少女A

@少女A.



     煙草くさい車の中
     ふたり乗りの、スポーツカー
     車は勿論マニュアルでした。

     それにはテレビもついていて
     知らない女が道案内
     おもむろに煙草をだしたなら
     ことわりもいれずに、ふかしはじめる



     このあとはどうするの

     『どうするって?』

     家に帰って・・何する、とか

     『ああ。風呂入って寝るだけ。だから?』

     ・・・!

     それじゃあどこか連れて行ってよ。ドライブしようよ。ドライブ

     『はあ?』


     また煙草をだす君
     不思議な時間でしょうがなかった
     車内は狭くて身動きがとれない
     まだ火照る。顔があつい。



     『これから病院なんだよ。だからムリだって』

     病院?友達でも?

     『病気なの。面会時間、7時半までだから・・これから高速乗ってとばす』

     えー。えー。駄目なのー

     友達が病気なら、仕方ないなあ。んじゃあ、今度ドライブ連れてってよ。

     『いいよ?』

     本当?!

     『いつかね』


     サツ、サツ、サツに見つかったらやばい って連呼してた君
     早く行け。面会時間が無くなるぞ。
     降りた瞬間、青いスポーツカーは闇のなかへと消えていった。


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