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アレクサンドル・ド・ラ・パトリエール マチュー・デラポルト「モンテ・クリスト伯」シネリーブル神戸 小学三年生の秋の始業式で気を失って倒れました。で、その日から腎臓とか、心臓とか、あれこれ言われて、運動会はテントで見学という小学生時代が始まりました。というわけで、図書館少年シマクマくんの始まりなのですが、「走ってはいけない!」と戒めらた小学生の愛読書が「巌窟王」です。もちろん、小学館だったかの子供向けでしたが、大筋と結末は同じです。「待て!そして希望せよ!」ですね。 あの頃から60年経ちましたが、映画館に「モンテ・クリスト伯」のポスターが貼られて、しみじみとですけど、心躍りました。 もちろん、見ましたよ。アレクサンドル・ド・ラ・パトリエールという人と マチュー・デラポルトという人のダブル監督らしいですが、「モンテ・クリスト伯」です。 大人になってから、岩波文庫版、なんと全7巻!で復習した記憶はありますが、主人公のダンテス君とメルセデスさんの名前と、大雑把なあらすじくらいは憶えていますが、まあ、大体は忘れてしまっていました。 で、映画が始まると頭のどこから蘇ってきましたね。不思議ですね、ファリア司祭が登場するあたりから、やっぱり、ワクワクし始めて、悪者たちの名前も次々と浮かんできて、あの頃と同じでしたね。 まあ、そんなふうに感じるのも、やっぱり錯覚(?)なのでしょうが、あのころ、なんとなく納得がいかなかった愛するメルセデスとの再会と再びの別れの経緯が、この映画でも、やっぱり納得がいかなかったのは何故でしょうね(笑)。 まあ、しかし、懐かしかったですね。見終えて出て来るといつも声を掛けて下さる受付嬢が笑って手を振ってくださいました。「お好きなんですか、巌窟王?」「うん、子供の頃のベスト・スリー(笑)」「わたしも好きでしたよ。フランスでは、日本の忠臣蔵みたいな感じなんでしょうね。」「デュマだもんね。」「はい。あっちの人はお好きですね。」「ああ、あなた、フランスとか行くんだもんね。」「はい、同居人があっちですから。」「まあ、ボクは最後の名セリフが聞きたくて見たようなもんです。待て、そして希望せよ!涙、出ちゃった(笑)。」 というわけで、何はともあれ拍手!でした。監督・脚本 アレクサンドル・ド・ラ・パトリエール マチュー・デラポルト製作 ディミトリー・ラッサム原作 アレクサンドル・デュマ撮影 ニコラ・ボルデュク美術 ステファーヌ・タイヤッソン衣装 ティエリー・ドゥレトル編集 セリア・ラフィットデュポン音楽 ジェローム・ルボティエキャストピエール・ニネ(エドモン・ダンテス モンテ・クリスト伯)アナイス・ドゥムースティエ(メルセデス)バスティアン・ブイヨン(フェルナン)ローラン・ラフィット(ヴィルフォール)パトリック・ミル(ダングラール)マリア・バルトロメイ(エデアナ)バシリ・シュナイダー(アルベール)ジュリアン・ドゥ・サン・ジャン(アンドレア・カヴァルカンティ公爵))ピエルフランチェスコ・ファビーノ(ファリア司祭)2024年・178分・G・フランス原題「Le Comte de Monte-Cristo」2025・11・11・no164・シネリーブル神戸no339追記 ところで、このブログをご覧いただいた皆様で楽天IDをお持ちの方は、まあ、なくても大丈夫かもですが、ページの一番下の、多分、楽天のイイネボタンを押してみてくださいね。ポイントがたまるんだそうです(笑)
2025.11.14
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EPOCH MAN「我ら宇宙の塵」扇町ミュージアム・キューブ 小劇場演劇を見て回っていた時期があります。30年ほど前の10年間ぐらいですね。平田オリザの「青年団」とか、亡くなってしまった長谷川孝治が主宰し、畑澤聖悟なんていう印象的な役者さんがなつかしい「弘前劇場」、地元の関西では「太陽族」とか「南河内万才一座」とか観てまわっていました。その時、演劇鑑賞に誘ってくれたのが入口君という、学生時代からの友達でしたが、その入口君からメールが来て、久しぶりに誘ってくれたお芝居がEPOCH MANという劇団(?)の「我ら宇宙の塵」というお芝居でした。大阪の扇町ミュージアム・キューブという会場です。パペット×映像テクノロジーの融合で描く極上の演劇体験無限の想像力によって広がる、命と宇宙の物語 父親を喪って言葉を失ったかに見える少年と世界との和解の物語とでもいえばいいのでしょうか。50代だった頃に「静かな演劇」のことばと表情のリアリティーの静かな迫力に演劇の可能性を想像していた老人には「唖然とする!」まあ、そういう印象の舞台でした。 これが現代なのですね・・・・。いろいろ考えさせられた舞台でした。 劇場を出て、梅田じゃなくて、扇町公園を迂回して天満の方へ歩きました。久しぶりのおしゃべりタイムです。「どうでした?ボクは、主演の池谷のぶえという女優さんが好きなのね。」「エッ?そうなん?」「今回、読売演劇賞で最優秀女優賞かな。」「ええーあの演技でか?熱演はわかるけど。まあ、好き好きやけど、出て来る俳優さん、基本、稚拙な印象やったからなあ。その中では芝居してはる気はしたけど、ホメるほどかというか・・・」「そうか、厳しいな(笑)。」「この手の映像と、パペットいうのかな、人形の組み合わせって、昔はコケオドシというか、びっくり演出やったけど、結構、本気やねんな。」「うん、こういう舞台を作るにはお金かかかると思うけど、実際、金はかけてるね。人形の扱いもよく練習してる感じやな。」「で、まわりのお客さんにはウケてたしな。」