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Esprit*

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2007.08.24
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テーマ: 愛しき人へ(899)
カテゴリ: カテゴリ未分類



腕をつっぱねてようやく彼が私の体を離した。
私はすぐに彼との距離をおいた。


「俺、自分の親にはまだ話してないんだ・・壊れたこと」


彼がそう言った。


「もし戻ってきたら、何もなかったようにできるだろ?」

「・・だから、もうそれは。」

「俺は待つよ。どれだけでも待つよ。」


何を言っても無駄だった。

とりあえず、上司と再会した2人が建物から出てきたので、
私達は帰ることにした。
上司は周りの説得の末、実家に戻りその後、彼女と結婚することとなる。
・・が失踪の理由は、やはり二股だった。
元カノと今カノとの3人で泥沼状態になっていたらしい。
私は上司の気持ちがすこしだけ分かるような気がした。



ゴルフ場から戻った日の晩。
久しぶりに先輩が時間が取れるから会おうか?と連絡が入る。


「何度か携帯に電話したんだけど、今日仕事休みじゃなかったっけ?」


先輩が私に電話をくれた時間・・それは紛れもない、
私が彼氏の腕の中にいたときの時間だった。



 正直に話す。」


私は上司の失踪のこと、事務の彼女から相談を受けたこと、
やむを得ず彼氏にお願いをしたこと、
上司が見つかったこと・・を先輩に電話で話した。
すると、先輩が想像していなかった反応をしたのだ。





先輩の声がすごく怒って聞こえてきたのでびっくりした。


「あ・・・」


「Hさんが失踪したって話、探しに行くって話、
 何で俺に言おうとしないの・・??」


私はいつもの優しい先輩だから、正直に訳を話せば
許してもらえると思っていた。
事務の子に泣きつかれて自分自身パニックにもなっていたし、
確かにこのことを先輩に伝えてはいなかった。


「あ・・・ごめんなさい・・・」


浅はかだった。
彼氏の地元だから、というだけで、私は彼氏が今回の
適任者だと自分で勝手に決めてしまっていたのだ。
事務の子に頼まれたとはいえ、先輩には相談せずに、
私は彼に話を持っていってしまったのだ・・・。


「ん・・・ちょっと俺に時間くれないかな。」


先輩が怒ってる。
声が怖い。
今まで感じたことの無い緊迫感がビリビリと伝わってくる。


「電話もメールもしないで欲しい。」


先輩が本当に私を拒否した。
私は先輩に拒否されてもおかしくない事をしてしまった。
それは先輩にとっては裏切り行為そのものなのかもしれない。


翌日、私は仕事帰りに後悔と謝罪を連ねた手紙を
先輩の車にはさんできた。
しかし、その日の真夜中に雨が降ってきたので、
明け方もう一度、先輩の車のところまで行ってみた。
私の書いた手紙は雨に打ち付けられ、
運転席の下のところにふやけて落ちていた。
いつもなら、その時間には手紙を読んでくれて、
その内容について語ったりメールしたりしてたのに・・・


その手紙を拾うと私はずぶぬれのまま先輩の部屋の明かりを見上げた。
自分の浅はかさを痛感せずにはいられなかった。











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Last updated  2007.08.24 01:14:34


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