「すぐに流産するからね」

その言葉が忘れられなくて更に１週間会社を休んで安静生活を続けた。

お腹の痛みがなったものの何の変化もなく本当に赤ちゃんは成長しているのかと心配で心配で不眠になってしまった。

次の診察は５日後。

５日後に再び血中のｈｃｇの値を図るのだが３００から６００まで跳ね上がっていれば順調。

妊娠するとわずか数日の間にそんなにホルモンの値が変わるんだな。

やめておけばいいのに再び市販の妊娠検査薬をためしてみる。

尿中のｈｃｇが５０以上なら反応すると書いてある。

結果、うっすら陽性。

血中と尿中のｈｃｇの値って違うんだろうか？

うっすらしか出ない陽性にイヤな予感がした。

５日後の診察日。

「ダメかもしれない」そう思いながら病院へ。

ｈｃｇの値は「１６」に下がっていた。

「今回は残念ですが流産ですね。また次頑張りましょう」

子宮の奇形があっても着床できた。

それがわかっただけでも１歩前進だけどやっぱり悲しい。

先生の説明にも夫の問いかけにもうなずくのがせいいっぱいで病院を出た。

判定日までの５日間、心配してばかりで一度も赤ちゃんができたことを喜んであげれなかったなぁ。

助手席でぼんやり考えていると夫がそっと手を握ってくれた。

その時、この曲が流れていたんです。

I wish　の明日への扉。

明日からまた一緒にがんばろうね。

大切な何かを守るとき 踏み出せる一歩が勇気なら

傷つくことから逃げ出して いつもただ遠回りばかり

行き場なくした強がりのクセが 心の中で戸惑っているよ

初めて知ったあなたの想いに 言葉より涙あふれてくる

少し幅の違う足で 一歩ずつ歩こうね

二人で歩む道 でこぼこの道

二つ折りの白い地図に 記す小さな決意を

正直に今 伝えよう

耳元で聞こえる二人のメロディー 溢れ出す涙こらえて

ありきたりの言葉 あなたに言うよ

「これからもずっと一緒だよね･･･」

抑えきれない この気持ちが 25時の空から

光る滴として 降り注いだ

気がついたら 心の中 やさしい風がふいて

明日への扉 そっと開く

言葉が今 時を越えて 永遠を突き抜ける

幾つもの季節を通り過ぎて

たどり着いた 二人の場所 長過ぎた旅のあと

誓った愛を育てよう