殿上人日記

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2008年10月30日
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カテゴリ: グルメ

インターコンチネンタル東京ベイ4

  妻夫木聡主演の映画ブタがいた教室が、11月1日より
  全国公開をされる。これは大阪の小学校3年の担任に
  なった新任教師が、生徒と卒業までの3年間ブタを
  飼育しみんなで食べようと提案をした実話だそうだ

  いざ卒業を前にして、そのブタのPちゃんを食べるのか
  どうかを生徒らが論議をした模様が、ドキュメントと
  して放映をされ、当時も話題になったそうだ


インターコンチネンタル東京ベイ5
      一番手前がホテルインターコンチネンタル東京ベイ

  私たちはごく普通にハンバーガーで牛肉を食べ、肉まんで
  豚肉を食べ、親子丼で鶏肉を食べている。でもそれは食の
  欧米化のすすんだ、最近の話であって、昔は随分と事情も
  違ったようだ。そんな事を思いつつ

  今回はブロガー対象のご招待に与り、竹芝桟橋に位置する
  世界的なホテルチェーンのホテルインターコンチネンタル
  東京ベイのファインダイニング「ラ・プロヴァンス」で
  変わったお肉料理のオンパレードを楽しんだ


インターコンチネンタル東京ベイ1

  しかも、この招待者特典で隅田川の絶景が望めるリバー
  サイド(ベイブリッジサイドもある)のスーペリアツインを
  一室1万円ポッキリで宿泊ができるというのだから
  もうアニカ・ソレンスタムもポーラ・クリーマーも捨て去り
  西ではなく、東に馳せ参じた次第だ

  お台場からベイブリッジ、池袋から新宿副都心、御茶ノ水から
  赤坂ネオン街&東京タワーなど東京の夜景を高層ホテルから
  楽しんだが、ここの隅田川も絶景だ


インターコンチネンタル東京ベイ2

  スポーツの秋、芸術の秋、読書の秋ともいうが、やはり
  秋は何といっても収穫の秋だ。その年の収穫を祝って
  各地で、グルメな秋祭りも催されている

  農業国フランスは、その年の新酒ワインを楽しむボジョレー
  ヌーボー解禁も間近に迫っているが、秋ならではのグルメな
  楽しみは他にもあった


インターコンチネンタル東京ベイ3
              朝焼けに染まる東京

  朕は国家なりと豪語したのは、ブルボン王朝の最盛期を
  支えた太陽王ルイ14世で、「仮面の男」など当時の宮廷を
  題材にした映画も多いので、知っている方も多いと思う

  そんな映画で煌びやかな衣装で、ラッパを鳴らし、野山を
  馬で駆け回る狩猟シーンは欠かせず、王侯貴族から田舎の
  民まで、狩猟はとても身近な存在であった


インターコンチネンタル東京ベイ6
       食事の前に雰囲気の良いバーで食前酒を頂く

  前にフランスの食材のプレゼントで、野ウサギのテリーヌを
  貰った時に、やはりフランスは狩猟の国なんだなぁ~と
  妙に実感をしたのだが、日本ではあまり見かけないような
  野生動物のお肉が、ごく普通に食に取り入れられており
  こういった野生動物のお肉を「ジビエ」という

  日本と同様に狩猟期間が決められており、解禁日を迎えた
  ばかりの秋は、野生動物は冬に備え、体に栄養を蓄えて
  とても美味しいのだそうだ


インターコンチネンタル東京ベイ7
       フランスの文豪マルキ・ド・サドの名を持つシャンパンは
       この上なく美味しかった。食事への期待が更に深まる

  急所に当てて即死をさせなければ、逃げまわって肉に血が
  まわり真っ黒な肉になったり、腹に弾が当たれば内蔵が
  破裂して肉に臭いがつき、背に当たれば背肉が使い物に
  ならなくなってしまうので、食材として価値を損ねぬよう
  ハンターは細心の注意を払っている

  しかしハンターによる完全に野生のもの(ソバージュ)だけ
  では、供給に足らず入手困難で、高価になってしまうので
  飼育をしてから一定期間野に放ったり、生け捕りし餌付け
  したもの(ドゥミ・ソバージュ)も、ジビエとして流通を
  している


インターコンチネンタル東京ベイ8
       貴族の館のように落ち着いた内装で、テーブルの間隔が
       広く取ってあるので、他のお客さんが気にならない

  狩猟時期にヨーロッパに訪れると、市場や食肉店の店先に
  毛がついた狩猟肉がぶら下がり、一般の家庭でもジビエ料理の
  伝統は浸透しており、料理好きな主婦は素材に応じた仕込みを
  熟知し、ジビエ料理を楽しんでいるそうだ

