見た医者は、「うん折れてるよ。と言うか、指先だけがひとかけしてるね。じゃあ縫おうか。麻酔を数本打ってもらうよ。」
私「数本?」
やがて看護婦が来て、四本の麻酔を中指のつけね(表と裏)に打った。
私「あぁあああああああああああああああぁああああぁああぁぁあぁぁぁぁぁぁ」
と言う私の悲鳴が診察室に響く。
他の人は私が笑っていると思っているようだが、これは絶叫に近い悲鳴だ。
これを四回も打たれた。
そして四回も「ワライかわせみ」の泣き声で私の絶叫は診察室をこだまする。
結局、縫われたのは、一針だけだった。
それも黒糸。
もう、結婚式は二週間後にせまってきた。
いよいよ私の両親がやってきた。
空港まで迎えに来ると、二人ともトレーナーにジーンズ姿。
本人達は若作りをしてたようだ。
私自身父親が来る事には、少し嫌な予感があった。
たぶん何かをこの人はやっちゃうだろう。
両親が来て二日目、事件は起こった。
ママが結婚祝いに洗濯機と乾燥機を買ってくれると言うので、小一時間ほど離れた隣街まで旦那も一緒に買いに行った。
私は彼らに何度も「お腹がすいてない?」と聞くが二人とも「すいてない」と言うので広い町中をどんどん走って行った。
目的の電気屋に着き、ママが支払いをしてると、突然父親が怒り出した。
心の声(は!?何で怒ってるんだ?この人は?夕食は二時間前に食べたしなんで?)
後で分かった事だが父親は腹が減っていたという事だった。
じゃぁ何で私達が何度も腹が減ってないかと聞いた時に言わなかったのだろう?
ママが解説するには、「本人なりに遠慮してたんじゃない?」
遠慮してたらあんな事はしないだろう、普通は。
さて、父親がやったあんな事とは。
家に着いて、父親はとんでもない事をやってくれた。
私達の家の前庭の樹にジョ~っと立ちションをしたのだった。
私達の家は住宅地の中、その頃まだ外には子供達も大人達もいた。
立ちションをした本人はすっきりした様子で家の中に入って行った。
その後、近所からの通報により警察がやってきた。
やってきた警察が旦那の知り合いだったので事は穏便になったが、でも父親が留置所に入れるかわりに父親が裁判所に行かなきゃいけないと言われた。
その事を父親に告げると、自分が悪いのに私に当りだした。
そしてだっだっ子のように式に出ずに日本に帰ると言ったので私は「帰るなら帰っていいよ。たぶんそんな事を言うんじゃないかと思ってね。代役を立てるからいいよ。」と言ってやった。
そして一人で荷造りをしていた父は、いつのまにか寝てしまったらしい。
ママが来て私と旦那が言い合っているのを聞いて「ごめんね。あんた達にまで迷惑をかけて。」と謝ってきた。
でも本当に私達に謝らなきゃなんないのは父親の方。
本人は澄まして高いびきをかいて寝てる。
次の日、結婚式二日前なので、車で3時間ほど離れた旦那の生まれ故郷に行った。
そこには私が住んでいるアパートがあった。
私が運転してると父親が「昨日はすまんかったね。」と他人事にように謝ってきた。
心の声(全部お前が悪いんじゃぁー)
私「あっ、そうそう昨日の事で、牢屋行きは免れそうだけど、お父さんは裁判所に行かなきゃ行けないのよ。そこで最終的に決めるそうよ。」
父親「お前が行ってはくれないのか?」
私「私は立ちションなんてやんないもん。目撃者も大勢いるから不利なんじゃない?」
父親「.....」
やっと自分がやった事の重大さを知ったようだ。
ちなみにここでの父親の罪は、立ちションと後子供達が見てる目の前だったので、子供への性器を見せたと言う罪と大人達の中に御婦人もいたので、これもセクハラになる。
アメリカでは、よく訴訟があるから大変。
結構 これで捕まる日本人は多いらしい。
結婚式のリハーサルも終わり、ピザを注文して皆で食べました。
この時の勘定は父親もち。
まぁ、あれだけの騒ぎを起したんだから当たり前か。
外を見ると雪が降ってきた。
明日の結婚式はホワイトウエディングだ!と喜びたいが、式にブライドメイドとして参加してくれる友達に私のアパートに泊まるよう言った。
雪道は、少し危険だという私の判断で彼女も私のアパートに泊まった。
結婚式当日、結婚式をする教会で、ママが日本から持ってきたウエディングドレスを着る私、しかしなかなか入んない。
ママと友達の二人で私の背中の肉を押し合いへし合いして、何とかドレスは入った。
しかし、腕がロボコップ状態で、ひじから上が上がらない。
ピアスを着けたくても出来ないので、友達にやってもらった。
式が始まり、新婦入場!
父親はカチンカチンに固まっている。
父親は自分の役が済んだのでさっさとママの隣に座って式を見てた。
指輪交換でちょっとしたハプニング。
やはり、看護婦が言ってたように薬指は腫れたが、その腫れも引いたので、大丈夫だろうと鷹をくくってた。
指輪が第二関節までしか入らず、私は「くくくっ..」と肩を震わせ笑。
今度は旦那の指に指輪を入れるが、これも第二関節どまり。
旦那も肩を震わせ笑。
二人で神父さんに(どうしよう)というまなざしを送る。
神父さんは「大丈夫。大丈夫」と言ってそのまま式を続けた。
披露宴では私と旦那が着物に着替えてケーキカット。
その後ブーケを投げて、皆に見送られて新婚旅行に行った。


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