たっちゃん&シングルパパ

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男女の友情



 龍壱が高校3年生のときに、ひそかに想いをよせる女の子がいました。
体育祭で同じクラスで長距離走の代表になり、楽しく話ししてから、そうその子に夢中になってしまいました。龍壱なんかに想いをよせてくれたコがその時いたんですが、龍壱はどうしてもダメでした。一人のコを気にいってしまうと、もうそのコしか見えなくなってしまうからです。

 卒業後、本気で告白しました。当然というか玉砕だったんですけど、友だちなら・・ということでその時は治まりました。鬼のようなアルバイターになって、そのコを必死で忘れようとしました。2年後成人式で再会したときは、既に元妻と付き合っていたので、何とも思いませんでした。

 その7年後・・

 龍壱はすでにその元妻と結婚し、社会人6年目でがんばって?いました。そんな時に、龍壱の担当する窓口に、そのコは現れました。告白してから既に9年の年月が流れていたせいもあるんですけど、やっぱ、変わってしまうんだなーっていう印象でした。でも、「久しぶりー、太った?」というそのコの一言で、龍壱は燃えるようなダイエッターに変身しました。ピーク時78キロあった体重は、体脂肪率の減少とともに、60キロを切るんじゃないかってところまで痩せました。この悔しいっていうパワーは、すごい・・。

 そのコに、仕事を通じて何回か連絡することになり、窓口にも来てもらったりしました。話しをしているうちに、いろいろと分かったことがありました。いま付き合っている人はいなくて、仕事を探している状態だとか・・。

 何だか、龍壱のことを頼りにしたいような感じでした。龍壱も仕事のことなど、出来ることは協力してあげたいと思いました。これも何かの縁・・。
龍壱は「男女の友情」を成立させようとしていました。かつて好きだった女の子でも、やましいことは全然考えてなくて、ただ、お友達として、出来ることはしようっていう気持ちだけでした。

 ある日、そのコとお話がしたくなり、ファミレスに誘ってみると、「いいよ、スッピンでもいい?」って来ました。1時間ほどいろいろとお話をしました。携帯番号も交換しました。彼女も割り切ってくれていたようです。龍壱が既に結婚していることも、左手薬指に絶えずはめていた指輪で気づいていたようです。

 でも、そのときは丁度元妻が実家の問題で揺れているときだったので(龍壱が離婚した本当の理由参照)別居を考えていた時期でもあり、自分の気持ちにも少し変化が出ていることに気が付きました。もしかしたら・・という・・。

 しかし、その思いは、ある日、彼女と話していると、「3歳上の先輩で誰かいい人いないかなー?」という言葉で吹き飛びました。んーやっぱ恋愛の対象ではなさそうだなーって。勘違いしそうになってました。龍壱には、入社以来慕っている3歳年上の先輩がいました。よく遊ばせていただいて、可愛がってもらっている仲です。

 龍壱は、高校時代からのいわば腐れ縁な女の子を誘って、その先輩とそのコと4人でお好み焼きパーティのセッティングをしました。
 先輩の言動がよほどインパクトあったのか、彼女はとても楽しそうでした。その時は楽しかったから、よかったって思いました。

 元妻は、少なからず、龍壱の行動を不審に思っていたようです。なので、
「高校のときの友達だよ、ちょっと話する?」って言って、元妻とそのコを電話で話しさせたりもしました。疑われたくなかったからです。それから、元妻とそのコがちょっと仲良くなって、一緒に飲みに行ったり、4人で旅行にいくなど、ちょっと不思議な展開になりました。

 ある日、仕事帰りに先輩の家のとおりを通ったとき、先輩とそのコが仲良く2人で話ししている様子を見てしまいました。それを見て「付き合い始めたんだなー」っていうのが、なんとなく分かりました。それから龍壱は少し2人から距離を置くようになりました。

 少し、今までのことを振り返ってみました。高校生のときに憧れたコと、時はたってしまったとはいえ、カラオケや旅行、食事、飲み会など沢山楽しい時間を過ごせたんだなーって。2人きりではないけど、そのコと時間を共有できたんだなー。楽しかったなーって。

 先輩とそのコと龍壱と3人で先輩の家で遊んだことがありました。その時の会話で「もし先輩が誰かと結婚することになったら、結婚式で歌わせてください、絶対ですよ」って言ったことがありました。でもまさかその時一緒にいたそのコと結婚することになろうとは、夢にも思いませんでした。

 そのコにとって、先輩は、いままでいなかったタイプの人のようで、よほどインパクトがあったんですね・・。でも会っているうちに、惹かれていったんでしょう・・。

 龍壱は、愛のキューピットになったようです。龍壱の人生の中で外すことの出来ない2人が結ばれたわけですから・・こんなにうれしいことはありませんでした。

 2人の結婚式に呼んでくださいました。そして、栄えあるトップバッター(しょっぱなって聞いてないよー><)で「バンザイ、好きでよかった~龍壱バージョン~」を気持ちをこめて歌いました。

 龍壱が席に座っているときに、驚くべきことが起こりました。まったく面識のないそのコのお父様が、わざわざ龍壱にビールをつぎに来てくださったからです。おそらく、そのコが龍壱のことを話しておいてくれたんでしょう・・ちょっと感激・・。

 2人に花を渡すときに、そのコから「ありがとう・・うれしかった」と手を握られました。あぁこれでよかったんだなーって思いました。



 それから、龍壱はそのコと会っていません(当たり前)。あとは先輩に任せて・・今、2人の娘さんと先輩と幸せに暮らしているようです。ホントによかった・・。


 ところで、龍壱が勝手に思っていた「男女の友情」って、はたして成立していたんだろうか・・難しいなー・・って今更ながら思います。


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