「たしかにストーリィーは古いね。」「古いゆうか、星空出て来るやろ、あの星空を指さして、あれがデネブ!やとか、あの明るいのがシリウスや!とか盛り上がってはったけど、ボクみたいな元天文少年が見ると、ただのきらきら映像で、星空ちゃうねんな。白鳥座も大犬座も、ましてや北極星なんてどこにもない。北斗七星はどこや?いうか、実際の星空でシリウスを見たことがある目には、あの画面で騒ぐのは滑稽というか、子どもの学芸会の印象やったね。」「うーん、きびしいなあ。」「父親を喪った少年の回復の物語というふうに、ボクは見てたけど、テーマはわかるんやけど、子供向けのマンガの筋書きというか、薄っぺらやなあという気がしたね。」「なるほどなあ(笑)」「そら、あんた、映画5本見られる値段で見に来てるんやで。」「うん、芝居は高くなったから。」「でも、最後のシーン、少年が鉄腕アトムみたいに飛ぶやん、あの肯定性はマルやで。」「うん、あのシーンはいいね(笑)。」「あれ見てて、太陽族の森本研典が、昔、空を見ていたシーン思い出した。」「ここからは遠い国やね。」「一緒に見たやんな。彼は、まだやってる?」「うん、やってる」「あの大阪弁のおばちゃんは?」「岸部孝子な。まだやってるんちゃうかな。」「まだ、あのしゃべりかな?なんか、懐かしいなあ(笑)。」 見終えて、久々の天神橋筋の居酒屋での会話ですね。まあ、取り留めも、さしたる根拠もない暴言連発ですが、これが楽しいんですよね(笑)。 入口君は、どっかの芸大で演劇論を講じていらっしゃるプロですが、昔から暴言のシマクマくんに、こうして、よく付き合ってくれましたね。 もちろん、いろんな高評価の理由はわかりましたし、納得もしたんですけど、人間という存在に対して、もう一歩!踏み込んでほしかったですね。 作・演出・美術 小沢道成映像 新保瑛加 音楽 オレノグラフィティキャスト池谷のぶえ渡邊りょう異儀田夏葉ぎたろー小沢道成2025・11・08追記 ところで、このブログをご覧いただいた皆様で楽天IDをお持ちの方は、まあ、なくても大丈夫かもですが、ページの一番下の、多分、楽天のイイネボタンを押してみてくださいね。ポイントがたまるんだそうです(笑)
2025.11.13
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トッド・コマーキニ「ボンヘッファー」シネリーブル神戸 久しぶりのナチスがらみ映画です。ヒットラー暗殺計画ネタです。お調べになればすぐにわかると思いますが、ヒットラーに対する暗殺計画は山ほどあります。翻訳の歴史エンタメでも何冊か出ています。著者も内容も忘れちゃいましたが、面白がって、あれこれ読んだことがあります。ボンヘッファー?、なんか聞いたことがあるあ。そう思ってみました。 見たのはトッド・コマーキニという監督の「ボンヘッファー」という作品です。 見ていて思い出しましたが、ボンヘッファーという人は、ナチスによる宗教政策を批判・抵抗して虐殺された、その筋では、かなり有名なキリスト教の神学者でしたね。もちろん、暗殺計画は失敗です。 もっとも、ボクが面白かったのは、彼がアメリカ留学中に出会う音楽でした。ピアノができたらしい彼が、なんと、あのルイ・アームストロングと演奏するシーンに心躍りました。 多分、バッハだったと思いますが、戦死した兄の思い出の曲を主人公が弾いて、ルイ・アームストロングがトランペットで変奏して、バンドが盛り上げていくのですが、楽しかったですね。「ああ、こういう時代だったんだ!」 今となっては100年ほども昔なんですね。 映画の本筋はナチスによる、まあ、あまり知られていませんが、キリスト教に対する異様な宗教政策に対して、真実の信仰を叫び続けた神学者についてのお説教の趣で、「罪か愛か」 という感じでボンヘッファーがかかわった暗殺計画と彼の行動や覚悟を話題にしている、なんとなくな大上段がボクにはちょっとめんどくさかったですが、音楽映画の雰囲気もあって、拍手!でした。 トッド・コマーニキという人は「ハドソン川の奇跡」とかの脚本で有名な人らしいですが、これはアメリカ映画なんですね。登場人物は、全部英語でしゃべりますから、別に英語もドイツ語もできるわけではありませんが、ちょっと作り物感が残ってしまいましたね。 だって、ヒットラーが英語をしゃべるのは、ちょっと変でしょ(笑)。まあ、そのあたりが残念でしたが面白く見終えました(笑)。監督・製作・脚本 トッド・コマーニキ製作 エマニュエル・カンプーリス カミーユ・カンプーリス ジョン・スキャンロン撮影 ジョン・マシソン美術 ジョン・ビアード編集 ブル・マーレイキャストヨナス・ダスラー(ディートリヒ・ボンヘッファー 牧師)アウグスト・ディール(マルティン・ニーメラー 牧師)モーリッツ・ブライブトロイ(カール・ボンヘッファー 父)ナディーン・ハイデンライヒ(パウラ・ボンヘッファー 妹)デビッド・ジョンソン(フランク・フィッシャー アメリカの友人)フルーラ・ボルク(ハンス 兄)2024年・132分・G・アメリカ・ベルギー・アイルランド合作原題「Bonhoeffer Pastor. Spy. Assassin.」2025・11・10・no163・シネリーブル神戸no338追記 ところで、このブログをご覧いただいた皆様で楽天IDをお持ちの方は、まあ、なくても大丈夫かもですが、ページの一番下の、多分、楽天のイイネボタンを押してみてくださいね。ポイントがたまるんだそうです(笑)
2025.11.12
