自分勝手に感想文を

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2003年9月~12月

トータル28作品読みました

東京発ひかり147号 西村京太郎
今回は予知がテーマの話です。リンチで殺された青年は予知ができる青年で、その青年が残した予知通りに次々と殺人が起きている。それを理詰めで捜査していきます。わりと盛り上げておいて、最後がかなりあっさりしているんですよね。

十津川警部 愛と死の伝説(下) 西村京太郎
面白かったので、下巻もアッというまに読み終えてしまいました。上下巻で700Pもある推理小説は読み応えありです。ただラストがちょっと性急過ぎるようで、意外な犯人なんですが驚きが少ないって感じでした。
超古代文明がテーマの話なんでその部分の解説は面白かったです。

十津川警部 愛と死の伝説(上) 西村京太郎
推理小説の上巻だけなので、感想は下巻を読み終わったらまとめて書きます。

伊香保殺人事件 内田康夫
タイトルはチープな感じですが、割と面白かった作品です。金融会社の常務の夫は焼死し、その妻は転落死しています。警察は無理心中として簡単な捜査しかしなかったけど、その裏には複雑事情がからみがあって、その謎解きが良かったかな。最後にちょっとしかどんでん返しがありました。

慶次郎縁側日記 北原亞以子
鬼平犯科帳ちっくな話です。盗むほう、盗まれるほうにも言い分や歴史があってその人間関係を描きつつ、捕まえた後は人情味あふれる捌きをするって感じです。

禁断の館殺人事件 和久峻三
弁護士が主役の話です。夫は警察官で家では妻や子を殴っています。ついに逃げ出した妻はある関西の財閥の家に住み込みで働くようになります。しかし夫に見つかってしまい、ある夜、襲われそうになってしまいます。恐怖のあまり出した植木バサミで夫を死なせてしまいます。正当防衛です。しかしいつの間にか警察によって冤罪で起訴されてしまいます。そんな彼女を救うために弁護士が奮闘する話です。
弁護士側からってのが珍しいですが、なぜか警察の捜査が怠慢な上いい加減です。夫以外の後にももう一人死ぬのですがあっさり事故死にしてしまったりしてしまいますし。

堪忍箱 宮部みゆき
8編の短編時代小説です。どれもこれもなんともいえない後味で終わる作品ばかりです。人間の心の微妙さを、難しさが感じられます。面白いかどうかは、かなり微妙ですが。

青函特急殺人ルート 西村京太郎
無人のはずの青函トンネル内の駅で女性が殺された。その女性はものすごい資産家の娘だった。と思ったら彼女の婚約者までがホテルから転落死してしまう。そして今度は彼女の別荘が放火されてしまい、そこで焼死体が発見される。その焼死体を復元してみると青函トンネルで死んだ女性だった。一体どうなっているんでしょう?
捜査の壁に当たった警部が「常識こそが一番強い、常識で理解できるよう一から考え直そう」と言って推理をやり直します。
確かにこの話のトリックは絶対にありえないことはないと思いますけど、常識で片付けられるとはちょっと思えませんでしたよ、僕は。

月が魔法をかけた夜 小林弘利
空想癖がある女の子、スポーツが得意な男の子、微生物の研究が趣味の男の子、この3人の高校1年生がが主役の話です。同じ学校の美術部員の女生徒様子がおかしいと聞き、調べてみるとどうやら彼女はある花の毒に侵されて夜になると狼になってしまうことがわかった。当然街中を狼が徘徊していれば、保健所やら警察やらが捕獲しようと必死になります。そんな彼女をかくまいつつ、彼女が元に戻れるよう3人が奮闘します。最後まで大きな盛り上がりがなくて、ちょっと残念でした。

友よ、背を向けるな 生島治郎
元刑事で現在ははやっていない私立探偵がブラジルで消えた男の捜査を依頼させる。断るつもりが、なぞの組織からの脅しを受けてつい引き受けてしまう。
捜査するにつれて、どんどん激しくなる妨害工作。時には罠にはめられて留置場に入ってしまうことも。そんなハードボイルド推理小説です。
割と面白かったですね。

女神たちの午後 -青い旅の作品集- 荒巻義雄
短編集です。登場人物も主役は日本人ですが、話の舞台は全てヨーロッパです。青い芸術作品をテーマにした恋愛にまつわる話が多かったですね。ちょっと抽象的過ぎてわかりにくい作品もあったりして。


天翔る白日(小説大津皇子) 黒岩重吾
日本初の専制君主天武天皇の血を引く二人の皇子、大津皇子と草壁皇子。皇后は息子、草壁皇子に天皇になってもらいたいと考えているが、人間としての器ははるかに大津皇子のほうが上。そのため、皇后にとって大津皇子の存在が目障りでたまらない。天皇としてもそれ事はわかっているけど、皇后を無視することも出来ない。そんな微妙な立場の大津皇子の生き様を描いた作品です。

