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Esprit*

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2005.12.03
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テーマ: 愛しき人へ(899)
カテゴリ: カテゴリ未分類





その終わりを告げる時間となった

まるで恋人同士のようにはしゃいで

こんなにも楽しい時間を過ごせるなんて

夢みたいだった

駐車場に戻り、先輩に自分の家まで送ってもらう

その帰路で

家まであと数キロの距離に来た時点から

車の中の空気が一変した





話しかけても

返事がない

さっきまでは微笑みすらみせていたのに

ピクリとも表情は動かさずに

ただひたすら前だけを見てハンドルを握っている



何か怒らせるようなことを言ってしまったのだろうか

全く私にはわからなかった

車の中では回ったパビリオンの話をしていただけで

たぶん、先輩が気を悪くするような内容は

何も話してないはず

ただ、私から話しかけないことには



ひんやりとした嫌な空気だけが流れてしまうので

まるでひとりごとのように

私はひたすら話し続けた

話して

話して



聞いているのかもわからないほど

先輩が何も答えてくれないので

とうとう話を止めてしまった



残り数十分家に着くまで

とうとう二人とも何も話さなかった

それはいつものあの妙な沈黙よりも

とても鋭利で

とてもはりつめていて

今日のデートの気分を台無しにしてしまうものだった

何故こんな終わり方をしなければ帰れないのか

私には理解できなかった

でも泣きたいのをぐっとこらえて

先輩にこういった


「先輩・・私、何か気に障るようなこと言っちゃいました??」


先輩はこちらを見ずに


「いや・・。ごめん。じゃ、ね。」


そう言って私が車を降りるのとほぼ同時に

車を発進させて先輩の家の方向に走り去ってしまった

わからない

どう考えてもわからない

道にぽつり置き去りにされたような感覚で

まったく状況が把握できていなかった



この出来事がその後の私と先輩の間で

大きな障害となるとは

そのとき私も先輩も

気づいてはいなかった








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Last updated  2005.12.03 09:06:54


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