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「オッ!さんぽ リハビリ帰り、これヒイラギ?」 徘徊日記 2025年11月11日(火)団地あたり 週に一度の病院通いです。まじめにリハビリに通っています(笑)。もうすぐ、怪我をしてから100日が経過します。病院までの行き帰りがオッ!さんぽの道です。季節が移りかわります。 この小さな花が今日のオッ?なのですが、柊でしょうか。ミツバチらしい小さなハチがとまっていました。こんな小さな花にも蜜はあるんでしょうね。 黄葉です。こちらは公孫樹ですね。青空にそよぐ黄色い姿に見とれます。こうして歩き始めた頃には緑の木立だったんですけど、もう、散り始めています。 子供の広場のケヤキです。ボクはこの木立が好きなんです(笑) 子供たちの姿を、まあ、大人の姿も、ですが(笑)、人の姿を見かけなくなった団地です。 ポプラですね。イイ感じです。どんどん落葉しています。修繕工事は続いています。 住んでいる棟に帰ってきました。外壁の修繕は概ね終わったようですが、まだカヴァーはとられていません。建物の周辺の木立はみんな黄葉にかわりました。もうしばらく暗い部屋住まいが続きそうです。 今週はもう一度通院があります。年が年ですから、右腕が上がるようになるまで辛抱、辛抱の日々です(笑)。にほんブログ村追記 ところで、このブログをご覧いただいた皆様で楽天IDをお持ちの方は、まあ、なくても大丈夫かもですが、ページの一番下の、多分、楽天のイイネボタンを押してみてくださいね。ポイントがたまるんだそうです。
2025.11.11
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阪本順治「てっぺんの向こうにあなたがいる」109シネマズ・ハット 先日、市毛良枝さんが頑張っていらっしゃる「富士山と、コーヒーと、しあわせの数式」というホンワカした映画をご一緒したお友達が、見終えておっしゃったんです。「吉永小百合さんのお姿をスクリーンでもう一度見たいんですけど。」「じゃあ、これですね。」 というわけで、阪本順治監督の新作、「てっぺんの向こうにあなたがいる」を見ました。 1975年ですから、ボクは20歳でした。女性として初めて世界のてっぺんにお立ちになった田部井淳子さんというアルピニストがいらっしゃったことを覚えています。当時、ボクは新田次郎の小説の主人公に、こっそり憧れて、キャラバン・シューズを履いて六甲山をふらつく学生でしたが、「へえ、そんな人がいるんだ。」という記憶です。 映画は若き日に、世界中のてっぺんに登りつくした人に見える、てっぺんの向こうの風景の物語でした。てっぺんに登ってしまったからこその、毀誉褒貶ですね。 見ているこっちの年齢の結果かもしれませんが、やっぱりしみじみしちゃいました。だって、てっぺんの向こうを見た女性を演じるのが吉永小百合さんですよ。で、彼女がてっぺんから降りてくるを支え続けるのが佐藤浩市ですからね。「わたしね、三国連太郎さんって好きだったんです。」「えー、それって・・・、まあ、ボクも好きでしたけど。」「でね、息子さんでしょ。」「ああ、はい。佐藤浩市ね。」「いい俳優さんになったなあって。」「お父さん家出ちゃうし、離婚するし、なんですけど、彼はそれでも父親の演技に憧れてたとか、どっかで読んだ気がするけど。」「ええー、そうなんですか?」「で、彼、頭、真っ白ですけど、ボクより若いんですよね。65歳くらいかな。」「吉永さんもよかったですね(笑)。」「うん、彼女は80歳のはずですよ。」「ちっとも、老いを感じさせないというか、不思議な方ですね。」「なんか、存在が上品というか、まあ、実生活とか知らんけど、やっぱり、吉永小百合は、吉永小百合や!ね。」 というわけで、納得の2時間でした。拍手! 先日見た「女性の休日」も1975年でしたが、エベレスト女性初登頂も同じ時代、まあ、そういう時代だったんですね。50年前といわれると、ちょっとビビりますが、まあ、てっぺんを知らなままなので、この映画でも出てきた富士山の風景に「いいなあ・・・」でした。 実は、この日は、チッチキ夫人の誕生日だったわけで、この後、ご一緒したお友達ななえちゃんにはいろいろお世話になっちゃったんですが、そちらは「今日はお誕生日!」をご覧ください。監督 阪本順治原案 田部井淳子脚本 坂口理子撮影 笠松則通編集 普嶋信一音楽 安川午朗キャスト吉永小百合(多部純子)のん(多部純子 若い頃)木村文乃(多部教恵 娘)若葉竜也(多部真太郎 息子)佐藤浩市(多部正明)工藤阿須加(多部正明 若い頃)天海祐希(北山悦子 記者)茅島みずき(北山悦子 若い頃)和田光沙(新井涼子)円井わん(岩田広江)安藤輪子(清水理佐子)中井千聖(丸山かおる子)長内映里香 三浦誠己 金井勇太 カトウシンスケ森優作 濱田マリ 浅見小四郎2025年・130分・G・日本 キノフィルムズ2025・11・03・no159・109シネマズ・ハットno68追記 ところで、このブログをご覧いただいた皆様で楽天IDをお持ちの方は、まあ、なくても大丈夫かもですが、ページの一番下の、多分、楽天のイイネボタンを押してみてくださいね。ポイントがたまるんだそうです(笑)
2025.11.10
