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「鬼海なんて名前は一度出会えば・・・」 という KOBAYASI君 の言葉に相槌を打ちながら、我が家の書棚に 「世間の人」(ちくま文庫) なんていう文庫版の写真集があることなんて、すっかり忘れているのだから話になりません。
「ああ、そんな名前もあったなあ」 という感じで、困ったもんです。
「よし、それで行こう、あの人の「家族の肖像」があるじゃないか」 と思い付いたのが、 保坂和志 の 「カンヴァセーションピース」 という小説ですね。
「ゲージツ家の小説 」 で行けるじゃないか。まあ、前回、ピアニストの小説だったわけで、ちょっとパターンは似てますが、これは、これで、どうしてもお読みいただきたい作品です。
家を出てから三十数年会うこともなかった母親と今さら頻繁に顔を合わせるのもきまり悪いやら照れ臭いやらで、近くに住むようになってからも部屋を訪ねるのはせいぜいふた月に一度ぐらいだった。その代わりに、いつでも話せるように年寄り向けの携帯電話を飼って渡すことにした。 「今日は はればれ」 という短編の中の、笑えるエピソードなのですが、この作品を二度目に読むぼくには涙がこみあげてくるシーンなのです。
早速、母親に使い方を教えて身内の電話番号を登録し、試しに目の前でオレの携帯から電話してみる。
母親は両手を膝に置いてかしこまったまま、机の上でブルブル震えるデカいカブトムシでも見るように凝視している。
「ホラ、電話にでなきゃ」
オレが促すと
「ハイ、もしもし?」
なんと両手を膝に置いたまま、顏を電話に近づけて喋りだしたのだ。
(「今日ははればれ」)
追記
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