日韓夫婦の心の旅もよう

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ぱーるひょう

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韓国・身近な人シリーズ


(1)大家のおばちゃん


(2)スーパーの店員さん


(3)鶏肉屋のおじさん、八百屋のおばさん


(4)そのほかの商店街の人たち


(5)パリパリな義父


(6)ホットな義父


(7)オープンマインドな義父


(8)義兄 誕生日おめでとう


(9)堪忍してくれ義母


(10)気を遣う義母


(11)最後は義母で


ディープ!! 韓国生活


夫とのなれそめ


市議選のようす


地下鉄のようす


義母の母の墓参り


韓国人が聞く日本語(1)


韓国人が聞く日本語(2)


ある夏の夜


麦茶はお茶か水か


ワールドカップ熱狂日記


最初に、ブッたまげたこと


どのくらい愛している?


韓国人が書く日本留学の志望動機書


モゴバ攻撃・同居時代の思い出


おでかけベビー@ケアンズ


生後4日目の乳飲み子がスーパーにいる!


某環境団体職員ならわかる内輪ネタ


趣味は自転車こぎ


ジョナサンでボケをかます


ハローワークに行く


送別会でもらった文章です


意図的に生きる


「私が決める」


とっておきの魔法の言葉


すべての人はつながっている


■バックパッカーな夫


■ナルちゃんな夫


■人目を気にする@韓国


場当たり的な夫


場当たり的夫婦(1)韓国脱出


場当たり的夫婦(2)ケアンズへ


全財産すっちゃいました@ケアンズ


夫の奇行@東京


ユンソナと結婚していただとぉ


オープンな父子関係


2006.11.30
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<連載 14回目>

 夜になって夫は帰宅した。

 久しぶりに落ち着いた口調で、

「アナタ、人を許したことある?」
と聞いた。

「ある」と答えて、具体的に話した。

 話し終わると、夫が
「ワタシを許してほしい」


 一気に心が軽くなるのを感じた。本当はこの一言で十分だったが、それでも一応確認する。

「離婚したくないの?」

「したくない」

 仲直りをするのは、あっけないほど簡単で、このときはほんの一瞬でカタが着いた。心を開いて正直になればいい。私たちにとって一番いいこととは、雨降って地固まることだったのだと、初めてスッキリする思いだった。

 夫は「ワタシのもの」と言って、私を抱きかかえた。そして、裁判所で何があったかを話してくれた。

 韓国での離婚手続きは、離婚届のような書類を提出するだけではなく、本当に双方に離婚の意思があるかを裁判所が確認するらしい。

 私の場合、韓国語が通じないので通訳が必要だ。裁判所に通訳を頼むと7万ウォン(約7000円)ほどかかる。
 ということを、夫も裁判所に来て初めて知った。

 私を日本に返すための諸々の費用を用意したはいいが、通訳費までは計算外で少し足りない。飛行機のチケット代を別にすると、確かサイフのなかには5万ウォン(約5000円)しか入っていないはずだ。



「私は現在、失業中でとても困っているし、明日は妻が日本に帰るので、どうしても今日中に手続きをしなくては妻が困る」と泣きついた。明日帰るというのはウソである。

 しまいには「妻の通訳なら私がやるから」と粘ったらしくて、それについては、さすがに当事者の夫はダメだと却下されたらしい。そりゃあ、そうだろうと思う。

 こんなことを夫は延々と懇願していたわけで、どうりで担当者が困った顔をするはずである。

 さらにびっくりするのは、担当者が「わかりました。5万ウォンで通訳してもらいますから」と折れてくれたということだ。夫と話をしている途中、彼は何回も内線電話をかけて労をとっていた。

 何かにつけて融通が利かない日本と違って、韓国は「頼めば何とかなる」というところは確かにある。だけど、ここは裁判所、公的機関。そこまでやるか普通!? 