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草野心平「ばっぷくどん」・「秋の夜の会話」(金井真紀「酒場学校の日々」より) すでに「読書案内」した金井真紀のエッセイ集「酒場学校の日々」(ちくま文庫)を読んでいて出会った詩です。 草野心平、懐かしいですね。 ばっぷくどん 草野心平 ばっぷくどんがうたたねの眼を覚ますと。 毛脛がある。 見ると物凄い大人物だ。 ばっぷくどんは観念した。 ただ一撃を待つだけである。 燈台の灯が闇をつらぬく勢いで。 ばっぷくどんの眼はらんらん。 今生の見納めに右と左の景色をみた。 悲しく波うつエーテルなど。 気がつかなかった色んなものが。 初めて見える。 しまった。おれの人生は。 と。 思った次の瞬間。 大人物はいつの間にかいなくなってた。 きらめく光。 ぬくい雲。 ばっぷくどんの平べったい頭をやさしい風がなぜてとおる。 ばっぷくどんは生れてはじめて平和というものの実体を知ったかのように。 ああ。せいせいする。 するなあ。 といった。 ばっぷく。ばっぷく。 ばっぷくどんの両眼に海の碧と雲とが映る。 註・五島列島では蛙のことをばっぷくどんという由。 草野心平という名前を聞くと「ばっぷく。ばっぷく。ばっぷくどん」というフレーズがなんとなく浮かんできて、小学校だったか、中学校だったかの教科書に載っていたような気がしていましたが、本当に載っていたのでしょうか?今となっては、なんだか定かではないのですが、確かめようもありません。 ボクが、もう一度、この詩人と出会ったのは、宮沢賢治の「春と修羅」に出会った20代ですね。 近代詩史を振りかえれば、草野心平の詩の独特さはもちろんですが、ボクにとっては37歳だかで亡くなってしまった宮沢賢治の詩と童話を後世に伝えた人物として忘れられない人ですね。 宮沢賢治の死の翌年だったか、たしか、戦前、昭和の10年代の終わりころだと思いますが、宮沢賢治の全集を編集し、出版したのは草野心平ですね。 それを知ったときに、なんだかとても心の広い、いい人という印象を持ったことは、今でも覚えています。 せっかくですからもう一つ載せますね。 秋の夜の会話 草野心平さむいねああさむいね虫がないてるねああ虫がないてるねもうすぐ土の中だね土の中はいやだね痩せたね君もずゐぶん痩せたねどこがこんなに切ないんだらうね腹だらうかね腹とつたら死ぬだらうね死にたくはないねさむいねああ虫がないてるね 秋の夜、今頃でしょうか、カエルたちの会話です。若い頃には感じなかったんですが、なんだか、妙に身に沁みますね。 2025年、暑かった夏もようやく終わったようです。虫がなきはじめました。しみじみ年齢を数えています(笑)。 2025-no099-1172 追記 ところで、このブログをご覧いただいた皆様で楽天IDをお持ちの方は、まあ、なくても大丈夫かもですが、ページの一番下の、多分、楽天のイイネボタンを押してみてくださいね。ポイントがたまるんだそうです(笑)
2025.11.09
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三宅唱「THE COCKPIT」シネリーブル神戸 もうすぐ新作が公開される三宅唱という監督の特集上映をシネリーブル神戸がやっていて、「なに、これ?」と気になって見ました。 三宅監督の10年前の作品「THE COCKPIT」です。見終えて出て来ると支配んさんが手を振ってくれてました(笑)「ボク、今の日本映画を引っ張っているのは、この三宅監督と浜口竜介、ご存じですよね。『ドライブ・マイ・カー』とか、『寝ても覚めても』の監督ですけど、の二人だと思っているんです。」「ああ、なんとなくわかるなあ。まあ、ドライブ・マイ・カーはあんまり評価しないけど。」「ええー???、そうなんですか。」「まあ。好き、好きやからね。三宅という人のは、きみの鳥はうたえるもケイコ目をすませてもよかったから、今度の新作も期待してる。そしたら、ここで知らんの二つやってるから来た。」「そうでしょ。うちは、なかなか見られない作品という狙いで企画しました。いかがでしたか?」「うん、ああ、これが三宅という人やねんなって納得した。」「でしょ(笑)。」「まあ、ヒップ・ホップとかいう音楽を全く知らんから、最初、意味不明でもう寝ようかなやってんけど、途中から、かなり引き込まれた。」「それは、よかった。」 というわけで、ドキュメンタリィー仕立てなのですが、そのドラマ性に納得。三宅という監督の原質がここにあるという印象でした。新作、楽しみです。拍手!監督・撮影・編集 三宅唱撮影 鈴木淳哉 キャストOMSBbimHi'SpecVaVaHeiyuu2014年・64分・日本 PIGDOM2025・11・01・no158・シネリーブル神戸no336追記 ところで、このブログをご覧いただいた皆様で楽天IDをお持ちの方は、まあ、なくても大丈夫かもですが、ページの一番下の、多分、楽天のイイネボタンを押してみてくださいね。ポイントがたまるんだそうです(笑)
2025.11.08
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滝口悠生「たのしい保育園」(河出書房新社) 「死んでいない者」(文春文庫)で、「おや?この人は!」 と思いました。2016年の芥川賞受賞作です。 で、「水平線」(新潮社)という作品で「これは、本物だ!」と確信した滝口悠生の新作「たのしい保育園」(河出書房新社)を読みました。 まあ、小説とか、映画とか、好みですから、あんまり言いませんけど傑作や!と思いましたね。 40代の男性作家が保育園に通う娘の姿をネタに、一昔前なら私的エッセイで描かれていたような世界が人間とは何かという問いに真正面から挑む小説になっているところがスゴイですね。 書き出しはこんな様子です。 父親に抱っこされて玄関を出、仕事に向かう母親とタッチしたところまではよかったが、家の前の道で母親が駅の方へ向かって歩き出し、父親がそれとは反対の保育園に向かう道に歩き出そうとすると、娘は抱かれた父親の胸から逃れようと身をよじり、遠ざかる母親の方を見て泣き出した。(P6) で、書き手でもある父親と「お母さんがいい」とグズり泣きを始めた、ようやく2歳になろうかという娘の格闘が、作品の巻頭20ページにわたって続きます。 