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Esprit*

Esprit*

2005.12.23
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毎週私の彼は片道2時間半かけて私に会いに来てくれた

仕事の悩みも休みも同じだから予定はすぐに合わせられる

いろいろなところに彼は私を連れて行ってくれた

彼は本当に優しいヒトだった

そんな彼の優しさに私はどっぷりと甘えていった

一生懸命好きになろうとした


会社では

私の心をとらえて離さなかったあの先輩が



もくもくと工場で車のメンテナンスをしている

初めはそんな先輩の姿をみているだけで

せつなくて仕方がなかったけれど

「私自身が先輩ではなく彼を選んだ」という

自分への言い聞かせが

そのせつなさを心の奥にしまいこんでいた

そのうち先輩を見ても何も思わなくなる日がやってくる

そんな日がくるのだろうと

思っていた



ある朝

出勤するとまだ営業所は開いていなかった



私が営業所の裏口のドアをガチャガチャ確認して

ひとりごとを言いながら社宅にカギを取りに行こうとして

振り返ったすぐ後ろに

・・先輩がカギを持って立っていた


「わ!」



「・・おはよ。」

「あ、おはようございます。」

「カギ・・もらってきたけど。」

「あ~、ありがとうございます。」


誰もまだ出勤してきていない営業所

今なら、先輩に話しかけることができる

二人で順番にタイムカードを押す

でも何も話をしない

工場の中にしまってある展示車のキーの束を持って

先輩が工場の方に向かおうとしたそのとき

私は先輩に話しかけた


「先輩、モモって・・バカかな?まだ私を見て吠えるんです。」


すると先輩が笑った

「言ったとおりでしょ。モモは社員の顔を覚えらんないの。」

以前の先輩と同じだった


「いつ、話しかけてくるかと思ってたけど・・結構長かったな。」

「だって、先輩めちゃめちゃ話しかけるなオーラ出してた・・。」

「出してないって!」


そのとき、事務の女の人が出勤してきたので

私はスッと先輩から離れて掃除器具庫の方に移動した

・・心臓はバクバクだった

本当に先輩を忘れられる日が来るのだろうか

自分が選んだ結果にとてつもなく不安だった







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Last updated  2005.12.24 13:50:46


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