軟弱な地盤ほど地震に弱い

軟弱な地盤で地震波は増幅される。

地震がおきると、その衝撃が震源から放射状に伝わっていきます。
地震波には「P波(縦波)」と「S波(横波)」という2種類があります。
P波は波の進行方向に振動し、一方、S波は進行方向に対して垂直方向に振動します。
P波はS波より2~3倍程早く伝わります。
地震のゆれを感じるとき、普通は最初に小さくゆれて、次に大きくゆれます。
最初のゆれをもたらすのがP波で、大きなゆれをもたらすのがS波です。
また、P波とS波の伝わるスピードのちがいから、
観測地点から震源までの距離を推定することができます。

震源から出た波は、固い地盤から軟弱な地盤に入ったとき、
振幅(しんぷく)、つまり地震のゆれが大きくなります。
関心淡路大震災で震度7を記録した「震災の帯」とよばれる地域も、
地震波の増幅が原因だったと指摘されています。
また、地盤がやわらかいほど、振幅の増幅率が大きくなります。
そのため、軟弱な地盤のところでは建物の倒壊などの被害が多くなります。
震源から遠くても、軟弱な地盤のところのほうがゆれがはげしくなることもあります。



サイエンスマガジン ニュートン別冊より抜粋


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