泣き叫ぶ娘をフィギヤ・スケートのダブルスのカップルのように全身をくねらせ抱き上げて、たのしい保育園に向かって、なんとか、歩を運ぼうとする父親はとうとう娘を抱いたまま道端にしゃがみこんでしまうまで、延々と書き綴られる今日の出来事がまず、圧巻!です。 父親は泣きじゃくる娘の前でもうなにも言えず、自分もいつか死ぬんだな、と思った。それで娘の前に腰を下ろし、尻をついて地面に座り、体の後ろに手をついた。顔を上に向けると遊歩道沿いに建つ家の庭木にピンク色の花の蕾がいくつもついているのが見えた。桃の花だ。(P18) で、次の行を読んだ、人それぞれの読者の一人であるシマクマくんは、思わず絶句!でした。 ももちゃん、と父親が娘の名を呼んだ。さっきからもう何度その名前を呼んで、なだめたり機嫌をとったりしたかわからないけれど、娘が生まれるまで娘が存在しなかったように、娘の名前もこの世界には存在しなかった。音や言葉としてはあったけれど、娘の名前は娘に向けられるために誰かが考えて、決めて、つけた名前で、それは誰かと同じ名前であっても本当は同じじゃない。名前を呼ばれた泣き顔の娘はしわくちゃにした顔を父親に向けた。鼻水がそのまま口に流れ込むように垂れ落ちている。父親は、ももちゃん、ともう一度名前を呼び、お母さんがよかった、と言った。あれ見てみ、桃の花、と頭上の桃の木を指さしたが、娘は見ず、座ったまままた泣き出して、足をばたばた地面に叩きつけた。ももちゃんのももは、桃の花のももじゃないけど、と父親は思った。こうして思いがけず見つけた同じ名前の花の蕾が、娘の名前を呼んでくれる。(P19) シマクマ君には、実は娘がいます。このブログではピーチ姫と呼んでいますが、その娘、実は「ももちゃん」なんですね。 小説の中で描かれているももちゃんの時代は30年前に終わっていて、その上、シマクマ君は、我が家のももちゃんを保育園に送った経験など、ただの一度もないのですが、このシーンで、この作品の評価は決まりました。傑作です!(笑) 作品は連作短編集の趣で、下に目次を貼りますが、全編、ももちゃんとお父さんとの格闘です。ふいちゃんとか、あみちゃんとか、ナカナカの猛者も登場します。ももちゃんが泣いていて、ふいちゃんが手を振っていて、あみちゃんが、はてな?と見とれている世界に対して、お父さんの「ことば」の届かなさをこそ描いた「ことば」の連なり、語れども語れども、その向こうに広がる世界! やっぱり、忘れられない傑作!です! 70歳を越えたジジイが、読み出したら止められない保育園の風景って何なんですかね。いや、ホント、ノスタルジーに浸っていってるんじゃないんです。読んでみてください! 約束通り、目次を貼ります。目次緑色 5 恐竜 31 ロッテの高沢 51 音楽 93 連絡 113 名前 2052025-no121-1194 追記 ところで、このブログをご覧いただいた皆様で楽天IDをお持ちの方は、まあ、なくても大丈夫かもですが、ページの一番下の、多分、楽天のイイネボタンを押してみてくださいね。ポイントがたまるんだそうです(笑)
2025.11.07
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パメラ・ホーガン「女性の休日」元町映画館 とても素敵なドキュメンタリィーを見ました。アイスランドという国で1975年にあった女性と男性の社会的平等を目指した戦い=行動と、その後のアイスランド社会を描いた作品でした。 監督がパメラ・ホーガンというアメリカの方で、題名は「女性の休日」です。1975年10月24日アイスランド全女性の90%が仕事も家事も一斉に「休んだ」 知りませんでした。映像が映し出すすべてが驚きでした。 1975年というのはボクは20歳で、神戸で大学生として暮らし始めた年です。50年も昔の話なしです。そういえば、あの当時、ボクの周辺でも、だから、多分、日本でも、でしょうね。女性解放闘争とか、今では想像もできないくらいラジカルで先鋭的な行動と主張が始まっていました。 で、どうなったかというと、2025年のジェンダー・ギャップ指数を比べるとアイスランドは世界1位で、日本は118位なのだそうです。 差別され、抑圧されている人た。一方で、そういう差別や抑圧を批判したり、そういう社会を批判する人たち。両方とも、私たちの国というか、社会にも、ボクが暮らしてきた50年、ずっといらっしゃいました。しかし、差別も抑圧も亡くなったという実感はボクにはありません。見えなくなっただけです。だから、今、ジェンダー・ギャップ指数が世界の最底辺の数字だということを聞いて驚くこともありません。どうしてなんでしょうね。 実にさわやかな、アイスランドの歴史的な振りかえりの映画を見ながら、ボクの中にわだかまっていったのは、そういう感慨でした。 映画は素晴らしいです。拍手!です。でも・・・・でした。 そんな、この国で新しく女性の宰相が登場しました。最悪!(笑)ですね。 差別の解消どころではありません。数年後の社会がどっち向きに変貌しているのか、まあ、想像が外れたらいいなという想像しか思い浮かびません。なんだか、すごい時代の幕が開いちゃったようですね。 いや、ちょうど映画を見た前後の世相の変化に、ポカンどころか、ボー然とする今日この頃です。笑えません(笑)。監督 パメラ・ホーガン製作 フラプンヒルドゥル・グンナルスドッティル製作総指揮 イライザ・リード撮影 ヘルギ・フェリクソン編集 ケイト・タベルナ音楽 マルグリエト・ラウン・マグヌスドッティルエンドクレジットソング ビョークキャストビグディス・フィンボガドッティルグズルン・エルレンズドッティルアウグスタ・ソルケルスドッティルグズニ・トルラシウス・ヨハネソン2024年・71分・G・アイスランド・アメリカ合作原題「The Day Iceland Stood Still」2025・10・29・no156・元町映画館no323追記 ところで、このブログをご覧いただいた皆様で楽天IDをお持ちの方は、まあ、なくても大丈夫かもですが、ページの一番下の、多分、楽天のイイネボタンを押してみてくださいね。ポイントがたまるんだそうです(笑)
