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2024.11.05
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​​ いしいしんじ「いしいしんじの本」(白水社)
いしいしんじ の文章が好きなのですね。
  で、 市民図書館 とかの 新入荷 とかの棚で見つけるとかならず借りるんです。横着なので 日本の作家 「イ」の棚 に行ったりはしないんです。
 で、 今回 新入荷 の棚で見つけたのですが、ほぼ10年前、 2013年 の一刷の本で、 ??? だったのですが、やっぱり楽しく読みました。
書評 とか、まあ、流行の言葉でいえば ブックレビュー とか、 文庫本の解説 とか、 新聞の文芸欄 の記事とかを集めた エッセイ集 でした。
いしいしんじ のなにがどう好きなのかと問われると返答に困るんですね。好きだから好きだというしかないところが、多分、彼の文章の特徴だと、まあ、ボクは思っているわけで、たとえばこんな本の紹介があって、 よしよし なのです。
『ペルソナ』鬼海弘雄
鬼海弘雄が今日も写真を撮りつづけているというのは、おおげさでなく、人類の希望だと思う。このように人間を見、人間の姿をこの世に残すことが、ひとりの人間にできるというのは、この現代においてほとんど奇跡。『ペルソナ』は、写真集はもうこれ一冊でいいという本。ときどき、本はこれ一冊あれば、という気持ちにもなる。(P201ふたば書店選書リスト2011「おすすめの30冊」)
​  で、そのとなりに 斎藤道雄 「悩む力」 、もうちょっと先に 「海街dairy」 だったりします。
「海街dairy」吉田秋生
よくいわれていることかも知れませんが、小津安二郎の作品を想起させます。けれども、ある意味小津を超えている。日本漫画にしかできないことが、ここでは易々と、あらゆるページ、あらゆるコマのなかで魔法みたいに達成されている。鞄に入れて持ち運べル、ポータブル鎌倉。波音や蝉時雨、谷をわたってくる風音つき。(P204)
​  まあ、書きかたもですが、ラインアップがいいですね。手元に置きたい本ですが、 やたら買い の結果の 積読の山 の再来に陥るのが怖いので、 市民図書館 です。
 とりあえず、 目次 を載せておきます。一つ一つの文章が短いので、ちょっと、大変な量ですが、後ろに、そこで話題になっている 作品名、書名 、をつけました。 作家の名前 も付ければいいのですが・・・、一応 クイズ ということで(笑)。
​ まあ、ボンヤリ眺めていただければいいかなと。ボクは新しい本と出合うのが嬉しくて、こういう本を読むことが多いですね。​​
目次
はじめに ティーンエイジャーのいしいしんじ 「婦人画報」
韓国のひとたちへ  「トリツカレ男」
本を読んで大きくなる 「漱石・太宰・賢治」
みさきのすきま  「エクソフォニー他」
浮遊する世界  「パンク侍」
アメリカの幸福  「世界のすべての八月」
林芙美子の庭 
背中のなかの巨大な手  「もうおうちへかえりましょう」
問いかける言葉  「自分と自分以外」
ケストナーさんへ 
軽々と歩くひと  「恋するように旅をして」
サイン本の絵柄  
旧制高校の必読書  「愛と認識との出発 他」
詩の起源  「おわりの雪」
舞い降りる物語の断片  「おわりの雪」
「わからないもの」のかたち  「ハミザベス」
主人公の気持ち  「梶井 他」
うみうしのあわい  「ポーの話」
ふたりの旅人  「200X年文学の旅」
本が置かれる棚  「アメリカの鱒釣り」
仕事をしていない人間はひとりもいない  「流刑地にて」他
円、矢印、方形  「残光」
わからなさの楽しみ  「こどもの一生」
本は向うからやって来る  「ジャコメッティ」
収縮する距離  「海」
ことばをドリブルする  「聖女チェレステ団の悪童」
イリノイの夏  「レイ・ブラッドベリ大全集」
「もの」にまつわる「ものがたり」  「古いものに恋して」
寄席に入ってきいてみる  「圓太郎馬車」
巡礼路の光景  「たいようオルガン」
「めくり終える式」読書  「天才バカボン」他
洞窟ツアー   「たいようオルガン」
中原中也の詩を読む、という出来事
流れていくに委せる   「ノルゲ」
自分でハワイをやる   「金毘羅」他多数
文章が「揺れ動く」   「土星の環 イギリス行脚」
闇の中の物語  「灯台守の話」
書くということ   「大竹伸朗」
霧のなかの本   「きりのなかのサーカス」
透明な穴に飛び込む  「中島らも」
動物ばかり  「白痴」(ドストエフスキー)
中国という感覚にのみこまれる  「転生夢現」
時間に遅れる子ども   「走れメロス」他
ページのむこうの特別な時間   「原っぱと遊園地2」
笑える本   「吾輩は猫である」他
開かれた小説   「ボディ・アンド・ソウル」
とっておきの秘密の沼で   「四人の兵士」
ボロボロになった背表紙   「デカルトからベイトソンへ」
多次元のスポロガム  「大洪水」
広大な宇宙の暗み   「見えない音、聴こえない絵」
ふたつの北極   「極北で」
大正時代の聖書 
ハマチとの子   「夏の水の半魚人」
金木町のブルース   「津軽」他
厚い本に手が伸びる  「魔の山」他
西脇順三郎という水を飲む   「葦」
見えないけどそこにある   「冥途」他
鬼海村と戌井村   「まずいスープ」
「夢」と「ロマン」  「真鶴」他
小説を「生きる」時間   「坊っちゃん」他
様変わりする風景   「がらくた」
本はSP盤のように  「メイスン&ディクソン」他
乱反射するいのち   「馬鹿たちの学校」
トーマス・マンの菩提樹  「魔の山」
おすすめの三十冊   「灯台へ」他
目がさめるまでの時間  「火山の下」他
寝ているあいだに小説は育つ  「ジュージュー」
名指ししたことのない光   「星へ落ちる」
たちのぼり、流し去る  「ウォーターランド」
大坂で笑い、のたくることば  「あめりかむら」
人間を拡げる心地よい違和感  「野生の探偵たち」他
まどろみの読書   「失われた時を求めて」
ともに歩いていく仲間   「野蛮な読書」
妄想の花   「円朝芝居噺 夫婦幽霊」
猫の卵   「ふしぎなたまご」
たくらみと、自然なふくらみ   「持ち重りする薔薇の花」
まわりつづけるノイズ   「一一一一一」
戦うボニー   「ぶらんこ乗り」
みんなと「ともだち」   「サブ・ローザ」
目で読む音楽   「注文の多い料理店」他
ブラジルから響く、遠い新しい声   「遠い声」(松井太郎)
「はじめて」の作家   「ブラッドベリ」
ふくらみの物語   「許されざる者」
恋愛の幾何学模様に風が吹いて   「ひらいて」
小説を書いているあいだ 
長新太の海 
塗師のうつわ   「名前のない道」
​  いや、ホンマに膨大になりました。ここまでお付き合いご苦労様でしたね(笑)
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最終更新日  2024.11.09 23:19:26
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