 話を戻すと、通訳費を5万ウォンにしてもらった後、夫は書類作成にかかった。

 だが思い出してみると、裁判所は夫の知らない間に移転していたため、タクシーを使っている。

 だから5万ウォンではなくて、4万8000ウォンほどしか持っていない。妻も多少のお金は持っているはずなのに聞いてみると、カバンを替えたからサイフを持って来なかったと言う。

「やっぱり4万7500ウォンにならないですか」
夫は担当者に、おずおずと声をかけた。

 せっかく5万ウォンで手配をしてくれた担当者もさすがにブチ切れた。

「冗談じゃない。ここは、お店じゃないですよ!!」

「―――」

「とにかく5万ウォン揃えてから来なさい!」

 担当者に相談した時点で、裁判所で値切るなんて、あなたが初めてだの何だのと散々言われて、ただでさえ夫は顔から火が出るような思いをしている。

 ははあ、それで書類を破ったのだな。

 いろいろなことが初めてわかって楽しくなってきた。

 裁判所の担当者にとって、今日の離婚しそこねた夫婦の一件は珍事だっただろう。これもまたおかしくなってきた。

 それにしても今日はいろいろな偶然が重なった。

 私がカバンを替えてサイフを家に置いていく。

 裁判所が移転していたのでタクシーに乗る。

 せっかく値切ったのにまだお金が足りない。

 あまりに絶妙なタイミングである。

 神サマが「お前たちはまだ夫婦でいなさい」と意図しているのか、子どもの運がよほど強くて自分が堕されないようにしたのか、何か私たちの意思を超えた力が働いていると確信した。

 夫とは二人で「あー恥ずかしい」と言いながら、フトンのなかで笑い転げた。

 さらに、夫が「お父さん、すごくかわいそうだった。びっくりしたのに外に出られない」と思いだし笑いをした。「ウッ」と義父の真似をして、ふざけている。もうだめである。義父には悪いと思ったが、笑いを止めることはできない。

 夫婦喧嘩はすべてカギをかけた私たちの部屋のなかで行われていた。なんとなく二人のムードが険悪だなとは両親も感じていたとは思うが、夫は離婚するとまでは話していなかったという。

 義父はトイレにこもっている最中に、いきなり息子夫婦の離婚宣言を聞いたのだ。

 韓国の両親、日本の両親(私は離婚して帰国するという相談をしていた)には、心配も迷惑もたんまりとかけたが、このときは二人で笑いながら幸せな気分を共有していた。

 夫婦喧嘩は犬もくわない、と言うではないか。


 離婚騒動の後も、しばらくつわりは続いた。

 魚のチゲ(鍋)を食べた後、ほかの家人は何ともないのに、私たち夫婦だけが揃って気分が悪くなり、吐いてしまったことがある。

 すると夫が「妻への愛情が深いと夫もつわりになる」と言い出した。

「そんな話は聞いたことがない」と私が驚くと

「韓国ではそういうよ」

 本当に韓国でそんな言い伝えがあるかどうかは、よく知らない。

 ただ、つわりとは言えないだろうが、感受性の高い夫のことだ。私の気分や体調を敏感に感じ取って一緒に具合が悪くなったり、吐いたりしたのだろう。特に私たちの場合は、一日中、一緒に過ごしていたので、そういうことも起きやすかったと思う。

 14週、15週目あたりから、吐き気のかわりに食後の強烈な胸焼けに苦しむことになる。だが、2ヶ月近くに及ぶつわりから解放されるのは間近だった。

(続く)





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Last updated  2006.11.30 00:19:50
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Comments

seoulカツラ @ Re:おひさしぶりです!(12/28) きょろっちさん  正月は、あの!ヤギち…
きょろっち@ おひさしぶりです! 沖縄で元気にやってらっしゃるようですね…
seoulカツラ @ Re:書きこみありがとうございました!(12/28) 豆森さん  仮の住まいだと、余計そうな…
豆森 @ 書きこみありがとうございました! パンドラの箱、我が家にもかなりあります…
seoulカツラ @ Re:つんどらの資料(12/28) 泡 盛窪さん 「つんどら」状態ですか。…
泡 盛窪 @ つんどらの資料  仕事場から持ち帰った資料が整理されず …

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