せんだって日記

せんだって日記

2007.01.12
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 せんだってから食傷気味の柳沢厚労相の失言であるが、野党の女性議員が揚げ足を取ろうとして墓穴を掘りまくっている姿が滑稽やら失望やら。
 ニヒルなコラムニスト【小田嶋隆】さんが愉快な見識をニヒルに書いてるので、えー、ググッてみよう。

 安倍晋三が、靖国に行くとも行かないとも言わないと言ったことで、ヤクザの恫喝の如き隣国の言い掛かりを無効化したように、政治家の発言はすべからく、何らかの得とかメリットとか前進とかを狙った意図がなくてはならない。それが仕事だから。
 ニュアンスや微妙な語彙を使いこなすのが、ああいう仕事をする最低限の資質だ。
 だから、失言をしたってことは、政治家としての能力不足を示す。無能なのだ。
 むろん、安倍ペンペン草晋三も、能力不足を示している。
 政治家が、国民の利益のために活かすべき能力を備えていないのであれば、なんのために税金を払って閣僚や議員を養ってあげているのかわからないではないか。
 やめてほしー。

 産めない産まない産むふんぎりがつかないのは、産んだ後の行政のケアが薄いとか、共働きせざるを得ない状況とか、いろいろ要素はあるだろうに、少子化担当が少子化問題についてなにも知らねえどころか、それを全部女性におっかぶせてオッケーとして通ると思ったアホさ加減。



 そこに乗っかればいいのに野党の女性議員は「機械」という単語にフォーカスして言葉狩り作戦に出たわけだが、言葉狩りがいかに愚かなことか。

 数学の証明の方法のひとつ、背理法を用いて検証してみよう(学校の勉強は、社会に出ても役立つのだ!)。

 女性議員の言う通り、もし機械に喩えたことが問題なのであれば、それ以外の比喩表現なら穏当な発言だったということになる。
 出産・誕生にふさわしい喩えで問題があれば、機械に喩えたことが悪いのではないという証明になるわけです。
 これって背理法でいいんだっけ?

■柳沢大臣の元の発言から以下の部分を引用する。

産む機械と言ってはなんだが、装置の数が決まったとなると、機械と言っては申し訳ないが、機械と言ってごめんなさいね、あとは産む役目の人が…

■この文中の「機械」「装置」という単語を、適切な比喩に置換する。

コウノトリ と言ってはなんだが、 の数が決まったとなると、 コウノトリ と言っては申し訳ないが、 コウノトリ

キャベツ畑 と言ってはなんだが、 の数が決まったとなると、 キャベツ畑 と言っては申し訳ないが、 キャベツ畑 と言ってごめんなさいね、あとは産む役目の人が…

 コウノトリ、キャベツ畑、ともによく使われる比喩だが、なんだかひどい。


 では、もっと教育的な比喩ではどうか。

めしべ と言ってはなんだが、 の数が決まったとなると、 めしべ と言っては申し訳ないが、 めしべ と言ってごめんなさいね、あとは産む役目の人が…

 もう最低である。

 では、文学的な比喩ではどうか。

花園 と言ってはなんだが、 花園 の数が決まったとなると、 花園 と言っては申し訳ないが、 花園 と言ってごめんなさいね、あとは産む役目の人が…

 これはひどい。正視に堪えない。まだ「機械」のほうがマシである。

 極めてマイルドで適切な表現に置換しても、柳沢厚労働大臣の発言はダメダメである。

■ゆえに、機械に喩えたことが問題なのではない。


 問題なのはたぶん、立場とか役割とか状況とか資質とか機会とか、閣僚としての能力なのではないだろうか。
 普通に考えて、これ、謝りすぎで慇懃無礼だよね。
 出産可能年齢の女性の数が、少子化で減る傾向にあるって言いたかったわけでしょ。
 何度も繰り返して謝るよか、さらっと言えば良かったのにね。


 で、反証もあろうかと思われますので、テンプレを置いておきます。

__と言ってはなんだが、~~の数が決まったとなると、__と言っては申し訳ないが、__と言ってごめんなさいね、あとは産む役目の人が…

 この文脈の中に入れても成立する比喩表現を募集します。そういう表現があるということは、つまり、言い方ではなく「機械」に喩えたことが悪かったという証明になるからです。

 穴埋め問題式に、思いついた表現を当てはめて、コメント欄に書いてください。
 穴埋め問題だからって、文中の空欄に「穴」とか書いちゃダメ、ゼッタイ。





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最終更新日  2007.02.11 01:44:26
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何の問題も無い発言でしょう  
WATERMAN さん
”母数”と言ってはなんだが、”母数”の数が決まったとなると、”母数”と言っては申し訳ないが、”母数”と言ってごめんなさいね、あとは産む役目の人が…

究極のところ、数字の問題、社会学、経済学の問題に収束するのです。
ですが多くの人は寅さん的に「それを言っちゃあお終いよ」と思っている。そんな冷徹に言っちゃったら情を述べる余地が無いじゃないかと思っている。

ちなみにその後の発言、「若者は『結婚して子供を2人以上持ちたい』という健全な状況にいる」というのは非常に感心できる発言でした。
若者の希望が実現できるように政策を取っていくと表明しましたから。 (2007.02.11 11:33:47)

Re:何の問題も無い発言でしょう(01/12)  
WATERMANさん

どうもです。

母数でも、成立させずらいですね。
「母数」なら、こんなに何度も謝る必要がない。

母数とは、出産可能年齢の女性の人口を言い換えたものですね。
確かに数字をみて考えればこういう発言になりますが、少子化問題の問題点は、「工場のラインの生産能力」だけではないでしょ。
保育所の待機児童は?
所得税の配偶者控除の廃止は?
公教育への不信は?
大臣の発言はそういう周辺域にノーケアであるかのように見えるのです。
そう見えることそのものが問題で、大臣の発言ってのはまさに情の部分に「も」訴えないといけない。
彼の今の目的は少子化をなんとかすることなわけですが、あの発言でどうにかなるかというと、薮をつついただけであって。
「産む機械」と「女性」という単語をつなげて言えば、こういうリアクションが起こることくらい容易に想定できてないといけないのに、その程度の合理性さえ持ち合わせてないということは、数字をいじってもたいしたことできないだろうと思わせ、それゆえ失言は許されないと思うのですね。

数字だけでは人は動かないわけで。
冷徹であることは結構なんですが、あの時の壇上の彼はそういう役割ではないわけで。

「健全」云々の件も不用意だと思いますよ。
時期も、ボキャブラリーも。ビジョンはともかくね。
不用意な人が、大臣。
私は、イヤだな。

(2007.02.11 22:17:26)

機会って言ってたんだったりして、、、。  
りょん さん
に、しても、比喩表現じゃないとこの場合、日本語になりませんわよね。文脈、文章的に。
「船」とかどうでしょ。 (2007.02.11 22:20:43)

Re:機会って言ってたんだったりして、、、。(01/12)  
りょんさん

どうもです。
オポチュニティっすか。…いやいや(笑)。

「船」おもろい。
そうなると子供は「漁獲高」とか「積載量」に喩えられるのでしょうか。うわー。

でも、アレっスよ。
この人のメンタリティだと「男は船、女は港」とか言い出しそうですよ。で、また吊し上げられんの。
(2007.02.11 22:46:52)

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