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Esprit*

Esprit*

2007.08.10
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彼氏は休みのごと、かいがいしく私の世話を焼いてくれた。

彼にまるで傷をなめてもらって治癒していくかのように
足は回復していった。
しかし、心の中のもやもやがぬぐえないまま時間だけが過ぎる。

右足のくるぶしに4センチほどの傷跡を残して、
其の年の夏が終わった。


私は職場に復帰した。
もちろん、もうそこに先輩の姿はなかった。


「Esprit*さん居ない間にね、※※エンジニア、先月、移動になったんだよ。」

そう教えてくれた。

「そうなんだ、通勤とか遠くなるから大変そうだよね?」

私はそう簡単に受け流しておいた。
会社の中では同僚、ただそれだけだから。
先輩の車の駐車場からは、もうネームプレートが外されていた。

・・・もう、いないんだな。

寂しかった。
ぽっかりと抜け落ちた状態のまま仕事を再開した。


相変わらず彼氏の親からは、延期した結納の日取りの決定を
催促する電話が私の携帯にガンガンかかってきていた。

彼に仕事中は電話には出られないので、すみませんと謝っておいて?と
お願いして、
彼の自宅からの電話を極力取らないようにした。
すると、彼の父親が私の家までたずねてきて、
私の両親と勝手に日取りを決めてしまったのだった。



秋の季節で私は24歳になる。
彼と同い年の私だから、早く子供を作らないといけない・・というような
ニュアンスの言葉を彼の父親に耳打ちされ、
背中に悪寒が走った。


やっぱり・・どうしてもこの結婚にしり込みをしてしまう。
彼の親だけが問題ではなくて。
彼とだったら幸せになれる、と思っていたことが
思い込もうとしているだけの自分に気がついた。
まわりから囃し立てられるとどんどん自分の気持ちがクールダウン
していくような感覚になる。


最後。
最後に先輩にもう一度だけ、
もう一度だけ話がしたい。

いつも先輩には自分の気持ちを伝えるだけだった。

本当にしつこいオンナと思われてるかもしれない。
でも先輩にこっぴどく振られたら諦めがつく。
自分のもやもやも晴れると思う。


夏の最後の日。
「最後の電話」をかけて私と先輩に決着をつけよう。
いつまでたってもあきらめられない私に引導を渡してもらうために
私は先輩の家に電話をした。
携帯でなく、家に。






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Last updated  2007.08.11 00:41:00


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