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Sleeping Sheep
「カラス(仮)」
校正も修正も特にしていないので、読みづらいのは ご勘弁を。。。
黒い山と化した街「烏山」。言わずもがな、カラスの大群が暮らしている。人間は少数が住み着いているに過ぎない。
ところで、温暖化温暖化と騒いでいた地球は、氷河期へと向かっていた。人類の出した計算では、まだまだ先の何万年後、何億年後のはずだった。が、まさにこの星自身の防衛本能、自衛本能としか言いようのない現実が起きてしまった。
北海道はアラスカとなり、東京は北海道となった。
人々は南へ移動していった。金のある者から順に。赤道直下の土地は次々と買い手がついた。
海の上さえも。
そしてこれは、昼間も手袋が欠かせない烏山で暮らす、少年の話。
少年は「ナツ」という。 ただこれは、本名でもなんでもなくて、
「ナツ」
と呼べば少年が振り向く、というだけの言葉に過ぎない。
その由来は「七十二番目だから」という理由からで、しかし、何が七十二番目なのかを知っているものは少なく、そして覚えているものは、もう誰も居なかった。本人でさえ、忘れてしまった。
けれど重要なことは、誰かが少年を「ナツ」と呼び、少年が振り向く、ということなので、誰も何も困ることはなかった。
烏の山で暮らすということは、烏と共生するということであった。
以前より烏はその頭の良さを人間にみせていたが、それが功をそうしたのか、烏が引いた境界線を人間が踏み越えなければ、烏は人間の良きパートナーとなった。いや、人間が烏の良きパートナーとなったというべきか。
烏の街に住み着いているのは人間なのだから。
彼の名はミオ。例によって三十番目だからである。
年の頃は十代の後半か、二十代の前半か。鋭い目つきをしている割には、目じりが多少下がっているので、どこか甘い印象を与える顔つきをしている。
彼は烏山の円闘場で王者の位置に君臨していた。
円闘場とは、烏山の中にある広場――昔、公園だった場所――のことである。実際には、その広場の中心部に円形に適当な廃材で囲みを作り、中に入った人間二人が、または複数の人間、或いは動物同士(人間を含めた)が闘い、試合(ゲーム)の観客は賭けをして、勝者は賞金を得られる、という仕組みになっている。
王者であった彼は、莫大な賞金をここで稼いでいた。
彼は常に勝者であった。彼の洗練された闘い方に誰も彼も何も勝てなかった。
しかし彼は試合(ゲーム)の一線を越えてしまう。彼が強過ぎたためだ。
有余り溢れてしまう力を抑えきれずに、彼は対戦者―― 一人の人間を死に至らしめてしまった。
意外な事に、円闘場において殺人は禁忌であった。
これはゲームなのだから。
だからといって檻の中に放り込まれるというわけでもなく、この街の法律(ルール)で、律に罰しない代わりに、ゲーム参加の資格を永久に認めない、という事態で落ち着いた。
円闘場での王座から彼は降りることとなった。
しかし、それまでに稼いだ莫大な金は、そのまま彼の手の内にあり、そして、どこの世界もがそうであるように、裏の円闘場からの誘いがきた彼は、今再び王座への道を着実に歩んでいる。
いつの頃からか、ミオとナツは共に住むようになっていた。
いつの、どこの世界でも同じように、ここでも金を持つ者が上の地位にいた。
ミオには自分の家があり、ゲームに参加しないナツには金はなかった。
ミオがナツを家に入れたのか、ナツの方から家に入ったのかは確かなところではない。が、ミオが拒否すればナツは家に入らないだろう――なので、どちらかが無理やり、ということではないようだった。
二人の暮らしぶりは二人で住んでいる、というより二人の住処が同じ、と考えたほうがしっくりとくる生活ぶりであった。
鳥の群れが大量に生活している街で、ナツは静かに暮らしていた。
立ち並ぶ高層ビルは烏の黒い色を、緑に萌える木々のように身につけている。 ――烏山と云われる所以だ。
黒い森の中で、彼らに好かれるというのはここで暮らしていく絶対条件だった。嫌われた者 ――人間―― は、彼らにその硬い嘴で身を削がれ、滅びた。
しかし幸いなことにナツは彼らに好かれている。それは慕われていると表現したほうが適切なくらいで、街を歩けばナツの肩には必ず彼らの内の一羽が泊まっているのが常だった。しかも彼らの中ではその順番を決めているようで、同じ者が二日と続けて肩に泊まることはない。
どうしてそこまで好かれているのか。それを知る者は誰もいなかった。
烏山と称される街はかつて大都会と呼ばれていた。
今の呼称からも分かるように、ほとんどの建物は廃墟となり鳥の住居と化していた。
