産後の大出血

助産師蕎麦湯のドキュメント産後の大出血 おーい、おーい、だれか来て


はじめに
産後の大出血のなかでも子宮収縮が悪いことが
原因で起こる場合を『弛緩出血』という。


あの日の夜勤は大変だった。


蕎麦湯は弛緩出血の処置・指示受けに対応。患者から離れることが
できない。緊急時に備えて救急カートはあるものの
指示された薬品や物品が病棟にないため1人はその準備に
病院内を走り回る。薬局、検査室、手術室、ほかの病棟‥
もう1人は緊急入院の応対と授乳の介助が重なって多忙な状況。


【救急カート】生命の危機にある患者にすばやく対応するため
病棟に備えておくもの。呼吸管理のための挿管セット、点滴セット
などを準備。


出血の患者に対する指示は度々変更され、重症チャートの記録は
追いつかない。状態が落ち着いて、やっと医師も指示書を記入。
そんなとき経産婦が分娩入院の連絡入る。


【重症チャート】体温、呼吸、脈拍、血圧、尿量、出血量など変化の
大きい患者の状態を把握するための記録用紙。


【指示書】治療方針や使用する薬剤名や投与量を医師が記載する。
これをもとに看護婦は処置を行う。


蕎麦湯は
早く指示書を確認しなきゃ
分娩の準備をしなきゃ
助産婦は1人、分娩介助に備えて出血の患者を申し送らなきゃ
点滴は2本あるから間違えてはいけない、気をつけなきゃ
と思いながら患者を移送。


生命にかかわる救急看護
今回の患者を通して蕎麦湯が反省したこと。
自分の救急看護が未熟であること
病棟の救急カートを充実させること


助産師蕎麦湯のドキュメント救急看護のABC
AはAirway  空気の道、気道の確保
BはBreathing  呼吸の確認、人工呼吸
CはCirculation  血液循環の維持、心臓マッサージ


このように看護学校では習ったけど、1つ足りない。
救急処置には人手が必要。救急医療の鉄則は
けっして「1人で解決しようとしてはいけない」
おーい、おーいと人を呼ぶことが最初の一歩。


参考文献
小学館文庫 和田努著 「医療事故自衛BOOK」

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