後23キロ痩せるまで~反抗期息子とギャオス姫の奮闘記

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アルツハイマー症候群~女はいつまでも女


とても、上品できれいで、私がまだ介護の仕事をやっていた時に、色々と相談に乗ってくれた人でした。
彼女は私にとってお祖母さんの様な存在でした。
でも、月日が経つに連れて、彼女のアルツハイマーが進行してきました。
家族の顔も名前も忘れてしまった彼女。
でも、決して忘れていないのが恋心。
彼女は、一人のおじいさんに恋をしていました。
でも、その方には奥さんも子供さんもお孫さんもいらっしゃいます。
朝から、食堂で「マイハニー」と彼に抱き着く彼女。
はじめは、嬉しそうにしていた彼も、やはりあまりの彼女の一方的な愛情に迷惑がっていました。
だって、夜中に彼のベッドに潜り込んだりしていた彼女。
すごいです。
やはり女は年を取っても女なのね。
肌に張りが出て来たみたい。
化粧も、ばっちりして身だしなみも整えて彼に毎日会いに食堂へ行ってました。
ある朝早く、そのおじいさんは心筋梗塞で亡くなりました。
その日の朝、私はいつものように食堂で朝食の準備をしていたら、おじいさんの事を探していた彼女。
すると、いつも彼が座っていた場所から声が聞こえた「Go way!」
私は、側にいた患者さんの顔を見た。
どうやら、彼にも聞こえたらしい。
その日の、彼女はとても悲しそうだった。


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