しかし金、力共に持つミオと鳥たちに慕われているナツにとっては何の問題もなかった。かつては毎月いくつもの札束を支払わなければ住めなかったような所を、二人は寝所(ねぐら)にしていた。高層ビルの四十七階。自然エネルギーを利用した発電システムは今も健在で、地上との行き来に不便は無い。しかも、荒廃した高層ビルで唯一だが四十七階だけが冷暖房が効いているのだった。
そんな居心地の良い場所を求めているものはたくさんいた。しかし、ミオとナツの二人に交渉を試みる者はいない。二人が、というよりミオが譲るわけがないからだ。そうなると自然に実力行使へと手段が移るわけだが、その行為が成功することはなかった。
この森の主である烏達が、二人が ――というよりナツが住む場所に近寄らせるはずがなかったからに他ならない。
それでも二人の住居に近づこうとするものは、烏たちの制裁を受けることとなった。彼らの肉体(からだ)は生きたまま烏達の餌食となった。
しかしナツはそんな事態を知らない。烏達が証拠を残さないのだ。
ただし、ミオはこの実状をよく知っている。道端や寝床にしているビルの屋内の片隅で骨だけになっていく人間を何度か見たことがある。心地よい眺めではないが、だからといって目の前で起こっている現象をどうにかしよう、とは欠片も思うことはなかった。
ところで、ミオが毎日何をしているのか、というと、特に何をするでもなく、ふらふらと街を彷徨っていることがほとんどだった。たまにふらりとあの広場へ行くことはあったが、彼はもう出場することは出来ないので、ぼんやりと試合(ゲーム)を眺めたりしている。
賭け(ゲーム)に参加することはなかった。彼を賭けに誘う者もいなかった。誰が誘おうといくら誘おうと、彼が自分から参加しないのであれば、彼が参加することは絶対にない、ということを皆知っていた。
毎日をいくら無駄に過ごそうと、困る事は何も無い。
金は腐るほどあるのだ。
ナツはというと、毎日を鳥の群れと過ごしていた。
ナツには金は無かったが、衣食住に困ることはなかった。
正直言って、ミオと共にいる限りこの三つに困ったことがない。それにナツには烏達がいるのだ。この街の主である烏に慕われているナツは、この街にいる限り寒さに震えることも飢えに苦しむこともない。
そんなナツが日頃唯一やっている事といえば、烏達の相手をしてやることだけだった。
円闘場の客席には ――といってもスタンディングなのだが―― 様々な人がいて、ミィという少女もその中にいた。
ミオは有名人だし、ミオもミィの顔は知っていたけれど、ただお互いに顔を知っているという程度の仲で言葉を交わしたことはなかったし、これからも話す事はないと思っていた。
ところがミオが家に帰るとミィがカップを持ってソファに座っていた。
ミィがこっちに気付いて、どうも、と言った。
ナツはミィの向かいに座っていた。といってもこちらは腰の高さまで積み上げたコンクリートブロックの上だったが。今、ナツの肩に烏は乗っていない。代わりに手乗り大の小鳥が乗っている。ちなみに、今の烏には抱えなければならないほど大きいものもいる。そんな烏がナツの肩にとまることは、もちろんなかった。烏がナツに負担をかけることをすることは一切無いのだ。
ミィが部屋に居る、その光景をみてミオは特に何を言うでもなく、ただ目で見ただけだった。何事もなかったように部屋の奥まで行くと、備えてあった容器から器に水を汲んで飲んだ。その後は、そのさらに奥の、家具や廃材で区切った向こう側の、ナツの背中の向こう側、ミィからは死角となるスペースへ入っていって見えなくなった。
ミィはその一連の動きが見える位置にいたが、ミィはカップの中身を冷まそうと息を吹いていた。立ち上る湯気がくるくると渦を描いて消えては、また新しい湯気が白い渦を描いた。
一口飲む。
「オイシイ?」
聞いたのはナツ―― ではなくて肩に乗った小鳥だった。薄く淡い黄色い鳥。ナツは微笑んでミィを見ている。
「ココアなんて、ひさしぶり」
台詞でも読むような口調。
「ユックリ シテイッテ ネ」
小鳥がそう喋るとナツがにこりと笑った。ぽん、と飛び降りるようにして床に立つと、先ほどミオが消えていった家具の向こうへと入っていった。
「おまえ、鳥連れて来んなっつっただろ」
ミオの声がして、あの小鳥がミィのいるところまで戻ってきた。さっきまでナツが腰掛けていたあたりに来て、泊まる。ミオの声だけが続けて聞こえた。
「うん」
「うん」
「おお」
「わかった」
「ああ。適当に追い出せよ」
ナツがミオの元へ戻ってくる。天使のような微笑をした顔で可愛げに小首を傾げ、
「ミオ寝ちゃった」
そう言って、ふふ、と笑った。
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