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去年の年末から当店に勤めだした若い男の子に最近そば打ちをしてもらっています。平日なら、一日3回中一回。土日も4~5回中の一回。要するに一日一回だけなのですが・・・。なかなかそば打ちは難しいらしく、触感が僕の作るそばと違ってきます。 僕は自分ではイメージの中で湯がいた時にふわっと柔らかくしなやかに茹で上がるようにそば打ちをしているつもりです。彼にもそれを伝えてはいるのですがなかなかそうは行きません。余分な力が掛かるらしく、茹で上がりが硬いそばになることが多いのです。 彼は実家が蕎麦屋さんで小さいときから蕎麦屋の息子として、そばに慣れ親しんで育ってきました。高校を卒業後、料理学校に行き、その後は飲食業に従事してきました。それも、蕎麦屋が殆ど。手打ちの技術も僕よりも上手で・・・。 硬いそばが何故いけないの?と言われるかもしれません。それは好みの問題かもしれませんでも、湯で湯が綺麗なときには判らないけれど、仕事が立て込んできて、湯で湯が汚れてきたら、上手く茹でられなくなってきます。それと、僕の打った蕎麦と同じような硬さに湯がこうとすれば、香りも抜け気味になりますし、湯で湯が汚れてきているときにそんな湯がき方をすれば、湯で湯の匂いがそばについてしまいます。
2010.03.25
15年毎日仕事をしてきてそば打ち、製粉、取水(水汲み)が少しずつ変化してきました。昨日より今日、今日より明日と少しでもそばが美味しくなるように。でもそれは、単なる自分の自己満足だけで、客観的に見れば以前のほうが美味しかったかもわかりません。でも、自分の目標となるそば。その根底にあるもの、それはそばの実そのもの、そばの実を(丸抜き=そば殻を取り去ったもの)何も加工しない状態で口に放り込んでガリガリと齧ったときに喉の奥から華に抜けてくるそば独特の香り。それをそのまま麺に表現したい。文字で書くならそれだけなのです。至極簡単。
2010.03.10
この1月26日で蕎麦屋を開いて丸15年が過ぎました。皆様にお礼を申し上げます。昨年の秋、9-10月ごろ、漸く自分で自分の作り出す蕎麦のことを”まあまあのところまでたどり着くことができてきたかなー”と思えるようになってきました。(回りくどい書き方ですが) それは、まだまだ100点満点の出来ではありませんが、そして、この先も100点満点の蕎麦はできないであろうけれど。15年を振り返ってみて、色々なことがありました。たぶん1冊の本が出来る程いろんなことがありました。石臼のこと、水のこと、蕎麦の実のこと、農家さんとのこと、その他いろいろ。今でこそ振り返って懐かしく、他人事のように言えますが、その時はそれこそ必死で、そして、”何でこんな商売を選んだんだろー”って叫びながらこの仕事に就いたことを後悔したものでした。蕎麦屋をはじめるにあったっては、どこの蕎麦屋さんで修行をしたこともなく、独学(と言えば聞こえはいいけれど)でわけもわからずこの世界に入りこんだのでした。
2010.03.04
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