ほぼ日刊三浦タカヒロ。

「地域ならではの食。」


時代を越えて綿々と伝わる伝統の作物を、「地域の宝」として見直す機運が各地で高まっています。
スローな生活価値観の広まりで、生活者は「地元のものこそ新鮮でおいしい」と目覚めることができました。それが、各地で地産地消運動を盛り上げ、農産物直売所の賑わいをつくっています。
この国は、地形、気象の変化に富み、動植物の「種」は豊富にあります。その一つ一つが味わい深いのですからまさに遺伝資源の宝といえます。
在来作物・伝統野菜を守っていくには、大規模農業というよりも家族農業など集落規模での小生産者の手がどうしても必要です。刹那的な大量生産ではなく、持続可能な大地を復活させること。地元を学び、地域ならではの作物を作り伝えていくことに意義があります。
また、伝統野菜の復活を通して、伝統料理など地域性を大事にする日本人の昔の食生活を見直すきっかけになればとも思います。これを切り捨ててしまっては、“伝統の味”を守ることはできないでしょう。
私の生まれ住む名取市の下余田という集落には、セリ、ミョウガタケなどの藩政時代から栽培の歴史のある野菜があります。宮城県内には、まだまだ数多くの伝統野菜が伝わっています。
仙台の味を支える伝統の品種・作物は、年中行事のお正月の雑煮、精進講の餅など仙台ならではの食文化の要素としてとっても重要なお宝です。それがあることは地域の豊かさであり誇りでもあると思います。
ナンバーワンよりオンリーワン。
21世紀まで生きた作物を22世紀にも残したい。県外の方には宮城まで足を運んでいただいて、豊かな自然環境の中で味わってもらいたいものです。


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