2025.11.06
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土井裕泰「片思い世界」パルシネマ新公園 広瀬すずの特集のようで「ゆきて帰らぬ」がお目当てでやって来た、久しぶりのパルシネマでしたが、こちらが1本目でした。 土井裕泰という監督の「片思い世界」という作品です。今年、2025年の春に封切られた作品のようです。しゃれてましたね! 面白かったです。監督の土井裕泰と脚本の坂元裕二というお二人は「花束みたいな恋をした」というヒット作のコンビだそうです。 まあ、その「花恋」とやらを見ていないのでなんともいえませんが、少なくとも、こっちは面白かったですね。 「片思い」という題の意味が最後までわからなくて、見終えて、やっとのことで「ああ、そうか!」だったところがボケてますね(笑)。 説明するとネタバレとやらで困るのですが、まあ、封切られてから間も空いているし、映画の解説サイトではバラしているようですから言っちゃいますと、主人公の三人の女の子が「あっち」にいて、「こっち」は永遠の片思い世界なんですね。先日見た台湾映画「赤い糸」とか韓国映画「シークレット・メロディ」ではあっちとこっちが出会っちゃうんですけど、この映画のいいところは出会えないんですね。映画ですから、映像としては重なるんですが、視線はあっちからしか可能じゃないところがこの映画のアイデアの俊逸なところだと思いました。 上のチラシの子供たちが、あっちで暮らし始めるんですけど、年ごろの少女に成長して、広瀬すず(相楽美咲)、杉咲花(片石優花)、清原果耶(阿澄さくら)になるんです。その三人の「片思い」の様子がとてもいいんです。 三人が、あっちの住人になる経緯は、ニュースとかにもなった現実の事件を背景にしているようで、世間知らずの老人でも、「そういえば、そんな事件があったなあ。」なんですけど、刑期を終えてこっちで暮らしている犯人の青年とのぶつかり合いも描かれていますが、ボクにはあっちだからこその三人の軽くて、でも、切なく、やるせない生き方の描写がグッときましたね。というわけで、まずは、三人に拍手!でした。監督 土井裕泰脚本 坂元裕二撮影 鎌苅洋一 小林拓編集 穗垣順之助音楽 鈴木慶一キャスト広瀬すず(相楽美咲)杉咲花(片石優花)清原果耶(阿澄さくら)横浜流星(高杉典真)小野花梨(桜田奈那子)伊島空(増崎要平)Moonriders(ストリートミュージシャン)田口トモロヲ(加山次郎)西田尚美(木幡彩芽)2025年・126分・G・日本 東京テアトル 2025・10・28・no154・パルシネマ新公園no47追記 ところで、このブログをご覧いただいた皆様で楽天IDをお持ちの方は、まあ、なくても大丈夫かもですが、ページの一番下の、多分、楽天のイイネボタンを押してみてくださいね。ポイントがたまるんだそうです(笑)
2025.11.05
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「今日は、お誕生日!」 ベランダだより 2025年11月3日(月) ベランダあたり 今日は11月3日の月曜日。文化の日、何とか節の復活を口にする人もいますが、我が家ではチッチキ夫人のお誕生日(笑)です。 とはいいながら、シマクマ君、お友達のななえちゃんと、あの、吉永小百合さんが世界的女性アルピニストの田部井淳子さんを演じるという「てっぺんの向こうにあなたがいる」という映画を見に出かけていたんですが、見終えて言いました。「あのね、今日って、チッチキ夫人のお誕生日なんだよね。」「えーっ!どうして、それを早く言わないんですか?」「いや、毎年のことだし。」「じゃあ、あそこに行きましょう!」 というわけで、西宮の甲陽園にあるケーキの名店、ツマガリ・ケーキに直行でした。「今は、おいしいのは、イチジクですよ。」「そうなん、じゃあ、イチジクのケーキとシュー・クリームやね。」 言い残して姿を消したななえちゃんでしたが、のんびり、お店に並んでいる間にステキな花束を抱えて帰ってきました。「今から家まで送りますね。」「ええー、ここから垂水までえ…」 というわけで、本日のお誕生会は三人でした。 いちじくのケーキも花束も、みんな、ななえちゃんのサプライズ! チッチキ夫人も御機嫌でした。さて、いくつになったんでしょうね?にほんブログ村追記 ところで、このブログをご覧いただいた皆様で楽天IDをお持ちの方は、まあ、なくても大丈夫かもですが、ページの一番下の、多分、楽天のイイネボタンを押してみてくださいね。ポイントがたまるんだそう
2025.11.04
