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October 2, 2012
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カテゴリ: 演芸・舞台
講談かぶら矢会(50回)
半蔵門・国立演芸場
17:50~


宝井琴柑「出世の馬揃い」
宝井琴桜「小松菜の由来」
宝井琴梅「新吉原百人斬・紋久と一平」
一龍斎貞山「腹切り平左衛門」
宝井琴調「夜もすがら検校」(長谷川伸・原作)
仲入り

宝井琴星「蟹工船」(小林多喜二原作・琴星脚色)


某所に寄せた原稿。

 ベテラン講釈師が6人で立ち上げた「講談かぶら矢会」。94年から年に2、3回の開催を重ね、通算50回を迎えた記念公演を見た。
 講談には、落語のように柔らかい芸もあれば、いかにも講談という剛速球を投げ込む芸もある。宝井琴柳が読んだ「笹野権三郎 海賊退治」は柔を強調した笑い所の多い講談だ。博多から江戸に向かう船の中、海賊に襲われた権三郎が敵を討ち取る顛末を描いた勧善懲悪の物語。琴柳は、ギャグを織り交ぜ、素の自分も出しながら軽妙に語った。戦闘シーンは生臭さが漂うものの、ほどよい脱線を加えることで毒々しさを消している。
 柔と剛をほどよく取り混ぜながら、味わい深い美談に仕立てたのが宝井琴調。目が不自由な琵琶の名手・玄城と、彼が信州・木曽の山中で遭難しかけた時に命を救った若者との情の交換を描いた「夜もすがら検校」(長谷川伸原作)を読んだ。信頼していた内弟子に裏切られながらも穏やかな表情を見せる玄城は琴調の佇まいそのもの。しかし、遭難を救った若者との再会に際して、玄城が見せた心一杯の礼心の中に、人生に対して一切の妥協を許さない琴調の厳しさが見える。圧巻のラストシーンに拍手。
 トリの宝井琴星が読んだ小林多喜二原作の「蟹工船」は剛球一直線。原作の思いを的確にすくい取っているだけに、現場監督の浅川が労働者に行った非道な仕打ちはさすがに重い。そのため、労働者が自由をつかむラストシーンで思ったほどのカタルシスが得られない。余韻を残したエンディングは琴星の工夫だが、資本階級を描くにしても、搾取される労働者を描くにしても思い切った振りきりが見てみたかった。
 その他の出演は琴桜「小松菜の由来」、琴梅「新吉原百人斬」、貞山「腹切り平左衛門」。





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Last updated  November 2, 2012 01:39:35 PM
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