西アフリカにはリベリアという国があります。

子ども達へ（高橋さんからのメッセージ）

みなさん、きょうは僕の写真展にきてくれてどうもありがとう。

写真を見終わって、みなさんはどんなことを思ったのでしょうか？結構残酷なものや、見たくなかった写真もあったと思います。平和な日本では、道に転がっている死体なんて、よほどのことがない限り見ることはありませんよね。僕も日本に住んでいた頃、そんなものを見たことはありませんでした。だけど、世界の多くの国では、この写真の中のような出来事が実際におこっているのです。そして、あなたと同じような年頃の少年少女が、こういうことを目の前にしながら、毎日の生活をおくっています。

リベリアには、戦争で両親を殺されてしまったために孤児になってしまい、食べるために仕方なく兵士になったりする子供たちがたくさんいました。銃を持ったそういう子供たちが、今度は誰かの父さんや母さんを殺す立場になってしまうのです。南アフリカの首都ヨハネスブルグにはたくさんのホームレスの子供たちがいます。彼らの多くは貧しい農村の出身ですが、あまりに貧乏で、食べるものをもらえなかったり、親から虐待されたりしたために、みな都会に逃げてきたのです。

そんな子供たちの生活はいったいどんなものなのでしょうか？想像してみてください。お父さん、お母さんと話し合ってみてください。僕は、別にあなたたちが彼らのためにいま何かをしなければならないといっている訳ではありません。ただ、時々は今日見た写真のなかの人々のことを思い出してみてください。そして、たまたま平和な日本に生まれてきたことに感謝の気持ちをもってください。だって、少なくとも今のあなたたちは、食べるものがなくて飢えることもないし、兵士になる必要もない。それに毎日柔らかい布団の上でぐっすり眠れるんですから。

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