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根岸吉太郎「ゆきて帰らぬ」パルシネマ新公園 小林秀雄、中原中也、長谷川泰子、この三人の格闘が映画になっていたのを知りませんでしたが、なんと、あの長谷川泰子を広瀬すずがやっていると知って、久々のパルシネマでした。 見たのは根岸吉太郎監督で田中陽造脚本の「ゆきて帰らぬ」です。長谷川泰子を広瀬すず、小林秀雄を岡田将生、中原中也を木戸大聖という、それぞれ若い俳優さんたちが演じている作品でした。まあ、70歳の老人には、ずっこけるしかない作品でしたね(笑)。 まあ、老人の繰り言なんですけどね。なんというか、映像の中にボクが知っている中原中也も小林秀雄も、もちろん、長谷川泰子もいない作品で、見終えて座り込む元気もない感じで、ホント、なんと言ったらいいのか分からない作品でした。 監督と脚本のお二人がベテランということもあって、この三人の話を撮ってみたかったんだろうなという予想はつくのですが、たとえば、小林秀雄を演じていた岡田将生君とか、中原中也を演じていた木戸大聖君とか、それぞれ、ちょっと男前の俳優さんたちでしたが、彼らは小林秀雄とか、中原中也とかについて、彼らなりのイメージというか、理解とか、納得とかがおありなのでしょうかねという気がしましたね。 映像という媒体は内面というかも映しちゃうんですよね(笑)。 申し訳ないのですが、たとえば、小林秀雄なら、映画の中で「一等になるのはボクだ」と豪語していましたが、その時の改造という雑誌の懸賞論文で次席になった「様々なる意匠」の出だしにある「世に一つとして簡単に片付く問題はない。」なんていう言葉とか、中原中也なら「汚れつちまつた悲しみに今日も小雪の降りかかる」なんていう、歴史に残る名文句は、映像に映し出されるお二人の内側からは、とても出てきそうもありませんね。 まあ、演技の問題なのか、脚本段階における解釈、あるいは演出の問題なのか、見分ける力があるわけではありませんが、こういうヘンテコな三角関係が成立するには、まず、当事者の個性、それから彼らの自意識というのでしょうか、個性的ではあるのですが、その感覚を支える時代があったことが如何に描写されるのかという興味には答えてくれませんでした。 余談ですが、たとえば漱石が書き続けた三角関係の深さを支えているのは明治という時代だったというような視点が、今、なくなりつつあるんだという感じですね。 いや、それにしても、すごい時代になって来たなあ・・・という感想でしたね。 ただ、長谷川泰子を演じていた広瀬すずさんの表情の演技はなかなか見ものでしたね。まあ、この映画の面白さは彼女が「女」の百面相に苦闘している姿でした。ナカナカでしたよ(笑)。拍手!監督 根岸吉太郎脚本 田中陽造撮影 儀間眞悟編集 川島章正音楽 岩代太郎主題歌 キタニタツヤキャスト広瀬すず(長谷川泰子)木戸大聖(中原中也)岡田将生(小林秀雄)田中俊介(富永太郎)トータス松本瀧内公美草刈民代カトウシンスケ藤間爽子柄本佑2025年・128分・G・日本 キノフィルムズ2025・10・28・no155・パルシネマ新公園no48追記 ところで、このブログをご覧いただいた皆様で楽天IDをお持ちの方は、まあ、なくても大丈夫かもですが、ページの一番下の、多分、楽天のイイネボタンを押してみてくださいね。ポイントがたまるんだそうです(笑)
2025.11.04
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中西健二「富士山と、コーヒーと、しあわせの数式」キノシネマ神戸国際 日曜日の夜にお友達からメールです。「明日、お休みなんですけど、映画、一緒に行きませんか?」「やあ、やあ、お久しぶり、ボク、『富士山と、コーヒーと、しあわせの数式』っていう、多分、ベタなホームドラマ見るつもりなんですが、いいですか?」「はい、もちろん。」「じゃあ、キノシネマの前で、お昼過ぎでいいですか。」 というわけで、中西健二監督の「富士山と、コーヒーと、しあわせの数式」を同伴鑑賞しました(笑)。 見終えて、久しぶりに喫茶店でおしゃべりでした。「ボクね、お孫さんのタクマ君が、お母さんから、オバーちゃんの家で暮らして、っていわれるシーンを予告編で見て、豆原一成くんという俳優さんの顔というか、表情が気に入ってこの映画を選んだんですけど、彼、ナカナカよかったですね。」「はい、いい子でしたね。」「うん。オバーちゃん役の市毛良枝さんも、ボクはよかったです。彼女ってボクより四つくらい年上ですよ。75歳ですけど、頑張ってらっしゃいましたね。」「私は、まあ、この映画ではオジーちゃんの日記に残された数式の謎を解くとかいう筋立てだったんですけど、それぞれの人の思いというのは、思いやって考えないとなかなかわからないんだよっていう感じの筋運びがよかったですね。」「うん、オジーちゃんの数式は、ちょっとベタでしたけど、人生、富士山でいえば、五合目という感じも悪くなかったですね。まあ、ボクが年を取ったということかもですけど。」「でね、私、市毛さんの役、吉永小百合さんがやってたらどうだったかなあとか思ったんですね(笑)。」「えー、吉永さんでは、あのせいかつかんは・・・、で、吉永さん多分、80歳くらいですよ。そういえば、彼女も、最近映画に出てますよ。山登りの女の人の話だったと思いますけど。」 なんというか、こういうのんびりした会話って久しぶりで愉しかったですね。 ボクは、本来、こういうベタな感じの日本映画、敬遠してきたんですね。市毛良枝さんとか、長塚京三さんとか、まあ、そのまんまニッポンのいい人という大前提の映画って・・・ まあ、そんな感じの抵抗感あったんですけど、案外、素直に見ることができてよかったですね。出てくる皆さんまじめに作っていらっしゃって拍手!でした。 この映画で面白かったのはコーヒーですね。コーヒーって、ミルク入れないんですね。 まあ、見ているこっちが、その程度のレベルなので、偉そうなことは言えませんが、コーヒーに本気になったって、未来はあるんですよね。 そこが、多分、この映画の素直でいいところだったと思うんです。拍手! 実は、そういうわけで、吉永さんの主演らしい映画見ることになってしまいましたが、どうでしょうね? 監督 中西健二原案 島田依史子脚本 まなべゆきこ撮影 中坊武文編集 小西智香音楽 安川午朗主題歌 秦基博キャスト豆原一成(安藤拓磨 コーヒーのボク)市毛良枝(安藤文子 おばあちゃん)長塚京三(安藤偉志 おじいちゃん)酒井美紀(安藤綾 お母ちゃん)八木莉可子(大石紗季 しっかり彼女)市川笑三郎(島田校長)福田歩汰(森田純希 詐欺師)藤田玲(清野蓮 コーヒー屋さん)星田英利(角田均 バイトの店長)2025年・100分・G・日本 ギャガ2025・10・27・no153・キノシネマ神戸国際no47追記 ところで、このブログをご覧いただいた皆様で楽天IDをお持ちの方は、まあ、なくても大丈夫かもですが、ページの一番下の、多分、楽天のイイネボタンを押してみてくださいね。ポイントがたまるんだそうです(笑)
