一方通行の想い
従兄弟のお兄さんが迎えに来てくれた。
旦那は、今日のこの日をとても楽しみに待っていたのだ。
いつも周りが日本語でいっぱいなので、たまには英語が聞きたかったのだろう。
でも、ん待てよ、家の中ではいつも英語じゃん。
アッキーは私と手をつないで彼らの後をついて行った。
家に入ろうとすると、アッキーは固まった。
女の子が二人アッキーを待っていた。
でも、アッキーは彼女たちを覚えてないのだ。
そりゃそうだ。
だって会ったのは、１年半前なのだから無理もない。
家にアッキーを入れて見たが泣くわ泣くわでスゴイ。
でも、そこは子供同士ですぐにうちとけた。
アッキーは、ほなちゃん（８歳）を気に入っているらしく、後を追う。
でも、なっちゃん（２歳）はアッキーのことを気に入ったようで、アッキーの後を追う。
少し、家の中で遊んだ後、海岸でお昼を食べる事になった。
しかも、Ｂ-Ｂ－Ｑ！
わぁぉ！
炭焼きにするので、男性陣は炭に火をつけてた。
私達女性陣は、子供達のお世話。
もちろんアッキーは、ほなちゃんの後をくっついてまわってる。
その後ろをなっちゃんがついてくる。
アッキーにとって今日はハーレム状態なのだ。
ほなちゃんがアッキーを誘って浜辺まで手をつないで行った。
その二人の後ろ姿をさみしそうになっちゃんが見てた。
自分も二人の後について行くとばかりに、靴を履きはじめたが、ママに見つかってしまい悔し涙にくれていた。
しばらくしてアッキーが、晴れ晴れとした顔で戻って来た。
長い前髪をさっと手でかきあげながら、なっちゃんに天使のスマイルを送っていた。
ＢーＢーＱの準備も出来て来て火もついた！
さぁ、お肉を焼くぞ－！
焼き立てのスペアリブに噛み付きながら、はっと我に帰った。
アッキーの鋭い視線を感じたのだ。
アッキーは、「ミートちょうだいママ!自分ばっかり食べないで！」
と叫ぶ始末。
はいはい と肉を小さく切りながらアッキーの口に、ほおり込むその姿は、つばめの親子の様だ。
でも、食べ盛りのアッキーにばかり渡してると自分の分がなくなってしまうので、「アッキーにパパの所に行ったら?」とうながした。
パパもアッキーに肉をたかられてた。
私はその間に食べてた。
今日は特別にコーラを貰ったアッキー（いつもはお茶！）はとてもご機嫌。
なっちゃんにもコーラをついでくれたりとサービスをするほど。
でも、やっぱりコーラをビニールシートの上にこぼしてしまったアッキー。
しかし、アッキーはタオルを私から受け取ると、きれいにこぼした所を拭き取った。
（我が家のルール、こぼしたらタオルを持って来て、きれいに拭きましょう。拭いたタオルは、洗面所まで持って行きましょう。）
ママのルールとして、アッキーがちゃんと始末をしたら、怒らないと決めてます。
始めは、ほなちゃんを追いかけていたアッキーだったが、私が言った「なっちゃんてね、アッキーの家の二階に住んでるけんちゃんと同じ年なんだよ。」と言う一言が聞いたらしく、その後はズーっとなっちゃんと一緒にいた。
なっちゃんの手をアッキーが引いて二人でその辺を歩いたり、走ったりしていた。
その姿がとても可愛かったので、私達大人は二人を追いかけて写真を取りまくっていた。
みんなで帰り支度をしている間、アッキーは残ったカルビ肉を全部食べてしまっていたのだ。
その間、ほなちゃんとなっちゃんは、二人で先に家に行ってしまった。
少し寒くなったので、彼らの家にお邪魔する事にした。
アッキーはその事で、少し不満の様子で、「どうして～ほなちゃんとなっちゃん行っちゃったの？ どうして～？」と何度も私達に聞きまくっていた。
帰りは歩きたくないと駄々をこねてしまった。
多分、眠いんだろうきっと。
そう思ったが、家の中に入ると、「ほなちゃんは？ほなちゃんは？」とほなちゃんのママに聞きまくっていた。
しかし、ほなちゃんがお友達の家に行った事を告げられると少しシュンとしてたが、すぐに立ち直り、なっちゃんと遊んでいた。
ケーキもごちそうになり、アッキーはとても楽しそう！
でも、やはり女の子の家なので、何を使って遊んでいても自分で効感音を出して遊んでいた。
怪獣アッキーの声量に従兄弟夫婦は驚いた事だろう。
でも、この音量はよそ行きの加減なのだ。
本当はもっとスゴイ。
アッキーは今日一日お腹いっぱいで、ハーレム気分でとても楽しかったのだろう。
帰る途中の車の中で寝てしまった。
家に帰ったら、怪獣は目覚めてしまった。
もうすっごく、うるさいの何のって！
今日の出来事を私達に大声で話していた。
心の声（聞こえとるちゅーねん。 そんなに大声で話さなくてもいいやん。それにずーっと一緒に居ったつーねん。）
これが寝るまで続いたのだ。
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