殺風の風~さっぷうのかぜ~


両親が謀反人だったため、
何もかも失った少女・殺風は
街を彷徨っていた。
そんなある日。
昔の友達・華姫に会う。
そして彼女の邸にしばらく置いて貰うことに・・。

~華姫の邸~
まず最初に華姫は衣装を替えてくれた。
それから華姫といっしょに過去の事などで話していた。
もう夜になったので
殺風は眠った。
「オマエハ憎マレテイルノダヨ。」
夢の中でどこからか男の声が聞こえてきた。
「誰!?」
殺風は辺りを見回した。
だが誰もいなかった。
「ココダヨ。」
目の前ににゅっと
顔をだした。
殺風は驚きのあまり転んでしまった。
「ソレシキノ事デ転ンデドウスルンダ?」
「あんたが脅かしたんでしょ!」
「オレハ何モシテナイゼ?オマエガ勝手ニ転ンダダケダヨ?」
「・・。」
「ソレヨリ、オマエハ華姫ニ憎マレテイルンダヨ?」
「何で華姫がっ・・?」
「ソレハ昔、オマエノ一族ハ華姫ノ一族ヨリ平和ダッタッテ事サ。」
「え?」
「華姫ノ一族ハ代々、平和ナ事ガ一ツモナカッタノサ。オマエヲ見タ華
姫ハ羨マシクテ好キデモナイオマエノ友達ニナッタワケサ。」
「そんなわけないでしょ!!華姫が・・。」
「ドウカナ?」
とその男は消えた。
「・・様。殺風様。」
侍女が起こしていた。
「あれ?」
「華姫様がお呼びです。」
「華姫が・・?」
殺風は食事を食べてから華姫の部屋へと向かった。
「殺風。」
と華姫は読んでいた本を片づけ、そばにいた侍女達を
下がらせた。
「実はね。話したい事があって貴方を呼んだのよ。」
「何?」
「殺風。あなた‘殺風‘という名、あまり好みじゃないでしょう?」
「まあ・・そう言われれば・・。」
「じゃあ、別の名を決めましょう。」
「別の名・・?」
その結果、殺風は(桜風・・さくらかぜ)
という名にした。


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