幸せになろう!ダイアリー a letter about my daily life

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ボクシング…光と影…



 具志堅さんは13回タイトルを防衛しました(日本記録)。私もちっちゃかった頃、TV中継を見ていて、「早く挑戦者を倒さないかなぁ~」なんて、子供心に期待したのを覚えています。TKOすると、セコンドさんが肩にのせて持ち上げ 大喜びしていて「随分体重が軽い人なんだなぁ~」と不思議に思いました。
 そのころ、協栄ジムは入門希望者で溢れ返り、サンドバックを打たせてもらうのにずっと列を作って並んで待ったとか……(信じられない!)その時、いつまでも諦めずに待って、帰らなかったのが、未来の王者・渡嘉敷さんだったそうなのです……。
 まだ具志堅さんが現役で、勝ち続けていた頃、防衛戦の勝利に異議を唱える記事が週刊誌に掲載されました。「協栄陣営は相手に毒入りオレンジを食べさせた」と。その勝利は疑惑に満ちているとの指摘が……。それは、ボクシング業界人、多くのファン、チャンピオンを夢見る青少年たちに衝撃を与えました。誰もが「まさか……」と思ったことでしょう。
 かの田中角栄氏に噛み付いた某週刊誌の記事でしたが、果たして真実はどうなのか。「協栄の選手ばかりが勝つなんて、何かを仕掛けているのではないか」「有利な判定をしてもらうために、審判にお願いしているのではないか」「そんなキレイ事で済む世界であるものか」一瞬にして、嫉妬と偏見と疑いに巻き込まれた金平氏は、それから8年間、ボクシング界から追放され、失意の日々を送ります(辰吉さん登場の頃に復活)。プロアマ界の重鎮は、潔く第一線から消え去ってしまいました。
 私はこのことはつい最近まで、全く知らず、現在、現役のプロ選手も、協栄の若いスタッフも事情を知らない人が多いと思います。
 ファイトマネーの33%は所属ジムの手に渡ります(違っていたら御免なさい)。勝てば儲かり、負ければ地獄 の現実を前にして、週刊誌の中傷記事は負け犬の遠吠えにも似て、負け陣営の気持ちを代弁するかのような内容でした。
 今もって 信じられないような事件ですが、私はやっかみ半分で湧き出たデマだと信じたい。それでも、もし、記事の内容が事実だったとしても、今までサッカーも相撲も八百長だらけだったじゃないですか。ましてやプロレスなんて。アマスポーツの最高峰イベントのオリンピックだって、審判の口利きや買収、開催国ひいき、メダリストのドーピング、もうボロボロだったじゃないですか。この前の冬期大会なんぞは、真面目に取り組んでいた選手がバカを見ましたね。
 結局スポーツなんて、人間がやっていること、そんなものなのです。私たちは理想にこだわって、現実が見えていなかった……美しい物語を夢見ているだけで。内情はボロボロなのかも。今では、毒入りオレンジなんて、笑い飛ばされるようなものですが、当時の衝撃は凄まじいものだったらしい……です。
 もちろん、不正は反対です。弱い人間がやることです。一度やってしまったら、真面目にやっている選手も疑惑の目で見られるようになってしまって、泣くに泣けない……(渡嘉敷さんがそうでした。マスコミにからかわれて可哀想だったそうです。お前も不正で勝っただろうって書かれて)
 そんな訳で、ボクシングは一般人に素直に受け入れられない何かを秘めているスポーツであり続けていました。その救世主が、西の辰吉、東の畑山だったのですが……。
 金平さんは 今から3年前の3月に病気で三楽病院で亡くなり、今は御長男が会長職をなさっています。36歳とお若いのですが、協栄ジム二代目会長初のチャンピオンが先日誕生したばかりですね。おめでとうございます。
 ボクシング業界も世代交代の波が訪れています。今、30代20代の人たちが、ジムの経営者になった時、どんな選手を育てて世に送り出し、興行を打ってくれるのでしょうか。
 ボクシングの人気がもっと広まって、世界に通用する選手が日本から出現するといいですね(ラスベガスではファイトマネー10億円以上の興行もあるのだそうです。スゴイなぁ~)興業契約を結んだジムがあるらしいです。頑張れ!

(2002年4月28日 記 6月17日修正)



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