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月一新聞9月議会号



 9月議会は私にとって長い議会でした。

 今回の議会には、補正予算として協働による廃食用油リサイクル推進事業(以下BDF事業)予算案が提案されました。

 家庭から出される廃食用油を回収し、BDF(バイオディーゼル燃料)として再生、みのちゃんバスに利用するというものです。
 また、生産については知的障がい者を雇用する内容です。

 そのための回収トラック購入費、プラント購入費等1088万7千円を認めよ、という提案です。

 この予算で問題になったのはプラントの購入です。同様の事業を行うNPO団体が箕輪町内にプラントをすでに建設していたからです。
 だったら廃油の再生は民間、回収は行政と役割分担したほうが効率的なのです。

■9月6日(火)
 議会初日。議案の提案と質疑が行われます。
私は「なぜ、民間にできることを民間に任せないのか」と質問しました。
 町長は、
「NPOと重複するのは精製部分に関することだけだ。事業の方向性は異なっており問題ない」
との答弁。初日は平行線で終わりました。

■9月7日(水)
一般質問通告。
一般質問の前に質問内容に関する通告書を提出することになっています。
今回の一般質問のテーマは「官から民へ」の一本に絞り込みました。

 このテーマに沿って3項目の質問を用意。
「産業振興」「保育サービスの民間活用」「BDF事業」についてです。

■9月8日(木)~
 さて原稿作り。
 この事業では、民間委託は不可能と判断した根拠も争点です。
 昨年策定した新エネルギービジョンでは町内の廃食用油の回収量試算は月500リットルとなっています。
 これに対しNPOの月処理量は3000リットルです。
 比較しても民間委託が不可能だという根拠に乏しいのです。

 そんななか、
 「民間委託が不可能であることを示したNPOの計画書が存在する」
という情報が入りました。
 早速、NPO側に問い合わせると
「長野県の審査前では、1日120リットル処理で提出した。審査後の最終計画では1日160リットル処理可能という計画を出した。」
と回答を受けました。
 もしこの書類がどこからか出てきても反論準備完了。

 また、一般質問で打開できないときの手段として予算修正案の提出を検討し始めました。
 プラントの購入費を削除するのです。修正案は議員数の12分の1の賛成者(箕輪町の場合、本人含めて2人)がいれば提案でき、過半数の賛成で成立です。

■9月14日(水)
一般質問。
詳しい論戦内容は地元新聞、町ホームページに譲るとして、町長からは
「競合するのは精製過程のみである」
「知的障がい者の働く場所・社会貢献の場を作る事業である。」「今ごろになって言われても、もうスケジュールを進めてしまった」
「知的障がい者の働く場が必要ないというなら事業を取りやめる」
との答弁。
永岡助役からは
「NPO側から精製する能力がないと言われたので行政で作ることにした」
との答弁。
しかし、この件は、NPO側に聞くと精製能力について不可能と言ったことはないし、聞かれたこともないとの主張でした。
ここでも議論は平行線。

■9月16日(金)
委員会審査です。予算は認定すべきか委員会で審査されます。プラントについては、住民環境課の所管なので私の所属する社会福祉常任委員会で審査されます。
結果は、賛成4、反対1で認定。
 ここで気持ちは修正案提出に大きく傾きます。
 もし提出なら賛成の署名をするといってくださる議員も出てきてくれました。
議論は尽くした。
さあ提出!
そのとき、未確認の情報が入ってきました。
「町長が民間委託の可能性に言及した」
というものです。
もし本当なら修正案提出の必要はない!
土壇場の急展開です。
 副議長に証人をお願いして、町長とNPOで会談を行う調整をしようということになりました。
そして・・・

■9月18日(日)
町長宅に電話
「民間委託するという話がありますが」
町長「そんな話は全くないし、考えていない。」
これで会談は幻に。残念。

■9月20日(火)
長い一日(議会最終日)
朝、議会事務局から
「町長、助役が話し合いのため待っている」
という連絡が入る。
慌てて役場・町長室へ。会談不開催の話が伝わらなかったのか?焦る。
桑澤助役が応対してくれ、
「ちゃんと、話は来ています。待っているということはありません」
とのこと。誤報か。
 その後、町長がやってきて軽く話をしました。
町長「もし、修正案が通れば、事業全てをストップします」
つまり、プラント購入費を削除すれば、BDF事業を全て取りやめるということです。
私は「それは町長の考えで、事業自体はできます」
と切り返し、町長も
「議会がどう判断しようと、私がやらないといえば全ては止まる。その辺を考えて行動してほしい」と反論。
町長は強硬姿勢だ。
 昼前、議長室に議長と修正案に賛成議員が集まりました。修正案は本会議開始前に提出しなければならないからです。
 可決できるか。最後の情勢判断をしました。
「可決は厳しいかもしれない」との認識が一致。
引くのも戦。
12時10分、修正案提出を断念しました。
 議長から町長に一連の政策決定過程について改善を厳しく要望することになりました。
13時30分本会議。
補正予算の審議が行われました。
 私は、「例外なき行政改革の推進の観点から、民間にできることは民間に任せるべきだ」
「持続可能な障がい者の自立を考えた場合、普通の職場で、普通に働ける社会システムを作ることが行政の役割で、町内にある既存プラントを使って障がい者を雇用する道を考えるべきだ」
「コミュニケーションの不足」
を理由に反対しました。
別件で2議員が反対にまわり、賛成12、反対3で可決されました。

 こうして長い長い9月議会はその幕を閉じました。 (おわり)

されど、改革に終わりなし。戦いはつづく。


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