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Esprit*

Esprit*

2007.08.16
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テーマ: 愛しき人へ(899)
カテゴリ: カテゴリ未分類


子供みたいに。
私は声をあげておんおんと泣いた。
今まで溜めていた分、流しきらなければいけないかのように、
こんな泣き方をしたことがなかったくらい、
ばかみたいに泣いた。


後悔の無いように。
先輩にありがとう、という気持ちを伝えて、
私のことをバッサリと切ってもらえたら、

そのまま望まれる場所に落ち着こうと思ってた。


やっと、やっと先輩の本当の気持ちが聞けたというのに。
先輩が私のことを好きだと言ってくれたのに。
どうして、それが先輩との最後の電話なんだろう。
約束された幸せが別のそこにあったとしても、
私が心の奥から欲する愛情がやっと照らし出された、
ずっとずっと追い求めていた、
私の大事な大事な想い人。
私を見ていてくれたその人が完全に遠のいていく。


なんで・・
なんで・・



先輩は私の泣き声をずっと黙ったまま聞いていた・・。
かなりの時間、私は泣いたままだった。
家族にも聞こえていただろうけれど、
誰も部屋には入ってこなかった。
それでも感情の波がひとつ山を越えたとき、先輩が口を開いた。






「・・・だって。・・・だって。」

「タイミングが悪かったんだな、俺達。」




今、お互いの気持ちを確認できたのに、
もう、先輩の気持ちを知ってしまったのに、
私は他の人のところになんて行けやしない。
もし、そのまま行ったとしても、
もう幸せにはなれない。


「・・先輩。」

「・・ん?」

「会いたいよ・・。」

「・・止めとこう。会わないほうがいい。」


私はまた子供のように駄々をこねた。


「・・どうして。このままじゃ私、おかしくなっちゃうよ・・」

「会ってももうどうにもならないよ。」

「・・そんな・・。」


このまま終わりたくはなかった。
たとえ、皆から非難される結果が待っていようとも。
自分勝手な生き方だと思われてもいい。
私は先輩のことが好きなんだ。
ただそれだけ。
そこにあるのはそれだけ。


会いたい、会わない・・と二人の中で押し問答が続いた。
先輩は頑なに私と会うことを拒否した。
それが、私の幸せを思いやってくれてることだと痛いほど分かるのに、
私は先輩を困らせていた。


「・・・私、やめる。」

「何言ってんだよ、馬鹿言っちゃいけないよ。」

「やだ、もうこんな気持ちになってしまったのに、
 いまさら他の人との結婚なんてできないよ!!
 私は今でも先輩が好き・・」


とうとう、叫んでしまった。


「・・わかった、会うよ。出て来い。」


先輩が観念したような声で私に言った。
もうその時点で夜の11時を回っていた・・・。









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Last updated  2007.08.17 14:42:14


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