明けましておめでとうございます。
本年も宜しくお願い致します。

さて、大手町の新聞社ですが・・・
大昔は左翼、某老害主筆が出てきて右傾、最近はまた左傾と、右往左往の民主党丸のようで困ったものです。
こういうマスゴミに人々も流されて右往左往、とならなければ良いのですが・・・ (2007年01月04日 19時42分50秒)

小市民の一日

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2007年01月03日
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カテゴリ: 主に法律関連

 元旦のエントリーコメント欄において,新年のご挨拶を下さった方々,あちがとうございました。

 本年もよろしくお願いいたします。 

<読売変節?> 

 新年早々,変な記事が読売に出ていました。

記事A

本記事.jpg

記事B

附属記事.jpg       

 これらの記事は読売新聞の平成19年1月3日朝刊の9面にあったもので,『王室新時代』と称する,世界の王室を扱う特集の記事です。今回は 『開かれた女帝の国』 と題してオランダ王室が扱われていました。なお,記事Aは特集の本記事の一部,記事Bは特集記事の付属記事です。

 ここで記事Aだけが掲げられていただけならば,まだ客観的事実を述べたものとして特段目に付くような記事ではなかったでしょう。問題はこの記事が記事Bと一緒に掲載されていることです。

 記事Bをご覧ください。題名は『継承権 欧州では男女平等の流れ』とされています。その上で,この記事は一番下の段落の最初の行で,日本の皇室で皇位継承健について議論があるということに言及しています。

 自分はこれを見たとき「日本の皇室も欧州の王室に倣って,女性にも継承権を与えるべき」というありがちな主張を展開する論調の記事のように読みました。

 この記事が付属しているということを前提に先のAの記事を読むと,そこには「皇室はもっとオープンになるべき」というこれまたありがちな主張をするかのような記事に読めます。しかも題名が『開かれた女帝の国』。

 読売は女系容認に流れたんでしょうか。これらの特集記事だけでは勿論断言できません。

 しかし,最近この新聞の「主筆」と称するボケ老人は,アサヒと共闘宣言をするなど,目だって左翼的。もしかしたら,読売は今年から女系容認に乗り換える意向なのかもしれません。確か,昨年は慎重論のほうだったと思ったのですが。

 読売がこれ以上,左の方に舵を切るようならば,不本意ながらもゴミウリとの名を献上せざるを得なくなります。

<ちょっとした資料>

 皇室典範改定の議論は,秋篠宮悠仁親王殿下の御誕生により下火になっていますが,一応日本で一番読まれている新聞の変節が気になったついでに,少し資料を提供させていただきたいと思います。皆様のお役に少しでも立ったのならば,これに勝る喜びはありません。

 次の記事は占領下で皇室典範改定作業が進められていた折,そのメンバーの一人としてGHQと折衝に当った井手成三氏の論文の一部です。その立場ゆえ,この方の発言は立法担当者に準ずるものとして解釈資料として重要であると考えます。

「皇室典範は,・・・普通の法律の一つであって,国会は,皇位の継承について,『世襲のものであって』の枠内で妥当と信ずるところにより条項を定め得ることは当然である。

 しからば,憲法第二条の『世襲』とはいかなる意味に解することが正しいのであろうか。憲法第二条は,いかなる考えで,『世襲』の文字を使ったのであろうか。

 憲法が定める天皇制は,もちろん,現天皇を念頭においた天皇制であり,抽象的な天皇制を構想したものでないことは,万人の認めるところであろう。憲法のこの『世襲』も,わが国において,古来伝承し来たった皇位継承の法則と無関係に規定せられたものではない。一つの予想された観念に基づいて表現せられているものと考えなければならない。

 『世襲』という文字は,文字面のみからは,概念的には,『単純に血統のみに基いて一定の血縁関係にある者が当然に皇嗣となり皇位を継承する主義』と言えよう。この抽象的な概念のなかで,言はば思いつきの皇位継承を皇室典範の制定改正で定め得るという解釈の余地を持つものであると考える者があれば,それは,正鵠を得たものとは言えない。

 すなわち,わが国における皇位の継承は,連綿として一定の内容をもち,不文律に伝承し来たった事実であり,その事実たる皇位の世襲制を率直に認め,それを眼中において,新憲法においても,皇位の世襲制を明記したものと解するのが正当である。