倉敷から来た女  西村京太郎
この本も短編集です。推理小説も短編だと事件解決が早くてテンポがいいのはいいのですが、やっぱりちょっと物足りない感じがします。僕は長編のほうが好きですね。

あけめやみ、とじめやみ  久美沙織
少女小説で近未来で短編なんです。近未来小説って道具とかの名前を覚えるのが大変なのに、短編だから覚えきる前に話が終わってしまい、次の話になってしまうのがちょっとですね。内容もこれといったものがなかったので、いまいちでした。

ラブ&ポップ  村上龍
過去2作品に比べ、はるかにわかりやすい文章の作品でした。内容は普通の女子高生が主人公で12万円の指輪が欲しくなり、当たり前のように援助交際をしてしまう話です。
内容云々よりも、どうでもいい部分の描写が細かすぎて、飽きちゃいました。

アルプス誘拐ルート  西村京太郎
久々普通の推理小説を読みました。やっぱり読みやすくて落ち着きますね。内容は電車の時刻を使ったトリック物で、誘拐と殺人が絡んできます。

[常識」の研究  山本七平
国際社会で常識を語るときに、まず相手の国の歴史、立場をきちんと把握しない事には、相手のとっている行動が理解できないということを、いろいろな例題とともに解説している本です。
約20年前に書かれた本ですが、今読んでもなるほどと感心できるないようです。

「空気」の研究  山本七平
日本における、重要なことを決めるときに支配する場の空気というものについての研究をまとめた本です。日本人は空気に支配されると、当たり前の判断すら出来なくなってしまうのはなぜかについて、研究しているのです。

恐怖の2時間18分  柳田邦夫
2部構成でアメリカのスリーマイル島での原発事故を題材に第一部では発電所内での事故発生から取り返しが綱なくなるまでのプロセスを克明に記し、2部ではその後の所長や知事、大統領の判断と混乱の様子を記したものです。
この本を読んでいて、あの事故はおきるべくしておきた事がわかりますが、それから15年以上もたっているのに日本でもその反省が生かされていないなってことがわかります。コストダウンだけを考えすぎると、いつかしっぺ返しにあうって事ですね

夢の秘宝に変わる花  小林弘利
主人公は女性新聞記者。後輩の父親は宝石デザイナーですが、突然行方不明になってしまいました。
そこへ世紀の珍怪盗からそのデザイナーの作った宝石を盗むと予告状が。
途中からはその怪盗も含めて、誘拐された父親を探すことになるが、どうやら背後には巨大な組織がかかわっているらしい。
と内容だけ要約するとハードっぽい感じですが、実ははちゃめちゃ系のお話でした。コバルトシリーズですから。

蛍・納屋を焼く・その他の短編  村上春樹
ほのぼのしていて読みやすいなーってのが第一印象。7編の短編集なんで、面白いやつとそうでないやつがあるのはいつものことです。
読みやすいですが、ちょっと抽象的過ぎて、意味がわかんない内容の作品が多かったですが、多分これがこの方の作風なんだろうと思います。

T.T過去からの殺し屋  斉藤英一郎
宇宙を又にかける泥棒の話なので、近未来SF泥棒物ってことになります。
近未来でも大物の泥棒となるとむやみな殺生はしないとか、難しい物だけ盗むとか、その辺はルパンとおんなじ考え方みたいです。
パートナーは美女二人で今回はそのうちの一人と行動をともにする馴れ初めの話でした。

続明日のスケッチ  岡崎友紀
3部構成で詩集、エッセイ、ハワイ旅行記です。
いわゆるタレント本でファンなら読んでて楽しいでしょう。僕はファンじゃないのであんまり楽しくなかったというのが感想です。

志に生きた先師たち  小島直記
明治から終戦前くらいまでの間に活躍した、いろいろな偉人たちのお話が乗っています。人によって共感したり、まったく興味なかったりといった感じです。

フグと低気圧  椎名誠
日記とエッセイが混じったような内容です。
冒険日記(よく海に潜ったり、あちこち旅に出ている)に著者ならではの感覚で感じた面白いことを書き加えて、11編のエッセイにしたような感じの無いようでした。
面白い話もあれば、いまいちの話もあって読むのに手間取りました

RED SADISM  青木弓高
漫画で言うと少女漫画のファンタジー物でややレディースコミック(読んだこと無いけど)が入っているような内容です。
魔陣同士の一応純愛がテーマみたいですが、その割にはからみが多いです。
気楽に読める内容でしたね。

鬼平犯科帳12  池波正太郎
今回は平蔵の息子ががんばる話があるんだけど、平蔵の息子に対する接し方が、時には厳しく、そしていざって時は助けてあげたりして、頼りになります。こういう父親はある意味理想だよな

鬼平犯科帳11  池波正太郎
今回一番面白かったのは、第一話のホモの盗賊に鬼平の部下がさらわれてしまう話ですね。
昔にもそんな人っていたんだなって思いました。




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