  さすがに日本ではジビエが流通する機会も少なく、地域的や
  個人的な条件が揃わなければ、ジビエを手に入れる事はない


インターコンチネンタル東京ベイ9
        本日のアミューズ(前菜の前に出される小さな
        かわいい料理)はイクラとサーモンで

  信州の村歌舞伎で有名な大鹿村は、その名のごとく村民より
  鹿の数の方が多いのではないかともいわれており、鹿による
  農林業被害も大きく、年間数百頭の鹿が捕獲され、その肉を
  使ってジビエ料理を、村おこしの目玉の一つに考えている

  北海道の蝦夷鹿も、かつては数が激減した為、手厚い保護で
  増えすぎ、農林業被害ばかりか、交通死亡事故も起こしたりで
  捕獲に乗りだし、行政による解体処理施設が作られ、精肉で
  流通をしているので、全国のフランス料理店から引き合いも


インターコンチネンタル東京ベイ10
       どこの産地かは不明だが、猪肉はあっさりとして
       牛蒡も使われて、なんだか味付けも和食に近い

  丹波の猪も肉の上質さが有名だそうだし、フランスですら
  希少な「ベキャス(山シギ)」は信州に飛来もするそうだ
  国内においても、ジビエ料理は身近になってきたのかも

  ただし猟師の高齢化や後継者不足は著しく、野生動物の
  数が増えて、里山は崩壊をし山と里との境は無くなり
  人家の近くまで野生動物が出没をするようになった


インターコンチネンタル東京ベイ12

  うちのあたりも猪の掘った穴がいたる所にあり、車で
  運転中に、小さなウリ坊らが何匹も藪に飛び込む
  かわいい・・・うり、うり、うり

  動物の命を奪ってしまう代わりに、その肉は勿論
  内蔵や血をも使用をするジビエ料理は、動物に対して
  感謝を捧げるという精神が大切にされている

インターコンチネンタル東京ベイ13
       鴨肉自体よりは世界三大珍味の一つであるフォアグラが
       メイン。古代ローマ人が、干し無花果をガチョウに与え
       飼育し、その肝臓を食べたのが始まりだそうだ

  それぞれが個性的で、個体によっては肉の状態も違い
  かつては王侯貴族も食したという伝統を、受け継いだ
  ジビエ料理をいかに調理をするかは、フランス料理の
  シェフの腕の見せ所である

  さらに個性が強いジビエ料理において、ワインは料理と
  一体化をした楽しみ方だけではなく、口の中をリセット
  させ、次の料理に向かわせる役割も求められる重要な
  役割を持っており、銘柄選びも気を使うそうだ  


インターコンチネンタル東京ベイ14
       雉肉は屠鳥後すぐは本来の旨みがないそうで3~4日
       熟成をさせる。フランス語で熟成をフザンダージュと
       いうが、雉(フェザン)が語源だそうだ

  それにしても、フランス料理のディナーコースといっても
  メインディッシュは肉か魚の1品(多くて肉&魚の2品)で
  「今夜はお肉だし赤にしよう」と、グラスで頼んだ赤ワインも
  メインデッシュの前に飲みほされて食前酒(笑)

  今回のようにお料理毎、ソムリエが吟味をした最良のワインが
  次々とグラスに注がれるのは、なんと贅沢な。無論、ワインも
  無料で、しかもおかわりなども出来たので、最初のシャンパン
  など3杯も頂戴してしまいました


インターコンチネンタル東京ベイ15
       この白ワインは急きょ、飲ませていただく事になったので
       メニューに載っていない。白が好きな私は大喜びだ

  王侯貴族がごとき華麗なる食の祭典は、まだまだ続き
  美味しいお料理&ワイン&スイーツの写真ともども
  次回の日記では、日本の肉食の歴史でも話をさせて
  いただければと思っている

  平成20年10月26日。ホテルインターコンチネンタル東京ベイで撮影


インターコンチネンタル東京ベイ16
       緑レンズ豆のクリームスープといいながら、大きなフォアグラ
       実のところフォアグラが苦手な私が、過去に食べた中で
       これが一番美味しい♪と思った逸品だ


             「ラ・プロヴァンス」

          日仏外交樹立150周年記念
     Gastronomique de Gibier・薫り高きジビエの至福

     通常価格17325円(税・サ込。飲物は別会計)

             11月1日より

    問い合わせは、ホテルインターコンチネンタル東京ベイ





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最終更新日  2008年11月04日 14時18分20秒
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