 このことに関連して,新憲法制定議会,詳しく言えば,憲法改正案の貴族院特別委員会において佐々木惣一博士の,この世襲は,万世一系を意味するかという趣旨の質問に対し,政府側として,金森国務大臣より,旧憲法と異なるところなしとの答弁があったことは,大いに参照せらるべきものである。

 今後,皇室典範改正の議が生ずるようなことがあった場合,この万世一系の原理,皇室に伝わり来たった皇位継承の不文法を破り,越えることはできない。」 愛知学院大学論叢法学研究12-2 p2~3。なお,注は一部後掲のものを除き他は省略)

 井手氏は,この文章の注において次のようにも述べています。

「(注2) 我が国における皇位の継承について,旧皇室典範の義解には

 (一) 皇位を践むは皇胤に限る。

 (ニ) 皇位を践むは,男系に限る。

 (三) 皇祚は,一系にして分裂すべからず。

    とあり,このことは歴史上一の例外もなく続いてきた客観的事実に基づく原理であり,成文法では破りえない不文の法であると考えるべきである。」 前同書 p4)

 ちなみに,文中にある金森国務大臣の答弁は以下のとおり(前同書同頁の注より編集して掲載。)

「佐々木惣一君(無所属)

 ・・・皇位継承の資格と云ふことに付て御尋ね申上げたいのです。(中略)世襲のものであると云ふことは一体どんなものでせう。どう云ふ意味なんでせうか。所謂今日の現行憲法における万世一系と云ふのと違ふのでありませうか。違はないのであるか。・・・

 国務大臣 金森徳次郎君

 本質的には現行の憲法(引用者注:帝国憲法。以下同じ)と異なるところはないと考へて居ります。ただ現行憲法は万世一系と云ふが如き多少比喩的な文言を使つて居りまして現実的な言葉ではありませぬ。それを現実世界の素朴なる言葉に表すと云ふことが主眼となつております。」

 以上のように,皇室典範改定の作業においてGHQと折衝の任にあたった井手氏,及び現行憲法の立案担当者(とされている)金森徳次郎氏の両氏が「憲法の『世襲』は,男系男子による世襲である」という立場をとられていたという事実は,憲法2条の解釈において軽視することのできない事実であると思われます。

 なお,この論文は「天皇制は憲法改正によっても廃止することはできない」「天皇制と国民主権は相容れる」という論題についても論じているので,図書館で触れることのできる方は,コピーして持っておいても損はないと思います。

 ところで井手氏と同様,日本国憲法は男系男子による世襲を予定している,という解釈をとる学者として,故小嶋和司先生(東北大教授)がいらっしゃいます。

 小嶋先生は旧皇室典範の制定経緯を丹念に調査され,憲法制定の過程において「天皇」条項がいかに定められたかをも調査し,その結果を踏まえて日本国憲法は男系男子による世襲制を前提とするものであり,女系天皇を認めるには憲法改正手続が必要であるとの結論に達しておられます。

 その見事な省察はとても私がこの小欄で要約できるようなものではありませんのでここには掲げませんが,小嶋先生の見解をお知りになりたい方は,図書館で『小嶋和司憲法論集2 憲法と政治機構』(木鐸社)の『「女帝」論議』(45ページ以下)をご参照ください。自分はこれをコピーして教科書にはさんでいます。

 ここでは先に紹介した記事Bとのかかわりで参考になる部分を抜粋しておきます。記事Bを書いた記者は以下の小嶋先生の言葉を熟読玩味すべきだと思います。

「男女差別の撤廃は,『人権』保障のあり方の問題である。が,皇位継承資格や皇位継承権は,およそ『人権』でありえない。論者は,この基本を忘れていないか」 前掲書p66)






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最終更新日  2007年02月14日 21時59分48秒
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Re:読売新聞の『世界の王室』記事に触発されて(01/03)  
悠仁親王ご誕生で、女性天皇待望論は消えたかと思っていたけど・・・
サヨ勢力・メディアによる洗脳の一環でしょうかねぇ。
気をつけないといけませんね。
(2007年01月03日 22時15分41秒)

読売新聞の『世界の王室』記事に触発されて  
 ゴミウリは正月から何をやってんだか・・・。
 まぁ、ゴミウリがどんな御託を並べても「他所の国は他所の国、日本は日本」で済む問題ですな。
 -弐号- (2007年01月04日 03時30分52秒)