2025.11.03
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小松莊一良「フジコ・ヘミング 永遠の音色」シネリーブル神戸 ピアニストのフジコ・ヘミングさんが2024年の4月に亡くなって、その秋、小松莊一良監督が「恋するピアニスト」というドキュメンタリィ―を発表されて見ました。 で、その作品の、ちょうど一年後、2025年の10月、同じ監督の「フジコ・ヘミング 永遠の音色」が公開されたので、やっぱり見ました。 12年間追い続けたからこそ迫れたフジコ・ヘミング。 監督の小松さん、伝え切れていない、まだまだあるという思いがあったんでしょうね(笑)。 まあ、映画としては二番煎じ感が半端ないというか、人気に乗じてという内容でしたが、終盤、フジコ・ヘミングといえばこの曲! リストの「ラ・カンパネラ」をおしまいまで聞かせてくれたので◎でした(笑)。拍手! フジコさんが両手を広げて、見るからにごっつい手を愛おしむシーンがすばらしいですね。 ああ、それからナレーションが菅野美穂さんでした。フジコブームの2000年代、テレビで放映された「フジコ・ヘミングの軌跡」でフジコを演じた女優さんですね。 なにはとあれ、魂の音色! 堪能しました。拍手!監督・企画・構成・編集・撮影 小松莊一良撮影 青木祇蒔 宮津将ナレーション 菅野美穂キャストフジコ・ヘミング大月ウルフエバ・ゲオルギー・ヘミング2025年・91分・G・日本2025・10・31・no157・シネリーブル神戸no335追記 ところで、このブログをご覧いただいた皆様で楽天IDをお持ちの方は、まあ、なくても大丈夫かもですが、ページの一番下の、多分、楽天のイイネボタンを押してみてくださいね。ポイントがたまるんだそうです(笑)
2025.11.02
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ホアン・ジー 大塚竜治「石門」元町映画館 元町映画館がホアン・ジーという監督の作品の特集をやっていたのですが、上映時間が、少し遅くて、夕方のバスに間に合うプログラムではなかったのであきらめていました。ただ、この作品だけは明るいうちの上映だったので見ることができました。バスでお出かけの境遇は、まあ、何かと不便なんですね(笑)。 で、見たのはホアン・ジー監督と大塚竜治監督の共同監督作品、「石門」です。なんだか、寂しいような、哀しいような、切ない気持ちで見終えました。20歳のリン(ヤオ・ホングイ)を主人公に、女性の前にある様々な壁を静かに見つめる作品。 経済優先、要するに、お金儲け。自己責任、要するに、一人で生きてください。まあ、そういう二つの考え方が当たり前の社会で、20歳の女性が生きていくということはどういうことなのかということを問い詰めていく作品でした。 監督がホアン・ジーという名前ですし、舞台が現代中国の長沙という大都市ということもあって、所謂、中国映画だと思って見ていました。だから作品が描く女性の妊娠とか出産、あるいは、性をめぐって、ボク自身「エッ?そうするの?そうなの中国では?」と驚きながらも、中国のことだと思い込んで見ていた展開だったのですが、実は日本で作られた作品だと知って衝撃を受けました。 中国ではというような、自分の世界を棚に上げた考え方では現代社会の様相を見抜くことは、もう、出来ないことを思い知らされました。 経済的繁栄が個人のお金儲けに直結し、それが「幸せ」とやらを作り出すということの幻想性が覆う社会で、生きているのは、リンという、中国の大都会で暮らす20歳の女性だけではないんですね。 日本で70歳を越えて映画を見るのを楽しみにして「老後」とやらを生きているボクだって、そのボクが時々お出会いする「裕福な暮らしがしたい。」とのんきに夢を語る20歳の女子大生の人たちだって、同じ世界で生きていて、追いつめられるように生きている主人公の姿は他人ごとではないのですね。 だからどうしたらいいのか分からない世界の中にいる まあ、そういうことぐらいは、ソロソロ気付き始めないとヤバイですね。 20歳のリンの哀しさを見事に演じたヤオ・ホングイに拍手! 時代を切り裂くかの映画に仕上げた二人の監督の視点の鋭さに拍手! しかし、まあ、疲れましたけど(笑)。監督・脚本 ホアン・ジー 大塚竜治撮影 大塚竜治照明 大塚竜治美術 ホアン・ジー 大塚竜治編集 大塚竜治 リャオ・チンソンキャストヤオ・ホングイリウ・ロンシャオ・ズーロンホアン・シャオションリウ・ガン2022年・148分・G・日本2025・10・21・no150・元町映画館no322追記 ところで、このブログをご覧いただいた皆様で楽天IDをお持ちの方は、まあ、なくても大丈夫かもですが、ページの一番下の、多分、楽天のイイネボタンを押してみてくださいね。ポイントがたまるんだそうです(笑)
2025.11.01
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