Re:読売新聞の『世界の王室』記事に触発されて(01/03)  
a k i .  さん
読売3月で契約が切れるんだけど・・・更新はやめようかな。。 (2007年01月04日 18時21分50秒)

遅ればせながら  
鹿成清大  さん

Re[1]:読売新聞の『世界の王室』記事に触発されて(01/03)  
ti2669  さん
ぺんぎんママさん
>悠仁親王ご誕生で、女性天皇待望論は消えたかと思っていたけど・・・
>サヨ勢力・メディアによる洗脳の一環でしょうかねぇ。
>気をつけないといけませんね。
-----

 特に読売は部数で一番の新聞で,残念ながらその影響力は一定程度認めざるを得ませんからね。

 注意深く監視していきましょう。
(2007年01月05日 14時16分32秒)

Re:読売新聞の『世界の王室』記事に触発されて(01/03)  
ti2669  さん
島根県民・弐号さん
> ゴミウリは正月から何をやってんだか・・・。
> まぁ、ゴミウリがどんな御託を並べても「他所の国は他所の国、日本は日本」で済む問題ですな。

 よく知らない人に限って「男女平等」だの,「欧州では認められている」だのと知ったような口をきくんですよね。
 ちょっとは勉強してから主張していただきたいものですが。

 それにたとえそれらの主張が一つの理由となりうるとしてもおっしゃるとおり
 「他所の国は他所の国、日本は日本」
 ですしね。 (2007年01月05日 14時18分05秒)

Re[1]:読売新聞の『世界の王室』記事に触発されて(01/03)  
ti2669  さん
a k i .さん
>読売3月で契約が切れるんだけど・・・更新はやめようかな。。
-----

 是非産経に(w (2007年01月05日 14時18分24秒)

Re:遅ればせながら(01/03)  
ti2669  さん
鹿成清大さん
>明けましておめでとうございます。
>本年も宜しくお願い致します。

 明けましておめでとうございます。
 こちらこそ,よろしくお願いします。

>さて、大手町の新聞社ですが・・・
>大昔は左翼、某老害主筆が出てきて右傾、最近はまた左傾と、右往左往の民主党丸のようで困ったものです。

 早々,今では忘れられがちですが,昔革命を目指していた人々の御用新聞だったらしいですからね。

>こういうマスゴミに人々も流されて右往左往、とならなければ良いのですが・・・

 最近はネットの普及でずいぶんと影響力も落ちたんでしょうが,まだまだ根強い影響力をもっていますからね。
 まぁ,特集なんて目を通す奇特な人はあまりいないでしょうけど,ヘッドだけみて「そうなんだ」と思っちゃう人がいないかどうかは心配ですね。 (2007年01月05日 14時21分13秒)

引用&TBさせていただきました  
くちべた日本人@情報の輪をつないで行こう さん
管理人様,皆様,ご挨拶が遅れました.
チャンネル桜掲示板を足場に言論活動を行っております者です.よろしくお願いいたします.
早速ですが,大変貴重なお話ですので,以下に引用させていただきました.

http://nf.ch-sakura.jp/modules/newbb/viewtopic.php?viewmode=flat& ;topic_id=669&forum=1

意欲だけで動いている未熟者で,やっていることはほとんど情報の収集と伝達ですが,何とかお役に立ちたいと思っております.
色々な情報を桜掲示板に集めておりますのでよろしくお願いいたします.
(2007年01月14日 22時05分27秒)

引用&TBさせていただきました(01/03)  
くちべた日本人@情報の輪をつないで行こう さん
失礼致しました.
楽天のBlogではアドレスが切れるようですので,先のアドレス「forum=1」までコピーして貼り付けてください.直接クリックでは無理です. (2007年01月14日 22時06分51秒)

Re:引用&TBさせていただきました(01/03)  
ti2669  さん
くちべた日本人様

 コメントありがとうございます。

 紹介させていただいた論文がお役に立ったようで,うれしいです。
 必要ならば本文中にある小嶋先生の論文の要旨も近いうちにアップいたしますので,よろしければまたご訪問ください。 

 ところで,TBの件ですが,アダルト系のTBを防止するために楽天以外からのTBを禁止しておりましたので,こちらに反映されておりません。
 本日より,再びTBの受け入れを無制限といたしましたので,よろしければ再度TBをいただけませんでしょうか。
(2007年01月15日 13時54分22秒)

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